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【理工学部/生物学科/自然科学研究科/統合ニューロバイオロジー研究所】線虫の体内の脂質分布を3Dで見る手法を開発

トピックス25.7.15

 岡山大学の藤原正澄 教授、オランダ・マーストリヒト大学、甲南大学理工学部/大学院自然科学研究科/統合ニューロバイオロジー研究所の 太田茜 特任研究准教授、久原篤 教授らの国際研究チームは、線虫C. elegansの体内の脂質分布を3Dで可視化する質量分析イメージング手法を開発しました。連続切片に質量分子分析*と中性脂肪染色を併用して、体内の約1細胞のスケールで脂質分布を色で可視化することに成功しました。 今後、微小生物やオルガノイド、培養細胞集合体などの次世代モデル系にも応用可能であり、ナノ医療や環境毒性評価など、さまざまな分野への波及効果が期待されます。甲南大学のチームは中性脂肪染色解析を担いました。

※マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析イメージング(MALDI-MSI)は、試料にレーザー光によるイオン化を促進する物質を付加し、レーザー照射で分子をイオン化・検出することで、物質の種類と空間分布を同時に可視化できる技術です。 

(線虫の連続切片でMALDI-MSIと中性脂肪染色を行い、体内脂質分布を約1細胞レベルで色で可視化(図は論文より引用)

掲載誌
Mandic S., Flinders B., Vandenbosch M., Ohta A.Kuhara A., Heeren R.M.A., Fujiwara M.
Method development for correlating lipid molecular information with anatomy in C. elegans
Scientific Reports, 15, 24548, 1-15, 2025
https://www.nature.com/articles/s41598-025-09577-9 (無料で読めます)

 

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生体調節学 久原 研究室