Konan University Library

図書館ガイダンス -ビジネス情報(業界・企業情報)編- [15/15]

15. 研究倫理とレファレンスサービス

学習・研究活動を行う上で知っておかなくてはならないルールを学びましょう。
情報探索で分からないことがあった時には、図書館の専門のスタッフがサポートしますので、お気軽にご相談ください。

15-1. 研究倫理とは

研究活動とは、先人達が行った研究の諸業績を踏まえた上で、観察や実験等によって知り得た事実やデータを素材としつつ、自分自身の省察・発想・アイディア等に基づく新たな知見を創造し、知の体系を構築していく行為です。
研究に携わる人には、常にその社会的な影響を考えて行動すること、互いに信頼し敬意を払うことが求められます。こういった研究者が守るべき規範を「研究倫理」といいます。
大学は教育機関であると同時に研究機関でもあり、学生も「研究倫理」を遵守しなければならない研究者の一員です。レポートや論文などの成果物を作成する際に、以下のような「研究倫理」に反する不正行為があった場合は、カンニングと同様に厳しく処分されます。

  1. 捏造
    存在しないデータ、研究成果等を作成すること。
  2. 改ざん
    研究資料・機器・過程を変更する操作を行い、データや研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること。
  3. 盗用
    他の研究者のアイデア、分析・解析方法、データ、研究成果、論文の内容を「引用」の範囲を超えて流用すること。

「引用」について
「引用」とは、他の人の本や論文をそのまま転記することです。引用するときは、転記した文章を「」で括ったり、段を変えたり、「○○によると」から文章を始めるなど、どこからどこまでが引用なのか、読む人が明確にわかるように整えます。もちろん、使用した文献の情報(典拠)も、文献リストや脚注に明記しなければなりません。引用できる量は、自分の考えを補強し、論拠づけるために必要な部分のみです。
こうした引用のルールを守らずに他の人の著作物を使用した場合(本や論文、インターネットの文章をコピー&ペーストしてレポートを作成するなど)は、故意ではなくても「盗用」になります。写真や絵・イラストは、引用にも制限がある場合があるので注意してください。

著作権について
人間の思想や感情を、文章や音楽、絵画などで表現した作品は、作品が産み出された時から「著作権」が発生します。作品(著作物)と製作者(著作者)は、著作権法によって保護されています。
「引用」する場合を除いて、著作物は著作者(著作権保持者)の許可なく、レポートや論文など、”他の人にみてもらうもの”に利用することはできません。もちろん、SNSなどへ投稿することも禁止されています。授業で提供された資料等を担当教員に無断でインターネット上で共有することもできません。

★不安なことがあったときは、早めに担当教員等に相談しましょう。
参考:甲南大学研究活動行動規範(PDF)

15-2. 参考文献リストとは

学習・研究をするときは、学術書や学術論文、インターネット情報など、いろいろな「文献」から手がかりを得ながら自分の考えをまとめます。ですから、レポートや論文を書いたり、プレゼン資料を作るときには、自分の考えの論拠となった文献のリストを付けることも万国共通のルールです。
逆に、文献を読んで、書かれていることを詳しく知りたいと思ったときは、文献リストの文献を探します。
文献リストには、本や学術論文、インターネット情報など、いろいろな形態の文献が混ざっているのでよく確認してください。雑誌名が省略形であったり、論題が記載されていないこともあります。このように、文献は文献リストから次々に見つけることができます。ただし、この方法では、最初の文献より古い文献しか見つけることができないので、文献データベースでも検索してみるなど、いろいろな手段を組み合わせた調査が必要です。

文献リストを作るときは、以下の例のように、著者やタイトルなどの文献に関する情報を一行で書きます。順序や区切り符号などの書き方が決まっている分野もあるので、指示がある場合はそれに従ってください。

本の場合
①著者名 ②『タイトル』(シリーズ、版表示など) ③出版社 ④出版年 を記載します
例1 長谷部恭男著 『憲法』(第 7 版) 新世社 , 2018
例2 海保博之(編) (1985). 心理・教育データの解析法 10 講(基礎編) 福村出版
例3 Fowler.W. “Shakespeare, his life and plays.” Pearson Education, 2008. (Penguin reades; level4)

雑誌論文の場合 *学術雑誌論文に掲載されている論文
①著者名 ②論題 ③ 掲載雑誌名 ④ 巻号 ⑤ページ数 ⑥出版年 を記載します。
例4 安西敏三 「平生釟三郎と甲南教育 : 英国的教育の模索」 『甲南法学』 53(4) p.447-505. 2013
例5 Watson, J.D., Crick, F.H.C (1953). “A Structure for Deoxyribose Nucleic Acid.” Nature. 171. 737-738

新聞の場合 
例6 「植物も悩んでこそ花開く」 『読売新聞』 2013 年 5 月 12 日 朝刊 p.25

ホームページ情報の場合
情報が変更されることがあるので、URLと参照日時を補記します。
例7 「統計でみるあの時といま No.1東京オリンピック時と現在の状況について」 総務省ホームページ, http://www.stat.go.jp/info/anotoki/ (参照 2019.2.20)

15-3. 情報検索がうまくできないとき、求める資料が甲南大学にないときは

図書館では、図書館や文献、情報収集に関するご相談を受け付けています。(レファレンス・サービス)
甲南大学に求める資料がない場合でも、購入希望を申請するお手伝い、図書館外の資料や他大学図書館資料の取り寄せ、公共図書館の利用案内など、資料を入手するためのあらゆるサポートを行います。
図書館2階ヘルプデスクか、図書館ホームページのお問い合わせフォームからご相談ください。(お問合せフォームからご相談いただいた場合、メールで回答します。)

 

この講座はこれで終了です。おつかれさまでした。
図書館やデータベースの使い方について、詳しくは、『情報探索ガイド』でもご案内しています。合わせてご参照ください。

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