【理工学部/生物学科/自然科学研究科/統合ニューロバイオロジー研究所】卒業生の佐藤夕希さん、太田茜 特任研究准教授らが「植物と動物に共通する高温耐性の遺伝子」をPNAS nexus誌に発表しました
理工学部生物学科/大学院自然科学研究科 卒業生の佐藤夕希さん、太田茜 特任研究准教授、久原篤 教授と、東京農業大学 太治輝昭 教授らのチームは、「動物と植物に共通した高温耐性の仕組み」を線虫とシロイヌナズナの解析から発見しました。昨年、太治教授らは世界各地のシロイヌナズナの多型株の解析から高温耐性を増強するLHT1遺伝子を見つけました(Isono et al., PNAS nexus, 2023)。今回、この植物の遺伝子が線虫ではemb-4遺伝子であること、emb-4変異体の高温耐性は弱く、逆に低温耐性は強くなっていました。スプライシング制御因子であるEMB-4が調節する遺伝子として、脂肪酸代謝に関わる酸性スフィンゴミエリナーゼや生体膜の局所構造に関わるリン脂質スクランブラーゼを見つけ、それらの変異体線虫では高温耐性が強くなりました。
今回、動物と植物に共通した高温耐性の遺伝子が見つかりました。emb-4類似遺伝子は、ヒトから植物まで存在するため、今後、地球温暖化による食糧危機に貢献できる高温に強い家畜や農作物の開発に繋がることが期待されます。
Ohta A.*,#, Sato Y.#, Isono K., Kajino T., Tanaka K., Taji T., Kuhara A.*
The intron binding protein EMB-4 is an opposite regulator of cold and high temperature tolerance in Caenorhabditis elegans
PNAS nexus, 293, 2024 (#共同筆頭著者、*責任著者)
(https://doi.org/10.1093/pnasnexus/pgae293)
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