A01 生物種の分類枠組みを超えた網羅解析による多元応答深化の解明

  核酸の塩基配列解析(シーケンシング)技術の飛躍的な進歩にともない、様々な生物種のゲノムDNAやトランスクリプトームRNAが公開されています。また、配列情報の処理能力も大幅に向上し、遺伝情報の多様化と複雑化の過程を追跡できるようになってきています。多くの研究では核酸(DNAやRNA)の配列情報(一次情報)に基づいた解析が行われていますが、DNAやRNAは、様々な高次構造を形成して遺伝子の発現に多大な影響を及ぼすことが明らかになりつつあります。本学術変革領域では、核酸の構造情報に焦点をあて、ゲノムが担う高次機能としての「多元応答ゲノム」の分子機構を明らかにしていくことを目的にしています。 私たちの計画研究グループでは、核酸構造に依存した遺伝子の発現調節をゲノムワイド、トランスクリプトームワイドに解析し、生命システムに維持されている「多元応答」の存在と、それに関与する核酸構造を示すことを目指します。特に、バイオインフォマティクスを活用し、生物種の分類枠組みを超えて存在する多元応答機構の共通点、相違点を議論することで、生命システムの進化と「多元応答深化」の過程を明らかにしたいと考えています。
  • 研究代表者

    遠藤玉樹准教授リサーチマップ
    甲南大学先端生命工学研究所
    専門分野 :細胞機能工学・生体分子機能工学

    本領域における役割
    「多元応答に関与する核酸構造の実験的網羅解析」

    私は、ヒトの遺伝子を中心に、RNAが形成する高次構造と安定性が、遺伝子の発現過程に与える影響を解析してきました。この学術変革領域では、ヒトに限らず、生命システム全般にわたるRNA構造の生物学的意義を提唱したいと考えています。

  • 研究分担者

    凌一葦助教リサーチマップ
    新潟大学医学部
    メディカルAIセンター
    専門分野 :バイオインフォマティクス

    本領域における役割
    「多元応答に関与する核酸構造の情報科学解析」

    計算機を駆使し、ゲノム解析やトランスクリプトーム解析などのバイオインフォマティクス手法で、網羅解析の視点から、生物種及び環境変動による「多元応答」メカニズムの同異点と相互作用の解明をサポートします。

  • 研究協力者

    奥田修二郎教授リサーチマップ
    新潟大学医学部
    メディカルAIセンター
    専門分野 :バイオインフォマティクス

    本領域における役割
    「多元応答に関与する核酸構造の情報科学解析」