現場に立つ・場に居合わせる

 私たちのゼミでは、「現場に立って考える」姿勢を大事にします。つまり、現代を扱う場合も過去を扱う場合もフィールドワークによる一次資料をつくりあげ、そこから発見できること、その発見を軸に考えていく行為と道筋を重視しています。むろん、先学の文献や資料を読み、研究方法を伝授・議論することもします。重要なのは、先学の研究にひっぱられすぎないこと、自らの着想や本質をみぬく力を過小評価せず、思う存分取り組むことが大切です。

 見知らぬ土地、見慣れた土地に分け入り、自分の眼で見、耳で聞き、鼻で嗅ぎ分け、対話しながら「そこにあるもの」「かくれた意味」を発見し、表現する力を高めましょう。面白い題材はどこにでも転がっています。また新しい着想も、外からの刺激をうけ、内側からどんどん湧いてくるものです。

 前期は、暖めていた(もしくは、たったいま思いついたってかまわない)テーマについて、「論文」を探し、読んでみましょう。そして人はどんな方法で調べ、自分はどんな違った方法で取り組むのかを考えます。それぞれの発表を聞くうち、自分では思いつかなかったテーマを仲間がもっていることに、なんでも調べている人がいることに、また手つかずのテーマがたくさんあることに、興味を覚えるはずです。そして、違うテーマなのに同じ土俵で戦える面白さと似かよっていてもぜんぜん違う尺度があることにわくわくするはずです。

 後期は自らのフィールドワークにもとづく成果をまじえ共同で発表します(ここで俄然活気づく)。そして、レポートにまとめる力を養います。それを2年次・3年次と反復することで、独創性のある卒論作成の基礎固めをしていきます。
現在取り組んでいる発表テーマは、スポーツやマンドリンと地域・学校教育の関係/伝統の祭り/和太鼓/ロケ地観光/農林漁業・工業と地域活性化/ファッションと神戸/六甲山/食文化/国生み伝説と地域など


卒論テーマ

4年生が取り組んでいるテーマは、百人一首・書道と学校教育/多田一族の伝承/生駒山/韓流と大衆文化/ファッション/農業・商店街と地域活性化/よさこい祭りの展開など。
これまでの卒論テーマは、播州のソロバン・和紙・そうめん/阪神間の市民農園・防災井戸・奄美同郷会・聖地巡礼・場所への愛着/播州・宝塚・泉大津・高知の祭り/奈良の地蔵盆/近畿の淡島信仰/四国遍路/鳥取の麒麟獅子舞/ふたつの東北/人力車観光/韓流とロケ地観光/ドイツシュプレーバルトの水路観光など。

 

学生へのメッセージ

ゼミは皆で一緒になってつくりあげるものです。遠慮は要らない。いいと思ったことはどんどん実行しましょう。「仲間のお世話」や「全体を仕切る」ことも大切です。発表や討論のための準備と努力は惜しまずに、主体的に取り組みましょう。楽しくてハードな巡検もあります。今年はどこがいいかな。

 

巡検の模様

①青春牧場!青春牧場!

②牛子さんコンニチワ

牛子さんコンニチワ

③白菜畑をあるく

白菜畑をあるく

 

書籍

研究分野