経済学部 教授 石川 路子 × 経済学部 武田珠有
はじめに、先生はどのような研究を行っていらっしゃいますか。

研究テーマを一言でいうと「地域経済学」です。「地域経済学」では経済学というツールを使って、地域課題を明らかにします。「ある地域が発展している」と言われているのであれば、どのように発展しているのかを人に伝える時に、分析したことをデータや、モデルを用いて表現しています。
先生は企業に就職された後、研究者(大学教員)になられたと存じ上げておりますが、どのような経緯で研究者(大学教員)になられましたか。

石川 教授
建築家になりたいと考えていたので工学部に進学しました。都市計画コンサルタントとして勤務しておりましたが、その中で都市、地域の分析をするにあたり、大学で専門的に学んでいない分野の知識が必要になりました。ここで、経済のツールを学ぼうと大学院に入りなおしました。都市計画コンサルタントとしてのお仕事が大好きだったので、大学院で学んだ後は先の会社に戻ろうと考えていました。しかし教えていただいていた先生に、自由に地域のあるべき姿を発言できる研究者の立場でいるほうが向いているのではないかと、お声掛けいただき大学に残り、研究者になりました。
大学時代にやってよかったこと、やればよかったことはありますか。

石川 教授
学生時代にやってよかったことは、サークルに入り、様々な考え方を持つ自分の知らない世界を教えてくれる友人に出会えたことです。同じ学部の友人とはすごく仲が良くて、みんなで一致団結していたのですが、同じ学部の建築家になりたい人が集まったコミュニティとは違うコミュニティで様々な考えを持つ学部学年の壁を越えた友人と話すことがすごく楽しかったです。
やればよかったというより、やりたかったことにはなりますが、バックパッカーになって、いろんな場所を訪れていろんな人のお話を聞くことです。大学時代に自分とは違う立場の人のお話を沢山聞くことができていたら、もっと自分の持つ世界が広げることができたのではないかと思います。

どのような学生を育てたいとお考えでしょうか。

石川 教授
学生には同じ立場、年齢の人が多く集まる大学とは違って、年齢、立場の違う人と関わることが多い社会に出た時に対応できる人になって欲しいと思っています。そのために、いろんな人がいて、いろいろな考えを持つ人がいる事を知ってほしいです。
現在の研究者(大学教員)という立場になられて良かったなと感じることは何でしょうか。

石川 教授
学生はもちろんのことOBOGさん、地域の方々と関われることです。大学はニュートラルな存在で、大学の研究者(大学教員)として関わると、すごくフラットにお話をしてくださることが多く、そのような場面に遭遇するたびに、大学に所属する意義を実感し、研究者(大学教員)になって良かったなと感じます。
研究を行うにあたって甲南大学の魅力は何でしょうか。

石川 教授
大学の規模が大きくないので、学生との距離が近いこと、同じ学部の先生だけではなく他学部の先生とも繋がることができることです。研究は一人でしますが、研究するための気づきはいろんな人からの関わりから得ます。多くの方と関わっていろんな考えを知ることができる環境があることが魅力だと思います。
インタビューをした感想
インタビューでは、ここでは書ききれない程、素敵なお話をたくさん聞いて自分自身について見つめなおすきっかけになりました。いままでお聞きすることがなかった先生の学生時代のお話もお聞きすることができて楽しかったです。先生と学生の距離が近く、コミュニケーションがとりやすい甲南大学だからこそ、先生に沢山のお話をお聞きすることができました。そして、先生の研究に対する姿勢、学生に対する思いから先生の素敵なお人柄を感じました。今回はこのような貴重な機会を設けていただきありがとうございました。
