PIXEL STORIES

PIXEL STORIES 11

この授業で知った。
大学での学びって、
「枠を越える」ことなんだ。

松田 颯汰さん

文学部 歴史文化学科 3年次(2026年度取材時)
クラーク記念国際高等学校 出身

彩り教育で松田さんが成長した
5つのSTEP

  1. STEP 01 1年次前期で興味をもった
    「横断演習Ⅰ」の授業を選択。
  2. STEP 02 授業で見た映画の内容につい
    て少人数でディスカッション。
  3. STEP 03 既存の枠を越える思考が
    大学の学びでは大切だと実感。
  4. STEP 04 授業で知り合った他学科生が
    刺激しあえる友人に。
  5. STEP 05 柔軟な思考を得たことで
    その後の学びがより充実。

「それは無理だろう」と感じた意見を
先生が取り上げたとき、気づきが生まれた。

「映画を観てディスカッションする」。そんな説明文に興味を持ち、私が1年次の前期に申し込んだのが「横断演習Ⅰ」という授業です。文学部の5学科から20名の学生が参加する選択科目で、抽選で受講できることになりました。
私が受講した年度は「映画で考える移民」というテーマのもと、文学部の6人の先生方がそれぞれに選定された6本の映画を順に鑑賞しました。最初に観たのは、在日クルド人家族の物語です。難民申請が不認定となり、在留資格を失ったクルド人の少女が、自身のアイデンティティに葛藤しながらも成長していく…。最後まで問題は解決することなく「未来を祈ることしかできない」というラストシーンでしたが、鑑賞後のディスカッションによって、この映画が最も印象に残る1本となりました。
ディスカッションでは「この物語をハッピーエンドにするには?」という問いを与えられ、少人数の班に分かれて話し合いました。私が考えたのは、多様性を認め合う教育とか、地域社会に外国人を迎える施策は…といった当たり障りのないアイデアです。他の班からは「クルド人の国をつくればいい」という突飛な意見が出ました。今の世界では難しい、空想のような話だと私は思いました。でも、先生方はその意見を否定せず、適当に流したりもせず、さらに掘り下げて話し始めたのです。そのことが自分にとっては衝撃的でした。

視野を広げ、自分の意見をつくる。それが、
今後の学びを最大化するための第一歩。

私が衝撃を受けたのは「大学って、現実的なことだけを話す場所じゃないんだ。夢物語のようなことでも、その可能性を探ったり、話し合ったりしていいんだ!」と知ったからです。1年次の前期でそのことに気づけて本当に良かったと思います。人の意見に対して「こういう事情があるから、それは無理だよ」と頭ごなしに否定するのではなく、難しさを伝えながらも、どうすれば実現できるのかを自分も一緒に考えてみよう、という姿勢に変わりました。
また、自分は初対面の人どうしが集まるディスカッションの場でも、わりと臆することなく喋れるつもりだったのですが、さらに上をゆく猛者がいたことも衝撃でした。その人は違う学科ですが、今でも仲が良く、1つのテーマで1時間も2時間も話し込んだりできるかけがえのない友人です。
この「横断演習Ⅰ」の授業は、それまで自分が深く知らなかったテーマについても知識を入れる「インプット」と、時間を置いて咀嚼してから自分の意見を述べるアウトプット」の繰り返しです。視野が広がることはもちろん、前期に開講されるので「大学でのものの考え方」に慣れ、学びを最大化するための第一歩にもなると私は感じました。さまざまな先生の視点に触れながら、学科を越えて刺激的な仲間に出会えることも魅力。面白そう!と感じた人は、ぜひ選択してみてください。

成長につながる甲南の彩り教育

横断演習

文学部の5学科の枠組みを越えて学び、
柔軟な思考力や表現力を養う。

2015年度から始まった「横断演習」は、文学部の各学科の枠組みを越えて参加できる授業。日本語日本文学科、英語英米文学科、社会学科、人間科学科、歴史文化学科という5つの学科それぞれの専門分野を融合させて学ぶことで、多様で柔軟な思考力・表現力を養います。例えば「生きること」についてディスカッションするなど、テーマは年度によってさまざまです。

教員・職員インタビュー

文学部 教授
中町 信孝

横断演習の意義は、密度の濃い議論を通して
新しい視点や友人関係が生まれること。

「横断演習」では、多様な学科の生徒が集まるように抽選で受講者を決めています。定員20名と少人数にしている理由は、グループディスカッションを丁寧に行い、教員が各班の議論を把握しながら適切に関われるようにするため。歴史文化学科の学生は歴史的背景や知識から考えがちだったり、学科ごとに視点の違いが見られるのも面白いですね。それぞれがミックスされることで、さらに新しい視点が得られたりもします。松田くんは、対立する意見を調整しながら議論をリードする力があり、この授業でさらにそれが磨かれました。普段なら接点のない学生同士が出会い、友人関係やライバル関係が生まれるという意義も、しっかり感じてくれたようでうれしく思っています。