消費者の個人情報が企業の価格設定に与える影響を分析しています。経済学部 奥山 鈴香(産業組織論)

産業組織論の専門家で、産業組織論について研究している奥山鈴香講師にお話を伺いました。

About Me ( OKUYAMA Suzuka )

学部3年生のとき、ゼミの活動の一環として、インターゼミナールで発表を行いました。それをきっかけに卒業後も研究を続けていきたいと思い、大学院に進学することを決めました。大学院入学後は、経済成長論を学んでいました。これは、マクロ経済学の授業でソローモデルを学んだことがきっかけです。ですが、途中から興味が移り、現在は産業組織論という分野で研究をしています。

Research

私の専門分野は産業組織論で、価格差別について分析を行っています。価格差別とは、買い手の属性や購入数量に応じて企業が異なる価格を提示する行為のことです。価格差別の中でも、企業が、顧客が過去に自社から商品を購入したかどうかで提示する価格を変えることを、購買履歴に応じた価格差別といいます。例えば、携帯電話市場では、携帯電話会社が、新規顧客に対して割引を提示することが行われています。
通信産業では、インドのBSNL や日本のドコモのように政府にすべて、または部分的に所有されている携帯電話会社も存在しています。私は、携帯電話会社の民営化や国営化が携帯電話の料金にどのような影響を与えるのか、また、消費者にとって望ましいのかについて分析を行ってきました。
また、日本では、料金の高止まりを招くとして、スマートフォンの値引き規制が政府によってたびたび行われています。携帯電話会社の価格設定には、ライバル企業の顧客には乗り換え割、はじめて携帯を持つ若年層には新規割を提供しているという特徴があります。この特徴と料金の高止まりとの関係に興味を持っています。
購買履歴以外にも情報化によって企業が消費者の情報を収集し活用することが進んでいます。その一例として医療データが挙げられます。しかし、その影響や規制のありかたについては未知の部分が多く、さらなる研究が求められています。

KONAN’s Value

甲南大学はミディアムサイズの大学であり、教員と学生の近さが魅力だと思います。授業で出会った初対面の学生がおいしいお店を教えてくれたこともあります。授業の内容について学生から頻繁に質問されることに驚いています。また、経済学部には経済学会という組織があり、学生が中心となって様々な活動をしていることにも驚きました。

Private

休日は、六甲やその周辺でハイキングやサイクリングを楽しんでいます。甲南大学の周りは豊かな自然がありとても良いところだと思います。おいしいご飯を食べに行ったり、自分で料理したりすることも好きです。

Profile

経済学部 講師

奥山 鈴香

OKUYAMA Suzuka

専門領域
産業組織論

キャリア
大阪大学大学院経済学研究科政策専攻 修了

所属学会
応用経済学会