理事長メッセージ

 私たちは2019年4月の甲南学園100周年の節目で、「人物教育のパースペクティブ」として、創立者平生釟三郎先生の教えのもと、“個人個人の天賦の特性を引き出すという「人物教育」がいわゆる「人間として人間らしい人間をつくる」という単純明快なことながら、大きな環境の錯綜する変化のなかでこれをどのようなものとして実現していくか、平生精神を託されたすべての甲南人にとっての一大テーマである“と宣言いたしました。

甲南学園創立100周年記念サイト 学園創立100周年記念冊子p.04

 甲南新世紀の初年度からコロナ禍に見舞われましたが、甲南学園は1919年スペイン風邪が大流行していたときに力強く立ち上がった学園であり、その後の幾多の苦難も乗り越えてきた学園です。同じように必ずこの危機を乗り越えることができると確信しています。改めて、私たちには、研鑽を重ねて自身を磨くとともに、student-firstで「人物教育」を進化させ、これからの時代に活躍できる学生・生徒を育てていくという大事な使命があることを自覚しております。

 現在、本学では「甲南学園中期計画(2020-2025)」を実行しています。甲南大学の「KONAN U.VISION 2025」に向けたアクションプラン、甲南高等学校・中学校の「中期行動計画」を確実に進め、「人物教育率先の進化」についてさらなる正のスパイラルを描くとともに、「KONAN-PLANET」の充実化などから「地域社会と朗らかにつながる学園」の構築をはかり、加えて、「世界に通じるKONANクオリティ」の実現を目指し、学生にとって魅力的な大学とは何かを Student-first の視点で取り組む「KONANクオリティ・プラス」プロジェクトを展開しております。

 一方で今は、予測困難なVUCAの時代(Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性))であり、様々な問題や課題に迅速かつ柔軟に対応していく組織力が必要になっています。平生先生の教え、「常ニ備ヘヨ」、「共働互助」の精神がますます大事になります。また、平生先生は、人生のモットーとして「正志く 強く 朗らかに」を掲げました。たとえ逆境にあるときでも、正義感を持ち、強い意志で行動し、明るく快活に過ごせば、毎日が楽しくうまくいくものであるというこの教えは、甲南学園の教職員、学生、生徒の行動規範の支柱になっています。本学は、「平生フィロソフィー」(平生の人生全体を貫く基本的な考え方)のもと、自分たちのことだけではなく、自立した者同士が集まって、「共働互助」の精神で、「正志く 強く 朗らかに」未来に向かっていく学園です。

 本学の専任職員には、中期計画を通じて「甲南の強み・特色」をつくり出すという価値創造への挑戦、そして課題解決の経験を経て、実力をつけていくことが求められるとともに、「平生フィロソフィー」という原則のもと、主体的に、仮説をもって、(意見をもち、その根拠をもつ)、共働互助をはかり、できるかどうか判断するのではなく、どうやってやるかを考え、行動していくことが求められています。

 我々と一緒に、教職員自身が豊かな成長・喜び・感動を得る、「未来の甲南学園」を作っていきましょう。

理事長 長坂 悦敬

学校法人甲南学園
理事長 長坂 悦敬

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