大学は「成績」だけでなく「成長」を証明する時代へ
― 経験が“証明書”になる甲南大学の4年間 ―

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2026.5.21
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「頑張ってきたことが、きちんと評価されるだろうか?」そんな不安を感じたことがある方も多いのではないでしょうか?現在、全国の大学では「学修成果の可視化」や「教育の質保証」が強く求められています。しかし、従来の成績(GPA)だけでは、入学時からどれだけ成長したか、部活動での挑戦、ボランティアや留学などの正課外活動を通して培われた主体性や人間性といった“数字では表せない成長”までは評価することができません。甲南大学では、そうした“数字では表せない成長”を、大学が責任をもって可視化し、公式に証明する仕組みとして「ディプロマ・サプリメント」を導入しました。今回は、この取り組みを推進してきた大橋さん・中田さんにその想いと狙いを伺いました。

 

 

 

Contents

・その頑張り、ちゃんと認められていますか?

・大学が“成長の証明書”を発行する時代へ

・大学選びは、「どこで成長できるか」へ

 

 

 

 

 

 

その頑張り、ちゃんと認められていますか?

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

最近、大学教育の現場で「学修成果の可視化」という言葉をよく耳にするようになりました。なぜ今、このような取り組みが必要なのでしょうか?

 

 

大橋 さん

 

背景には、今の大学教育を取り巻く大きな変化があります。現在、全国の大学は「教育の質保証」と「学修成果の可視化」を社会から強く求められています。つまり、「大学での4年間を通して、学生がどのような力を身につけたのか」を社会に対して明確に示す責任があるのです。

 

 

 

 

 

中田 さん

 

これまでの大学の評価基準といえば、主に授業の成績(GPA)でした。しかし、GPAの数字だけでは「入学時からどのように成長したか」ということは評価できません。また、部活動での挑戦や失敗からの学び、地域活動や留学などを通した“数字では表せない成長”も、これまで十分に「見える化」されてきたとは言えませんでした。

 

 

大橋さん:AIの進化や社会の急速な変化により、これからの時代は「正解のある問題を解く力」だけでは通用しなくなっています。いわゆる“不確実性(VUCA)の時代”です。

 

 

 

 

こうした知識・経験・人間性が組み合わさった総合的な力だと言われています。実際に企業の採用現場でも、「何を知っているか」以上に、「大学時代にどんな経験をし、そこから何を学んだのか」が重視される傾向にあります。

 

 

 

 

ー でも、そうした力って、テストの点数だけではなかなか測れませんよね。

 

 

中田さん:そうなんです。部活動での挑戦や失敗からの学び、地域活動や留学などを通した、“数字では表せない成長”は、これまで十分に「見える化」されてきたとは言えませんでした。だからこそ私たちは、「その成長を、どうすれば社会にきちんと伝えられるのか」を真剣に考えました。

 

 

 

大学が“成長の証明書”を発行する時代へ

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

では、そうした“数字では表せない成長はどのように証明されるんですか?

 

 

大橋さん:甲南大学では、学位記や成績証明書だけでは見えにくい学びや成長を、「ディプロマ・サプリメント」として可視化し、公式に証明する取り組みを始めました。これは、専門分野の学修成果だけでなく、課外活動や自主的な挑戦まで含めて、大学4年間の“成長の軌跡”を、大学が一枚の証明書として公式に示すものです。単なる実績の一覧ではなく、「どのように成長したか」を客観的に伝えられる点が大きな特長です。

 

 

 

 

 

 

ー すごい取り組みですね!なぜそこまで幅広い成長を可視化できるんですか?

 

 

大橋さん:ありがとうございます。その背景にあるのが、甲南大学の「人物教育」という理念です。知識の習得にとどまらず、社会で求められる人間性や主体性を育てることを大切にしており、「専門教育」、「全学共通教育」、「正課外教育」、この3つを融合させた教育体系を構築しています。

 

 

 

 

ー つまり、甲南大学には授業だけでなく、挑戦する経験そのものも「学び」として捉え、それらすべてを評価・可視化する仕組みが整っているってことですね!

 

 

中田さん:そうなんです!そして、その成果を学生任せにせず、大学として公式に証明する。それがディプロマ・サプリメントの役割なんです。

 

 

 

 

ー 具体的には、どんな活動が評価されるんですか?

 

 

 

 

中田さん:また、甲南大学では、学生の主体性や人間性などを向上させるために、大学として海外留学やボランティア、地域プロジェクト、クラブ・サークル活動などの機会を積極的に提供しています。特に「地域プロジェクト」では、神戸市や企業と協働する『ぼうさい授業』の企画・運営や、地元商業施設との連携プロモーションなど、キャンパスを飛び出して地域社会と広く深く繋がる実践的な舞台が豊富に用意されています。

 

 

 

 

大橋さん:さらに、クラブ活動の環境も本学の大きな魅力です。本学は学生数約9,000人のミディアムサイズの大学ですが、体育会系のクラブだけでも約50団体存在します。これは実は、甲南大学の3倍近い学生数(約29,000人)を抱える同志社大学と同数レベルのクラブ数なんです。学生一人ひとりが熱中できる居場所や、挑戦できる環境が圧倒的に多いからこそ、証明できる「成長」も多くなると言えます。

 

中田さん:これらの取り組みは単なる実績ではなく、「社会で求められる力」として整理され、可視化されます。重要なのは、「何をしたか」だけでなく、「そこからどんな力が身についたのか」まで整理されて示される点です。

 

 

 

 

ー ちなみに、4年間の成長はどうやって記録されるんですか?

 

 

中田さん:甲南大学では、入学直後から成長の記録が始まります。

 

 

 

 

このサイクルを繰り返すことで、自分自身の成長を実感しながら学びを深めていくことができます。その土台となっているのが「学修ポートフォリオ」です。学修ポートフォリオでは、日々の授業での学びや正課外活動、目標設定や振り返りの内容が蓄積され、自分が「何に取り組み、どのように成長してきたのか」を在学中いつでも確認できます。単なる記録ではなく、次にどんな挑戦をするかを考えるための“成長の地図”のような役割を果たしています。

 

 

ー 「卒業してから評価される」のではなく、「在学中から成長を実感できる」んですね。

 

 

中田さん:はい!日常の学びや挑戦が、次の成長につながる仕組みになっています。そして、学修ポートフォリオに蓄積された学びや活動の成果を、在学中に公式な形式で可視化したものが「プレ・ディプロマ・サプリメント」です。プレ・ディプロマ・サプリメントは、在学中いつでも確認・出力が可能で、自分の成長を客観的に把握したり、将来を見据えた目標設定や振り返りに活用することができます。「卒業してから初めて価値が見える」のではなく、「在学中から成長を実感し、次の一歩につなげられる」そこが甲南大学ならではの特長です。

 

 

 

 

 

 

ー ちなみにこの取り組みは社会でどのように評価されるんでしょうか?

 

 

大橋さん:これからの社会では、「どんな経験をしてきたか」以上に、「その経験を通して、どれだけ成長できる人か」が問われます。甲南大学のディプロマ・サプリメントは、学生一人ひとりの経験と成長を、客観的かつ具体的に伝えることができる仕組みです。就職活動においても、「頑張りました」という言葉だけでなく、「こういう経験を通して、こう成長しました」と根拠をもって示すことができます。それは、AIでは代替できない、その人自身の魅力そのものだと思っています。そして、本学の特長は、その“成長の証”を卒業時だけでなく、在学中から確認できる点にあります。学修ポートフォリオに日々の学びや挑戦を蓄積し、それを公式な形式で可視化したものがプレ・ディプロマ・サプリメントです。在学中から自分の成長や強みを振り返り、言語化できることで、進路選択や就職活動に向けた準備を、早い段階から進めることができます。

 

 

 

 

こうして積み重ねられた学びと成長は、最終的に卒業時、ディプロマ・サプリメントという一枚の公式な証明書に統合されます。学生にとっては「自分の成長を実感できる仕組み」であり、保護者の方にとっても、「大学4年間でどんな力が身についたのか」が見えることで、安心して送り出していただける仕組みだと考えています。

 

 

 

 

小宮さん

 

 

正課外教育の成果が掲載されるのはすごくうれしいです。このような細かい部分まで大学が認識してくれているんだという感覚を持ちました。また、成績などは経年推移で表示されるので、最初から頑張れていなくても、在学途中での頑張りが表現されるのがいいと思いました。在学中に定期的に更新されるので、勉強のモチベーションになる学生もいると思います。ジェネリックスキル測定結果が掲載されているので、就職活動の際などに、自己分析が苦手な人でも客観的な目で強みを見つけることができると感じました。エントリーシートの補足資料のような形での活用もできると思います。

 

 

室井さん

 

 

当初は教員免許を取って教員になることを考えていましたが、3年生の時の留学経験を経て、教員以外のキャリアも考えるようになり就職活動を始めました。留学から帰ってきたのは3年生の後半で、周囲がすでに就職活動を始めている中、私は就職活動の進め方もわかりませんでしたが、プレ・ディプロマ・サプリメントはいつでも確認できるようになるため、このような場合にも自身の強みの発見に非常に有意義だと感じました。ジェネリックスキル測定結果で自身の強みが可視化され、その要因や関連エピソードなどは正課外活動の成果で振り返ることができ、このような情報を1枚で総括してくれるのはとてもありがたいです。特に在学中に確認することで意味のある機会が多いように感じます。

 

 

 

大学選びは、「どこで成長できるか」へ

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

学生の皆さんも「ディプロマ・サプリメント」のメリットを感じていますね!それでは、さいごにこれから大学を選ぶ高校生へメッセージをお願いします。

 

 

大橋さん中田さん:大学選びは、偏差値や知名度だけでなく、「どんな環境で、どんな成長ができるか」を重視する時代です。甲南大学は、学生の学びと成長を可視化し、その成果を社会に示すところまで責任をもって支える大学です。安心して送り出していただける教育環境を、これからも整えていきます。

 

 

 

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