【SDGs×甲南大学 Vol.2】SDGs達成へのACTION
甲南大学メガネリサイクルプロジェクト

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2022.3.21
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今や日本人のおよそ8割の人が所有していると言われる「メガネ」。
視力が悪い人にとっては必需品ですが、
度数が合わなくなって買い換えることも多いですよね。
ところで、使わなくなったメガネ、どうしてます?
とりあえず手元に置いておく・・・という人、多いのではないでしょうか。
そんな「使わなくなったメガネ」に着目した甲南生たちが、
あるプロジェクトを立ち上げました。
その名も、「甲南大学メガネリサイクルプロジェクト」。

ちょうど代替わりをしたところ、ということで、
本日は前共同代表、現代表の3人にお集まりいただきました。

 

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

前代表の駒井さん、このプロジェクトは、
どのような経緯で始まったのでしょうか。

 

 

 

駒井 伶哉さん

 

 

始まりは、全学部共通の授業の課題。
そもそものきっかけは、授業です。甲南大学では1年次に「共通基礎演習」という全学部学生共通の授業があり、グループでゼミ形式で学びます。そこで与えられたテーマが「甲南大学の魅力を高める」。僕のグループは、岡本キャンパス内にある「Global Zone」の魅力を高めるために、甲南大学と世界をつなぎたいと考えました。ちなみに「Global Zone」とは、留学生と交流したり、日常的に英語が使えるアクティビティが行われていたりするスペースです。色々と調べていくうちに、ライオンズクラブがメガネをリサイクルして途上国に送る取り組みを行っていることを知りました。メガネって身近で回収もしやすいし、“自分ごと”としても考えやすい。僕もメガネをかけていますし、これだ!とグループでも一致して授業で発表したのが始まりです。

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

なるほど!大学の授業を通じて活動の存在を知ったんですね。
そこから、どのようにプロジェクト化していったのでしょう。

 

 

 

駒井 伶哉さん

 

コロナ禍による活動制限でストップ・・・
授業で発表したあと、コロナ禍の真っ只中となり、なかなか話が進ませんでした。プロジェクトを進めるため様々な状況を整えるのに時間を要し、本格的にプロジェクトを発足できたのはそれから約1年後です。「共通基礎演習」の担当だった山本シャーリ先生がライオンズクラブの本部にコンタクトをとってくださり、関西を統括する「ライオンズクラブ国際協会335複合地区グローバル奉仕チーム(GST)」を紹介してもらいました。それをきっかけに、2020年12月に僕と野口くんを含めた7名でチームを発足。2021年に入ってからメンバー募集など、プロジェクトの準備をスタートさせました。

 

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

7人でスタートしたプロジェクトが最大30人に!?
現代表の秋元さんは、なぜ参加しようと思ったのですか。

 

 

 

秋元 優作さん

 

大学生のうちにコミュニケーション能力を高めたいと思っていたんです。
何かボランティア活動をしたいなと探していたところ、
ちょうどメンバー募集のチラシを見て思い切って参加しました!

 

2021年の10月から加わったので、プロジェクトは進行中でしたが、
回収ボックスでメガネを回収したり、

中学校への学校訪問に同行したりするなど、
先輩たちと一緒にいろいろなことを経験しました。

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

このプロジェクトでは近隣の学校に訪問したそうですね。
なぜ、小学校・中学校・高校が対象に?

 

 

 

駒井 伶哉さん

 

次代を担う小中高生に世界の現状を伝えたい
プロジェクトを進めるなかで、世界には視覚障害を持っている方がたくさんいて、メガネなどの矯正機器を手に入れることができず適切な治療を受けることができない方もいる、という事実を知りました。また、このプロジェクトはSDGsの「目標3:すべての人に健康と福祉を」の達成にもつながることに気がついたんです。そこで、「次代を担う子どもたちにこそ、この現状を知ってもらいたい!」という思いから、小学校・中学校・高校に回収ボックスを設置。当時、神戸市の教育委員をされていた本学の先生を通じて、神戸市教育委員会事務局にプロジェクトの説明をする機会をいただき、その後、協力を求めて各学校を訪問しました。

 

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

甲南大学の魅力を高めるために始めたプロジェクトが
SDGs達成につながるアクションに。

 

きっかけは「甲南大学の魅力を高める」ためのアイデア。
グローバルな着眼点を持った学生の
「甲南大学と世界をつなぐ」という発想から始まった、
ポジティブで素晴らしいプロジェクトですね。

 

 

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
「世界の現状を伝える」という目的が実現したわけですが、
子どもたちの反応はどうでしたか?

やはり「知らなかった」という人が多かったですね。また、「これ、どういうことですか?」と質問してくれたり、回収ボックスをどこに置いたらいいか、こんなポスターを作ったらどうかと、皆さん自身で考えて積極的にアイデアを出してくれたりして驚きました。僕たちの思いが伝わったのかなと思うと、嬉しかったですね。
駒井 伶哉さん
駒井 伶哉さん

そうそう、メガネの梱包作業をしていたら、小学校から回収したメガネのケースに手紙が添えられていて感動しました。子どもたちが“自分ごと”として参加し、少しでも世界の現状に関心を持ってくれた・・・それがとても嬉しくて、このプロジェクトをやって良かったなと心から思いました。
野口 航平さん
野口 航平さん

 

KONAN-PLANET 記者

 

ああ、なんて心温まるエピソード・・・
目標に向かって、皆さんが活動を進めてきた成果だなと感じました。

集まったメガネの総数は、なんと1600本!
甲南大学と近隣の学校だけで、こんなに集まるものでしょうか・・・

 

 

 

駒井 伶哉さん

 

実は、本学の卒業生でメガネ店を経営されている方がいて、メガネの回収に協力いただきました。近畿・中部にある優良店で集まられているアイペックスグループ19店舗に声をかけてもらったところ、なんと合計788本のメガネが集まったんです。これもまた、甲南大OBという繋がりがあったからこそ。プロジェクトを進めるには、ネットワークや繋がりが重要だなと改めて実感しました。

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

なるほど。甲南大卒業生の心強い協力があったのですね。
ところで、今回サポートくださったライオンズクラブさんとは
どのように関わっていったのでしょう。

 

 

 

駒井 伶哉さん

 

まず、協力をお願いするために、自分たちの活動について説明する機会をいただきました。学外の人たちにプレゼンテーションするというのは、なかなかない機会なので緊張しましたが、しっかりと準備をして臨みました。皆さん、僕たちのやりたいことに賛同してくださって、プロジェクト開始後は定期的にミーティングを行い情報共有やアドバイスをしていただきました。回収ボックスもライオンズクラブさんにご寄付いただいたものです。そこに、デザインなどメンバーで手を加えました。

そして2022年1月9日、ライオンズクラブの皆さんにお集まりいただき、プロジェクトの報告会を行いました。その後、一緒にメガネを梱包し、眼鏡リサイクルセンターに発送しました。メガネは洗浄・測定の後、メガネを必要としている国へ発送される予定です。

 

 

 

 

 

秋元 優作さん

 

僕がライオンズクラブの方々とお会いしたのは、報告会の時が初めてでした。ふだん、年上の方々と接する機会がないので緊張しました(笑)。でも、メガネの梱包だけでなく、ゲームなどで親睦を深められたので、とてもいい経験になりました。今後も、メガネリサイクルプロジェクトでは、ライオンズクラブさんのお力を借りながら活動をしていきたいと思っています。

 

 

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

メガネが必要としている人の手に渡ったとき、
改めてプロジェクトの成功を実感できるでしょうね。
さまざまな方々と関わりながら、日々成長されている姿がまぶしいですっ!

 

ところで、今回のプロジェクトで苦労した点はありますか。

 

 

代表として振り返ると、プロジェクトの開始が緊急事態宣言と重なったことで様々な学部から集まった学生とリモートで関係性を築く必要があり、その点は苦労しました。他にも、いざ学校に訪問しようとしたら緊急事態宣言で訪問できなくなり、やむなく回収ボックスを発送することになったり・・・。そうすると、各学校で箱を組み立ててもらわないといけないので、組み立て方の説明書を作ったり・・・。次から次に生まれる課題に、対応していくことも大変でしたね。
駒井 伶哉さん
駒井 伶哉さん

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
コロナ禍で対面での活動が制限された事も、難しかった要因ですよね。
でも、すごくいい経験になったでしょうね。

ちょうど今、ご協力いただいた学校へのお礼状と報告書を作成しています。ビジネスマナーを踏まえて相手に気持ちを伝えるって、本当に難しい・・・。また、集計ソフトを使ってアンケートを実施しようと準備しているのですが、パソコンやソフトの扱いに慣れなくて最初は苦労しました。けれども、これもいいチャンス。さまざまなスキルが身につくのではないかと思っています。
秋元 優作さん
秋元 優作さん

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
今後に役立つビジネススキルが身に付くなんて素晴らしい!
3年生のお二人は、このプロジェクトでどんな学びがありましたか。

1番学んだのは、協力することの大切さです。僕一人では、こんなに大きなプロジェクトにはならなかった。学生メンバーや、先生・職員、ライオンズクラブの方々の協力があったからこそ、しっかりとした成果が出せたのだと思っています。あと、秋元くんと同様、目上の人と接する機会が多いのでビジネススキルが身につくこと、学部を横断してさまざまな学生と繋がれることも、このプロジェクトの魅力です。
駒井 伶哉さん
駒井 伶哉さん

2年次の春ごろからコロナ禍で大学に登校できなくなり、授業もリモートで長く家にいた期間がありました。その間に「何をやったか」ということがとても重要で、そこで学生の間に経験の差が生まれたように感じます。僕たちは、対面でコミュニケーションが取れない中でもプロジェクトを進めてきましたし、大きな成果を得ることができました。今、就職活動中ですが、この経験が大きな自信になっています。
野口 航平さん
野口 航平さん

 

KONAN-PLANET 記者

 

そんな学生たちをサポートし、見守ってきたのが、
「共通基礎演習」を担当した山本シャーリ先生です。
彼らの活動を振り返っていただきました。

 

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
最初にこのプロジェクトの話を聞いたときの印象はいかがでしたか?
チームとはどのように関わってこられたのでしょうか。

学内でグローバルな意識を高め、社会貢献するためのプロジェクトとして、とても良いアイデアだと思いました。自分たちでプロジェクトを実践し、世界の不平等や資源について意識を高め、必要なスキルを身につけるということは素晴らしいことです。プロジェクト実現のため、海外にコンタクトを取ったり、プロジェクトが始まってからは毎週のようにアドバイスや提案をするなどサポートしてきました。
山本シャーリ先生
山本シャーリ先生

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
学生たちはどのようなことを学んだとお考えですか?
今後、どのように活かしてほしいですか。

コロナ禍の中、彼らは前向きにプロジェクトを進めてきました。教室での学習だけでなく、学生主体のプロジェクトなど実体験で培ったスキルや知識を積み重ねていく事がとても重要です。今回は成果だけでなく、目的意識を持ち自分が信じていることをやっているという自信と、その行動が社会にポジティブな影響を与えていることを実感できたこともよかったと思います。大学生活の時間、資源を最大限に活用し、これからもチャレンジして欲しいですね。
山本シャーリ先生
山本シャーリ先生

 

KONAN-PLANET 記者

 

では現代表の秋元さん、今後のプランや展望を教えてください。

 

 

 

秋元 優作さん

 

まずは、昨年度つながることができた方々との
協力関係を維持すること、ですね。

 

4月からは学内外に回収ボックスを設置していきます。
前回の回収率などを分析し設置場所を見極めるなど、
どんどん改善していきたいと思っています。

 

あとは1年生が僕1人なので新メンバーの募集も重要です・・・
甲南生の皆さん、ぜひプロジェクトにご参加ください!

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

プロジェクトメンバーのほとんどが、現3年生。
来年度からプロジェクトの主役となるメンバーを緊急募集中です!!

 

学生たちの手によって生まれたこのプロジェクト。
存続・発展させたいと思った方、興味を持った方はぜひご参加を!

 

最後に、プロジェクトの魅力を熱く語ってもらいましょう!

 

 

学内外で本当にたくさんの方々と繋がれます!「SDGsの課題に自分が関わっている」という実感がありますし、まだ発足して間もないプロジェクトだから自分の発想を実現することができる。やりがいもあり、大きな自信にもなります。
駒井 伶哉さん
駒井 伶哉さん

このプロジェクトは大勢の方達が関わっているので、もっともっと大きな事ができる可能性を秘めています。1年間手探りで進めてきましたが、まだまだ改善の余地がある。自分の挑戦の場として、ぜひ参加してください!(就活でのアピールにも役立ちますよ)
野口 航平さん
野口 航平さん

 

KONAN-PLANET 記者

 

少しでも興味を持った方、
プロジェクトに参加したい!と思った方は
国際交流センターへ
お気軽にお問い合わせください★

 

 

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KONAN-PLANET 記者

 

甲南大学では他にも、SDGsに関わる
プロジェクトが現在進行中です。
こちらも是非チェックしてみてください。

 

 

\ 六甲山の放置竹林問題に取り組むプロジェクト /

 

 

 

 

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