ゼミの紹介
音声学は言語音の実体を明らかにすることを目的としているが、その方法の1つに音響音声学的アプローチがある。基本的に、音響音声学は測定機器を利用し、音声の長さ(length)、高さ(pitch)、強さ(intensity)等を数値で示すわけだが、その一方で、音響スペクトログラフという手法を用い、音声を視覚化するという側面を持っている。当セミナーは、「音声の視覚化」をテーマとし音声の実体に迫ることを目指したい。
例えば、破裂音、破擦音、鼻音、接近音といった調音様態の異なる音声が、スペクトログラム上どのような姿をしているのかを、下記テキストを読み進めながら確認をし、受講生諸君も実際に自分の発音を録音し、スペクトログラムを作成することに挑戦してもらうことを予定している。その意味においては、音響音声学の手法を学びながら、実践音声学的にも音声の実体に近づいていければと考えている。
ゼミの進め方
毎時間の進め方は、概ね、テキストの読解、用例の発音練習,音声分析ソフトを用いた確認作業に時間を費やすことになる。4、5人前後のグループになって、作業を進めていくことにする。
これまでの卒論テーマ
- 「イギリスにおける英語のアクセントの変化と多様性」
- 「日本人英語の音声的特徴についての研究」
- 「英語の発話における等時間隔性の研究」
- 「リズムと休止の関係」
- 「破裂音の声立てについての研究」
- 「CockneyとEstuary English」
- 「日本語と英語の音変化についての研究」
- 「イギリスにおける地域発音について」
その他
本セミナーは、発音の練習クラスではありません。あくまでも音声学の立場で、英語の発音の実体に迫ることが目的であることを肝に銘じてください。
担当者の関心
英語音声学。韻文と散文のリズム。二次強勢の機能。
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