「アメリカに行きたい」
その気持ちだけで渡米し、俳優になる夢を実現
たった一人、ゼロからつかんだ今の充実

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2024.3.21
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俳優・声優 合田 沙おりさん
2007年、文学部英語英米文学科卒業。俳優になるため、大学入学と同時に劇団に入団し、舞台演劇、時代劇、映像、ミュージカルなど芝居経験を積む。声優プロダクションにも所属し、声優、ナレーター、MCとしても活動。2009年に単身渡米し、以降、米国で数々の映画、TVに出演。主演した映画『MY DAUGHTER YOSHIKO』では多くの映画祭で主演女優賞など3賞を受賞。

 

 

 

合田さんが俳優に憧れたのは、幼いころ家族と一緒によく観ていた洋画の影響だったといいます。俳優になる夢を抱き、大学時代から芝居を始め、縁あって声優プロダクションに所属。キャスターやラジオDJとして番組にレギュラー出演するなど、声の仕事が増えつつあった中、それらを手放し、単身で渡米。現在はニューヨークで俳優、声優として活躍中です。2019年には映画で主演女優賞を受賞。異国の地で夢をかたちにした、その道のりを語っていただきました。

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

本日はオンラインでの取材、よろしくお願いいたします。

 

 

 

合田 沙おり さん

 

よろしくお願いします!

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

さっそくですが、渡米のきっかけを教えてください。

 

 

 

合田 沙おり さん

 

「行ったらいいやん」
その一言で渡米。そこは夢をまっすぐ追える国だった

DJとして日本とアメリカを行き来する友人に、ニューヨークに住むことへの憧れを口にしたところ、「行きたいなら行ったらいいやん」と返されました。シンプルな考えに妙に納得し、渡米を決意しました。2009年春に渡米してから約15年、現在もニューヨークに住んでいます。渡米するまでは、劇団で芝居をし、縁あって声優プロダクションに所属していました。渡米を決めたころは司会やナレーター、レポーターの仕事などが増え始めていましたが、周りの目も気になっていました。一般的な会社員のように同じ時間に出勤することもなく、収入も不安定。ましてや本当は俳優になりたいだなんて、人からどう思われているんだろうと。声の仕事は好きで、やりがいもあったのですが、俳優になる夢をひたむきに追いかけていたはずでしたが、いつの間にか、かなわぬ夢のようにも思っていました。しかし、ニューヨークはエネルギーにあふれていて、ここなら俳優になる夢をまっすぐ追いかけられると感じ、当初は1年間だけのつもりだったのですが、すぐに滞在延長を決めました。

 

司会をする合田さん

 

KONAN-PLANET 記者

 

渡米後はどのように過ごしていましたか。

 

 

 

合田 沙おり さん

 

「この国で俳優として生きる」
その決意で、話せなかった英語もアメリカ式の演技も勉強

当初は英語での生活にも慣れず、現地に知り合いもいない状況でした。シェアハウスに住み、生活費を稼ぐために寿司屋の受付のアルバイトを始めましたが、英語が聞き取れず予約を間違え、お客さまを怒らせて泣いたことも。。。アメリカでの日々に慣れるまで二年ほどかかりました。それでもがんばってこれた理由は、俳優としてのチャンスの多さでした。ハリウッド映画など大きな作品のオーディションを受けるために、日本なら大手プロダクションに所属する必要がありますが。アメリカでは、広く一般公募することも。アメリカで俳優をするには語学が必須なので、苦手なアクセントを克服するためのレッスンや、アメリカ式の演技を身につけるために演技の学校に複数通いました。

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

何か人生の転機になるような出来事やことばはありましたか。

 

 

 

合田 沙おり さん

 

世界各国の映画祭で主演女優賞を受賞
さらなる自信や喜びに

日本にいたころは、「俳優になる夢がかなえば人生は成功」と思っていましたが、大学のゼミの先生が語った「仕事とプライベートは相乗効果になる。どちらも充実したら人生はもっと楽しい」ということばに、人生観が変わりました。アメリカで結婚と出産を経験し、仕事も充実してきた今、先生のことばを実感しています。舞台やCM、TVなどの仕事が増え、映画『MY DAUGHTER YOSHIKO』では、インドやニューヨークなど、世界の映画祭で主演女優賞をはじめさまざまな賞を受賞しました。 この映画で私が演じたのは、自閉症児の母親役でした。子育てを経験する中で息子を思う心がそのまま役に生きました。私の演技に感動してくれた人がいることがうれしかったですし、今までやってきたことが間違っていなかったと思えました。

 

 

映画『MY DAUGHTER YOSHIKO』のポスターと撮影現場

 

KONAN-PLANET 記者

 

ご自身で大切にしている思いはありますか。

 

 

 

合田 沙おり さん

 

常にハッピーでいること

何事もアクティブに楽しむこと

仕事が途切れた時期もあり落ち込むこともありましたが、常にハッピーでいることが大事だとわかりました。旅行や遊びでもいい。アクティブに楽しんでいると、そのエネルギーに仕事が舞い込んでくるんです。そしてオファーがあったら仕事や人に丁寧に向き合うことも大事だと思っています。シビアな個人主義だと思われがちなアメリカですが、一方で人との関係性や人柄を大切にする国でもあります。私は渡米してから、司会の仕事が始まりでした。そこからナレーターや声優の仕事が広がり、現在の俳優プロダクションへとつながっています。ただ、アメリカで司会に挑戦できたのは、日本で声の勉強をしてプロとしての実績を積んでいたこと、オフ・ブロードウェイでの時代劇に抜擢されたのも、時代劇を学び、劇団で経験を積んでいたからです。日本でがんばってきたすべてのことが、アメリカでの力になっています。

 

 

左:オフ・ブロードウェイ忠臣蔵  右:殺陣パフォーマンス ©HidekiAono

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

今後の目標を教えてください。

また、海外での活動に興味がある方へ

メッセージをお願いします。

 

 

 

合田 沙おり さん

 

渡米に計画や理由はいらない
行きたいと思った気持ちを大事にしてほしい

いつかTVドラマシリーズにレギュラー出演したいです。そして、渡米を考えているなら、綿密な計画などなくても、行きたい気持ちを大事にしてほしいです。たとえすぐに帰国することになったとしても、その経験はきっとプラスになるはずです。私はアメリカに行って良かったです。一日たりとも後悔したことはないです!

 

 

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

苦労も成功も経験した

合田さんのことばはとても力強いです!

本日はありがとうございました。

 

本記事は学園広報誌「Konan Today No.65」に掲載中の
「It‘s Konan Style」を再編集しています。

 

 

 

 

 

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