甲南大学の研究力

金属イオンと分子をブロックのように
組み立てて物質を貯蔵する空間をつくる
金属イオンと分子をブロックのように組み立てて物質を貯蔵する空間をつくる

フロンティアサイエンス学部 生命化学科 准教授

鶴岡 孝章
金属有機構造体の形成メカニズムの解明

金属イオンと有機配位子が規則的に並んだ金属有機構造体(Metal-Organic Frameworks:MOFs)は、その構造体の内部に無数とも言える小さな空間を持っています。その小さな空間の中にいろいろな気体や分子を閉じ込めることができるため、貯蔵や分離といった応用が期待されています。このMOFsは金属イオンと有機配位子が自己組織化というプロセスで形成していくことが知られていますが、なぜ規則正しく構造が組み上がっていくのかを明らかにすることで、構造体の大きさや形を制御することを目指しています。

高分子フィルム上でのMOFs薄膜形成プロセスの開発

MOFsは分子を取り込むことが可能な空間を持っていますが、分離を目的とした場合には薄膜化する技術が重要となります。溶液中で作製した結晶を並べると、結晶を隙間無く埋めることは難しいため直接膜状のMOFsをつくることが必要となります。本研究では、高分子フィルムの表面でのみ選択的にMOFsが形成するプロセスの開発を行っています。これにより簡単に物質を分離することができるフィルターの作製が可能になると期待しています。

金属ナノ結晶・MOFs複合化による新規材料の構築

金属ナノ結晶は、ユニークな光学特性を示すことが知られており、それとMOFsを組み合わせることで金属ナノ結晶とMOFsの両性質を備えた材料の作製を行っています。例えば、金属ナノ結晶は光センサーとしての応用が期待されていますが、それにふるい効果を持ったMOFの性質を合わせることでセンサーに選択性を与えることができるようになり、高感度・高選択性のセンサーを開発することが可能になると期待しています。それ以外にも金属ナノ結晶は発光する物質の発光効率を大幅に増大させる効果を持っており、発光性のMOFsと組み合わせることで新しい発光デバイスが構築できると考えられます。

【研究助成】

○科学研究費助成事業基盤研究(C)(2018年度~2020年度)

核形成・核成長反応制御に基づく金属イオンドープ高分子上でのMOF連続膜形成

 

2016年度より掲載