創立者である平生釟三郎先生が掲げる教育理念やフィロソフィーに魅かれたというのはもちろんですが、神戸で育った自分にとって、甲南大学は、ほどよい規模感のキャンパスの中で、自然に人と人との交流が生まれるあたたかみのあるイメージでした。そんな、地域に愛される甲南学園で自身も職員という立場から教育に携わりたいと思ったのが一番大きな理由です。
人を育てる現場にいる者として、常に社会の動向や新しい情報に意識を向け自身も成長していくこと、また、私たちは「学生・生徒」という集団ではなく、個性を持った一人ひとりに対応しているのだということを忘れないように心掛けてきました。管理職となった今では、甲南学園が進むべき方向性を全教職員で共有し、チーム力を強化することの重要性を実感しています。その中で、各々が最大限にパフォーマンスを発揮できる風通しの良い組織づくりを目指していきたいと考えています。
やはり、新型コロナウイルス感染症による未曾有の事態で我々の生活が一変したことは、職員生活の中でも強く印象に残っています。教育現場の機能が完全に麻痺し、収束の見通しもつかない、そんな中で我々に何ができるのか。改めて教育の在り方や修学支援について考えさせられる出来事でした。予想以上に長引くコロナ対応の制約の中で、学生、教員、職員が様々に工夫を凝らし、無事に学生の卒業を見送ることができた時、「甲南学園に入って良かったです。ありがとうございました。」という言葉をいただけた時の嬉しさは生涯忘れられないと思います。