A02 細胞内環境評価系を用いた多元応答機構の解明と多元応答ゲノムバンクの開発

  本学術変革領域研究では、多様な生物種における核酸の非二重らせん構造を網羅的に解析し、非二重らせん構造に制御されるゲノムの多元的な発現機構を解明することを目的としています。そのため、A02班では、試験管内で核酸の構造や機能を正確に予測することを目指して、実細胞や金属有機構造体を用いて、細胞内環境評価系を構築します。さらに、これらの評価系において核酸構造を解析し、多様な生物種の遺伝子の塩基配列と細胞内における核酸の “構造”情報を集約したデータバンクを構築します。このデータバンクにA01班およびA03班によって得られたトランスクリプトーム解析やエピゲノム解析の結果を組み込み、ゲノムの塩基配列から、ゲノムの高次情報として遺伝子発現を制御し得る配列を予測できる世界初となるデータバンク(多元応答ゲノムバンクDimension responsive-genome bank (DiR-GB))の創製を目指します。
  • 研究代表者

    建石寿枝准教授リサーチマップ
    甲南大学先端生命工学研究所 (FIBER)
    専門分野 :核酸機能化学

    本領域における役割
    「生細胞を用いた環境評価系の構築と多元応答の解析および多元応答ゲノムバンクの開発」

    細胞内の核酸の構造や機能を予測するためには、試験管内で細胞内の環境を厳密に再現した評価系を構築することが重要です。本領域研究では、ヒト、植物、バクテリアなど様々な生物の細胞内環境模倣系を構築します。構築された模倣系を用いて、細胞内での多元応答機構を解明し、得られた結果をデータベース化することを目指します。

  • 研究分担者

    鶴岡 孝章准教授リサーチマップ
    甲南大学フロンティアサイエンス学部生命化学科(FIRST)
    専門分野 :ナノ材料化学

    本領域における役割
    「MOF微細空間内における核酸分子の安定性評価」

    核酸分子の細胞内環境における安定性評価の空間を模倣する材料として金属有機構造体(MOF)を用い、規則的な微細空間内での核酸分子の安定性にどのような変化が発現するのかを明らかにしたいと考えています。この分子の運動に制約のある空間における核酸分子の構造安定性における情報を基に、様々な外的環境に応答する機構を解明していく予定です。

  • 研究協力者

    松本 咲特任助教リサーチマップ
    甲南大学先端生命工学研究所
    専門分野 :核酸化学、有機化学

    本領域における役割
    「核酸非二重らせん構造の定量的解析」