身のまわりの“ふしぎ”を、物理で解き明かす。理工学部物理学科 山﨑 篤志(物性物理学、量子物理学、放射光科学)

About Me ( YAMASAKI Atsushi )

私は、理工学部物理学科で教員をしています。ここでは「物理」という学問を通して、目に見えないけれど確かに存在する自然のルールを研究しています。特に「電子」や「磁石」、「超伝導」といったテーマに興味を持っていて、世界中の研究者と協力しながら、最新の実験や理論を組み合わせて研究を進めています。関西出身で、今も六甲山のふもとで暮らしています。

Research

私の専門は「量子物理学」や「物性物理学」と呼ばれる分野です。たとえば、電子がどうやって動くか、物質がどうして電気を通すのか、どうして磁石になるのかなど、ミクロな世界のふるまいを探っています。最近では、「高エントロピー物質」と呼ばれる、さまざまな元素が混ざった不思議な材料を研究していて、そこに現れる“予想外”の性質の起源を、兵庫県の佐用町にある放射光施設SPring-8などを使って調べています。

これらの研究の面白さは、「答えがひとつではない」ことです。材料をちょっと変えるだけで、まるで別の世界が現れることもあり、まさに自然が見せる“手品”を解き明かすような感覚があります。

KONAN’s Value

甲南大学の魅力は「少人数でしっかり学べる」ことと、「自由な発想を大切にする」風土にあると感じています。学生が先生に気軽に質問できる環境が整っており、個々の興味や探究心に応じて深く学ぶことができます。研究設備も充実していて、学部生のうちから本格的な実験や解析にも挑戦できます。自然と都市の両方に近い立地も魅力で、集中して学びながら、リフレッシュもしやすい環境です。

Private

最近は、休日に六甲山を歩くのが私の楽しみです。季節ごとに変わる森の香りや空気の冷たさ、野鳥のさえずりが、心を落ち着けてくれます。とくにお気に入りは、荒地山を通るコース。積み重なった岩々の間を登るコースで、都市近郊とは思えない風景には何度登っても感動します。また、有馬温泉まで足を伸ばして、ゆっくり温泉でリフレッシュできるのもいいですね。
写真は、荒地山から見た大阪湾(本人撮影)

Profile

理工学部物理学科 教授
※2026年度より宇宙理学・量子物理工学科

山﨑 篤志

YAMASAKI Atsushi

専門分野
物性物理学、量子物理学、放射光科学

キャリア
広島大学理学部卒業、大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程修了。
博士(工学)。
日本学術振興会特別研究員などを経て、現職。

所属学会
日本物理学会、日本放射光学会