本年4月1日より教職教育センター所長を務めさせていただくことになりました経営学部教員の大塚晴之と申します。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
同所長職というお役目をお引き受けいたしましたが、私自身は教職教育の専門家ではありません。また、これまで、教職ゼミを担当したこと、学部の代表として2度ほど教職教育関係の委員を務めさせて頂いたことがありましたが、教職教育センターの活動の詳細については十分承知していませんでした。このため、教職教育の在り方やセンターの活動を一から学ぶことから始めたいと思っております。幸い、教職教育センターには、教育指導について高水準で経験豊富なスタッフが揃っております。センタースタッフにご指導頂き、ご一緒にお仕事をさせて頂く中で、所長としての仕事を進めていきたいと考えております。
ところで、私は、高等学校の公民科(現代社会・政治経済・公共)の教科書を継続的に執筆してまいりました。指導要領の数次の改定の中で、高等学校の先生方からご指導を頂くことにより、公民科教育の在り方について考えてまいりました。そこで感じたのは、公民科に限らず、最近20年間に教育指針が大きく変化したということです。専門用語は用いませんが、例えば公民科で言えば、「知識を獲得する」「データを読む」ということの能力を育てることはもとより、「分析を行う」「自らの言葉でプレゼンテーションを行う」という能力の涵養まで目指すような内容に変化しつつあります。実際、例えば、新課程の「公共」の教科書では、多くの紙幅が「課題探求」のような、自ら考え意見をまとめるための頁に充てられています。これからの教員は、生徒に対して、このような力を涵養する教育ができることが必要になるでしょう。
教職教育センターでは、教職を目指す皆さんのため、甲南大学専任教員による教職関連の専門教育、教職指導員の先生方による教科別指導、教育実習、採用試験対策など、多岐にわたる活動の支援を行い、成果を上げてきました。学生の皆さんや社会からの不断に変化するニーズを受け止めて、甲南大学においてこれまで行って来た教職教育の活動を継承し発展させることが私の務めだと思っております。
教職を志望される皆さんに、教職教育センター一同を代表いたしまして、皆さんが教員として社会に飛翔できるよう、センタースタッフ一丸となってサポート体制を築くべく努力することをお約束しまして、ご挨拶の言葉といたします。
2022年4月1日
教職教育センター所長
経営学部教授 大塚晴之