5.学術雑誌・学術論文を探す(3)
『いろいろ でぃすかばりー』は便利ですが、目的によっては他のデータベースのほうがよい時もあります。
必要に合わせて使い分けましょう。
1.『J-STAGE』を使って学会誌に限定して検索
『J-STAGE』は、国内の様々な学協会が発行する学術雑誌が利用できるサイトです。
前のページでダウンロードした論文が掲載されている『心理学研究』は、日本心理学会が発行している学会誌で、この『J-STAGE』で提供されています。
心理学分野にはたくさんの学会誌がありますが、そのうちのいくつかは同じように『J-STAGE』で利用できます。
学会誌は、大学等が発行する紀要(きよう)よりも厳しく査読されることが多いため、比較的信頼度の高い論文を探すことができます。
※『J-STAGE』の論文は、ほとんどが無料公開されていますが、一部学会員限定の論文があります。
【課題4】 『J-STAGE』で公開されている、日本心理学会の『心理学研究』にアクセスする。
『Google』で「心理学研究」をキーワードに検索してもヒットするのですが、今回はどんな雑誌が『J-STAGE』から利用できるのかを確認するために、『J-STAGE』のトップページからアクセスしてみましょう。
- 『J-STAGE』にアクセス
- 右側の「資料を探す:資料タイトルから>」をクリック
※検索窓にキーワードを入れると、雑誌ではなく論文単位で検索されます - 「資料一覧」の検索画面が表示されたら、キーワードに「心理学研究」を入力して検索
→タイトルに「心理学研究」が含まれる雑誌が表示されます。 - 一覧から『心理学研究』を選択する。
【課題5】『心理学研究』に掲載されている「音楽」に関する「原著論文」を探す
- タブを「巻号一覧」に切り替える
- 検索窓(このジャーナル内を検索する)にキーワード「音楽」を入れて検索
- 気になる論文を1つ選択し、詳細画面を開く
- 詳細画面のタイトルの上に、「原著論文(★)」と表示されている論文を一つ選んでPDFをダウンロードする。
※検索結果一覧画面には論文の種類は表示されていません。
※選択する論文は何でもかまいません。
★『原著論文』について
心理学の分野では、論文を以下の種類に分けることがあります。
「原著論文」をキーワードに検索してもヒットしない場合があるので、表示を確認する必要があります。
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(1)原著論文(Original Article):原則として,問題提起と実験,調査,事例などに基づく研究成果,理論的考察と明確な結論をそなえた研究。掲載時10ページ以内。
(2)研究資料(Methodological Advancement):新たな実験装置や解析プログラムの開発,新たな心理測定尺度の作成やデータベースの構築など,研究の遂行に有用な新たな方法,技術およびデータに関する報告。掲載時10ページ以内。
(3)研究報告(Research Report):すでに公刊された研究成果に対する追加,吟味,新事実の発見,興味ある観察,少数の事例についての報告,速報性を重視した報告,萌芽的発想に立つ報告。掲載時6ページ以内。
(4)展望論文(Review Article):心理学の最近の重要テーマについて,研究状況,主要成果,問題点等を解説し,研究の意義と今後の課題を論じる。掲載時20ページ以内。
日本心理学会『執筆・投稿の手びき』「3.1.1 論文の種類と定義」より
https://psych.or.jp/manual/ (2020/4/15参照)
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操作方法がよく分からない場合は、下の動画を見てからもう一度やってみてください。(1分43秒)
雑誌記事・論文を検索できるデータベースには色々な種類があり、それぞれに検索ができる文献の種類や分野が異なります。
「図書館ホームページ」から、「情報検索データベース」、「雑誌記事論文」を選択して、どんなデータベースがあるかを確認してください。(ただし、学内限定のデータベースを学外から利用する時は、「VPN接続」が必要です。)
図書館ホームページ
>情報検索データベース
>雑誌記事・論文
日本の論文を探す代表的なデータベースとしては、他に『CiNii Articles』があります。
学外からもアクセスできる無料のデータベースですが、学内で利用するか、VPN接続をして利用すると、検索結果に「フルテキストリンク@甲南大」というリンクが表示されます。
「フルテキストリンク@甲南大」をクリックすると、『いろいろでぃすかばりー』と同様に、電子コンテンツや冊子体の所蔵情報へのリンク画面が表示されます。
詳しい使い方は、『情報探索ガイド』p.13-14を参照してください。
6.参考文献情報から文献を探す
「課題3」でダウンロードした論文を開いてください。
論文本文の所々に、括弧の中に人の名前と年が入っていることにきづきませんか? 例えば、(Hammen, 2005)(佐藤,2017)といった表記です。これは、この前の文章の学説は、この人がこの年に発表した論文に書いたもの、ということを示す表示です。
この学説について、よりくわしく知りたい時は、人の名前と年を頼りに、論文の最後の「文献リスト」を探すと、文献の詳しい情報を知ることができます。
文献の情報が分かれば、『いろいろでぃすかばりー』で探してみてください。「文献リスト」には、本の情報も雑誌の情報も載っていますが、『いろいろでぃすかばりー』であれば両方を一度に探すことができます。
こうやって、文献は「芋づる式」に探していくこともできます。ただし、「芋づる式」は、より古い文献しか探すことができません。データベースでの検索と、うまく使い分けることが必要です。
うまく見つからないときや、入手方法が分からないとき、甲南大学に所蔵がないときは、2階ヘルプデスクにご相談ください。
ヘルプデスクについては、この講座の最後にご案内します。
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