【理工学部/生物学科/自然科学研究科/統合ニューロバイオロジー研究所】線虫の体内の脂質分布を3Dで見る手法を開発
岡山大学の藤原正澄 教授、オランダ・マーストリヒト大学、甲南大学理工学部/大学院自然科学研究科/統合ニューロバイオロジー研究所の 太田茜 特任研究准教授、久原篤 教授らの国際研究チームは、線虫C. elegansの体内の脂質分布を3Dで可視化する質量分析イメージング手法を開発しました。連続切片に質量分子分析*と中性脂肪染色を併用して、体内の約1細胞のスケールで脂質分布を色で可視化することに成功しました。 今後、微小生物やオルガノイド、培養細胞集合体などの次世代モデル系にも応用可能であり、ナノ医療や環境毒性評価など、さまざまな分野への波及効果が期待されます。甲南大学のチームは中性脂肪染色解析を担いました。
※マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析イメージング(MALDI-MSI)は、試料にレーザー光によるイオン化を促進する物質を付加し、レーザー照射で分子をイオン化・検出することで、物質の種類と空間分布を同時に可視化できる技術です。
(線虫の連続切片でMALDI-MSIと中性脂肪染色を行い、体内脂質分布を約1細胞レベルで色で可視化(図は論文より引用)
掲載誌
Mandic S., Flinders B., Vandenbosch M., Ohta A., Kuhara A., Heeren R.M.A., Fujiwara M.
Method development for correlating lipid molecular information with anatomy in C. elegans
Scientific Reports, 15, 24548, 1-15, 2025
https://www.nature.com/articles/s41598-025-09577-9 (無料で読めます)
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