産休・育休からの復職者の人マネジメント
産休・育休からの復職者の人マネジメント
経営学部 経営学科 教授
多様な生き方・働き方
日本では、女性が結婚や出産などのライフイベントを経て働き続けることが一般的になってきました。しかしながら、組織の中で重要なポジションに就くことは男性に比べてまだまだ少ないのが現実です。単に働き続けるだけではなく、より良く働くためには何が必要でしょうか。また、そのような人たちの能力を活かし、組織の中で活躍してもらうためにはどのようなマネジメントが必要でしょうか。これは、女性だけの問題ではありません。介護や病気を理由に離職を考えざるを得ない人にとっても、重要なテーマです。また、共働き家庭では父親も同じ問題に直面します。
復職後の仕事配分と人事評価
私の研究が注目するのは、復職者の仕事配分と人事評価の適正さです。家庭責任を担う復職者には、「子供が待っているから、早くお帰り。」や「大変だから、ぼちぼちでいいよ。」等の優しい言葉がかけられることがあります。しかし、これは裏を返せば「期待していない」というメッセージです。近年、これは「過剰な配慮」という言葉で注目されています。過剰な配慮があれば、その人は職場で期待されず、仕事の能力を伸ばすこともできません。結果として、仕事能力が低く、職場への貢献もできず、低い評価に留まってしまいます。このようなことが起きていないでしょうか。また、それはどのようにすれば改善されるのでしょうか。これが私の研究の目的です。
復職者のためのワークショップ開催
復職後の働き方や人事評価を知るために、復職者を対象としたワークショップを実施しています。「復帰して一生懸命やっているのに、重要な仕事を任せてもらえない」、「やっていることは他の人と同じでも、働く時問が短いだけで評価が低いのでは?」、「言いたいことがあるけれど、職場に迷感をかけているから言いにくい」、このような復職者の声を集めるためです。2017年に始めてから大阪、京都、島根、新潟、山形、最近ではオンラインでこれまでに10回以上のワークショップや共催セミナーを開催してきました(過去のワークショップの詳細はコチラをご覧ください)。ワークショップでは、参加者にアンケートやヒアリング調査を実施し、その結果を次のレクチャーに活かして、情報収集と成果のフィードバックのサイクルをつくっています。