【SDGs×甲南大学 番外編】SDGs達成へのACTION
甲南大学メガネリサイクルプロジェクト 現地レポート
in Malaysia

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2023.5.22
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以前、KONAN-PLANETでも紹介したように、甲南大学メガネリサイクルプロジェクトでは、学生が主体となり、地域の学校の児童・生徒と協力し、地域の店舗・団体等の支援を受け、持続可能な社会の実現のため、不要となったメガネを回収しています。洗浄・度数の測定・梱包を経て世界の人々へ届ける活動をしています。

以前紹介した甲南大学メガネリサイクルプロジェクト

 

KONAN-PLANET 記者
KONAN-PLANET 記者
今回は番外編として、プロジェクトをサポートしている山本シャ―リ先生が実際にマレーシアへ行き、現地での活動状況や取り組みに参加してきた内容を紹介していきます。

 

 

(左から2番)Dr. Zainora Mohammed、(右から2番)Dr. Haliza Abdul Mutalib

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

今日はよろしくお願いします。

今回、どういう理由でマレーシアへ行かれたのですか??

 

 

山本シャ―リ先生

マレーシア国民大学(UKM)で開催されたコミュニティサービスにおいて不要となったメガネを配布することになり、実際の現場を確認し、今後の交流につなげていくため、現地へ行きました。
現地でもコロナ禍のため対面でのコミュニティサービスが中止となっていましたが、昨年から再開され、やっと実現しました。

 

マレーシア国民大学は、マレーシアのスランゴール州フルランガットのバンダル・バル・バンギにある国立大学です。クアラルンプールにもサブキャンパスがあります。
現地レポート
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KONAN-PLANET 記者

 

マレーシア国民大学とはどのようにつながられたのですか?

 

 

山本シャ―リ先生

 

2021年に参加した学会で、マレーシア国民大学の国際交流センター所長のSDGs関連の講演を耳にしたことがきっかけです。マレーシア国民大学では驚くほど多くのコミュニティサービスを提供しており、その取り組みが学生の学びと連動していることが印象的でした。学会後に、こちらから打診してメガネプロジェクトとの連携の可能性について相談してきました。

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

そうだったんですね。

どのようなコミュニティサービスでしたか?

 

山本シャ―リ先生

マレーシア国民大学検眼学生協会のキドマット・マシャラカトオプトメトリー(OPKOM)というプログラムで、眼科ケアの重要性や臨床知識を地域社会に広める活動を行なっています。今回のコミュニティサービスプログラムは現地学生が準備から実施までを任されていて学生の専門的なスキルだけでなく、学生の主体的な行動力やコミュニケーション能力など、さまざまな面で感銘を受けました。

 

マレーシア国民大学では2012年にコミュニティアウトリサーチ*サービスの⼀つである「Mobile Optometry Clinic」を設⽴。バスを改装し、視力検査機器を積み込み、全国の様々な地域に出かけ、利⽤者に視⼒検査とメガネを無料で提供してきました。企業と NGO などが、メガネのフレームやレンズなどを無料でMobile Optometry Clinic に提供するなど、支援してきました。
現地レポート
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*アウトリサーチ・・より多くの人々に情報やサービスを提供し、社会参加や関与を促進すること

 

 

プログラムでは、無料の視力検査、眼科ケア展示会、メガネの無料贈呈など、さまざまなイベントを開催。翌日には、学生たちが主体となって、地元の小学生を対象にした眼科ケアの大切さを伝える取り組みも実施していました。
現地レポート
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KONAN-PLANET 記者

 

イベントの様子はいかがでしたか?

 

 

山本シャ―リ先生

 

会場は車で4時間の場所にある漁村でした。イベントは9時から16時までの長時間のものでしたが、子供からお年寄りまで多くの方々が来ていました。学生は事前に広報活動等について地域と連携し、当日は朝早くの準備から片付けまで、本当に良く頑張っていました。

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

このイベントに甲南大学からもメガネを持って行かれたのですか?

 

 

 

山本シャ―リ先生

 

はい。昨年プロジェクトで学生が回収できたメガネは仙台にあるメガネリサイクルセンターに送ったため、今回のリサイクルメガネはライオンズクラブ国際協会さんが準備してくださいました。現地の先生や学生の力を借りて98本のメガネのうち11本のマッチングができました。コミュニティサービスでメガネを新調すると手元に届くまでに2-3か月かかるのですが、リサイクルメガネはマッチングできれば、そのまま持ち帰って、すぐに使用いただけます。さらに、日本のメガネは品質も良く、丁寧に洗浄されていて、非常に喜ばれました。

 

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

そのほかにマレーシア国民大学の特色ある取り組みはありましたか?

 

 

山本シャ―リ先生

 

マレーシア国民大学では、UKM初の学部を超えたコミュニティサービス白内障除去プログラムや、携帯電話による視力検査アプリの開発など、積極的な活動が行われています。

 

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

それはすごいですね!!

マレーシア国民大学と今後どのように連携していく予定ですか?

 

 

山本シャ―リ先生

 

学生交流プログラムに加えて、コニュニティサービスプログラムと連携しながら、甲南大学で回収されたリサイクルメガネのマレーシア国内での配布に協力いただきたいです。
また、私が関わっている2024年4月に新設するグローバル教養学環(STAGE)の学生にピッタリなコミュニティサービスプログラムですし、STAGE生にも、このような経験をぜひ学んでほしいと考えます。

 

 

KONAN-PLANET 記者

 

これからの活動が楽しみですね!

プロジェクトの発展を応援しています!!

 

 


 

 

2024年4⽉に新設するグローバル教養学環で開設する学位プログラム “STAGE”は、Special Track for Accelerated Global Educationの頭⽂字をとった略称で、グローバルキャリアを志す1学年定員25名のための特別なプログラムです。
4年間で異なる複数の⾔語圏での留学や⽣活を経験する複数⾔語圏へのダブル留学を中⼼に、異⽂化に対する理解や国際社会、地域社会、双⽅における課題解決に必要なグローバル教養を⾝につけ、グローカル⼈材として世界基準で考え、社会の第⼀線で活躍できる⼈物を育成します。

 

今回お話しを聞いた人
全学共通教育センター 特任講師 山本 シャ―リ

2020年神戸大学大学院 国際協力研究科博士課程前期課程修了。修士(国際学)取得。ハワイ州生まれ日系4世アメリカ人のルーツを持つ。ハワイ大学では日本語を専攻し、ミネソタ大学(国内留学)において経済学などを学ぶ。その後、甲南大学Year-in-Japanプログラムで来日し、日本語・日本文化を学ぶ。ハワイ大学マノア校を卒業後、再び来日し、日本政府の国際交流プログラムで地方の異文化交流活動に取り組む。神戸大学大学院国際協力研究科博士課程前期課程へ進学し、現在、甲南大学全学共通教育センター特任講師として、甲南大学生が学内外で気軽に国際感覚を高める様々な学びの機会を提供し、日々世界への関心を育むことに注力。

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