原田マハ著 『本日は、お日柄もよく』

 

 

経営学部 1年生 射場 美雪さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : 本日は、お日柄もよく
著者 : 原田マハ著
出版社:徳間書店
出版年:2013年

言葉が持つ力はとても強力である。たった1回のスピーチが人を大きく動かすことだってある。これは、そんな運命のスピーチに出会って人生を変えることになった主人公二ノ宮こと葉とそのスピーチを考えた久遠久美とのお話。

久美が話したスピーチに感動した主人公こと葉は久美に弟子入りし、スピーチを通じて人の心に響く言葉を考えるようになる。かなり衝撃的な出会いだが私が実際に聞いたとすればちょっとの間感動を引きずるくらい思いが伝わる日本語が美しいスピーチだった。この本の中にはそんな日本語がいくつも出てくる。

ところでコピーライターという職業を知っているだろうか。普段何気なく目にしているポスターやCMのキャッチフレーズを考えるお仕事である。あまり有名ではない職業だが広告においてとても重要な役割を果たしている。この企業といえばこのキャッチフレーズ、という有名なものを思い浮かべる人もいるだろう。弟子入りした後しばらくしてこと葉はコピーライターに携わることになる。広告では短いフレーズの中にどれだけ思いを込められるかが大切になってくる。じっくりと言葉ひとつひとつに向き合うことで見えてくる世界があるのかもしれないと思った。スピーチを書いたりコピーライターの仕事をすることを通して、主人公は言葉の持つ力やその奥深さの虜になっていく。そしてその職業によってこと葉にとっての運命の出会いも……。

この本の中にはスピーチをする時に使える10ヶ条が書かれている。人前で話すことに慣れてない人でもできそうなテクニックばかりである。とてもためになるのでぜひ読んで実践してみてほしい。実際に私はこのテクニックを使って、プレゼンが上手くなったねと言われた。

みなさんもぜひこの本で日本語の素晴らしさにもう一度気づいて欲しい。
読み終わった後には人前でのスピーチやプレゼンがちょっとだけ上手くなっているかもしれない。