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KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『〇〇の秋で本に出会おう!』

KONAN ライブラリ サーティフィケイト 学生企画
『〇〇の秋で本に出会おう!』

展示期間 :2023年 11月10日(金)~ 12月末まで
場所:中山文庫前特設

 

『秋は夜が長くなり、一人で過ごしやすく読書にも最適です。

そこで、文化祭が終わった時期に、私自身が見え方が変わった本を紹介し、読んでもらうことで、実りのある秋にしてもらいたいです。』

 

摂津祭も終わり、本格的に秋も深まってきました。秋は夜が長くなり、一人で過ごしやすく読書にもぴったりということで秋にちなんだ展示を企画してくれました!
展示についての冊子も作ってくれたので、読めばさらに展示がおもしろくなること間違いなしです!冊子はTake freeなのでぜひおうちでゆっくりご覧ください☆

 

 

実りある秋になりますように!

※おすすめ本を掲載していますので、ぜひスクロールしてご覧下さい!

企画者: 文学部4回生 S


図書館学課程(司書) 村上 幸二先生へのインタビュー

経済学部2生 Kさんが、図書館学課程(司書) 村上 幸二先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

今回、司書課程の先生でいらっしゃる村上幸二先生にインタビューさせていただきます。

 

①先生の好きな本は、なんでしょうか?

私は昔からリアリティのある内容が好きで、実話にもとづいた本が好みでした。小さい頃はもっぱら伝記を読んでいました。小学生のとき読んだ『太閤記』で、秀吉の下積み時代に信長の草履を懐に入れて温めておいたというエピソードが当時は特に印象的で、いろいろな意味で人としての生き方が学べて面白いと思いました。学校の先生が教えてくれないことも本から学ぶことができるのがいいですね。

これまで読んだ本で衝撃的だったのが、これも小学生の時に読んだ次の本です。

・『ソビエト帝国の崩壊―瀕死のクマが世界であがく』(小室直樹, 光文社, 1980年)

今の若い人には意外と思われるかも知れませんが、1980年代のソ連といえばオリンピックや軍事力で最強の国というイメージがありました。当時アメリカと冷戦の状態でしたが、子どもながらに強いものに対するあこがれのようなものがあったと思います。小学生の頃ですから部分的にしか分からなかったと思いますが、とにかくソ連が崩壊するということが書かれていて、自分はすごいことを知ってしまったという感覚でした。当時、友だちにこのことを言っても誰も相手にしてくれませんでしたが、それから10年後に本当にソ連は崩壊しました。ここから本に対する畏敬の念を感じるようになったと思います。なおこの本は2022年に復刊本がでました。

児童書にも実話に近いものがあります。次の本は著者の生涯を振り返って描かれた児童書です。

・『この楽しき日々』(ローラ・インガルス・ワイルダー, 岩波書店, 2000年)

この本を読もうとしたのは偶然というか、図書館でふと手に取った本です。開いたページがちょうど主人公が教師として働く初日の様子で、その瞬間に本の世界に引き込まれました。主人公と自分自身が重なる不思議な感覚にもなりました。大人が読んでも面白いと思います。小学校の教師をしていたこともあり、教師の生き方を描いた本は特に好きです。将来教師になりたいと思っている人におすすめです。

なお先ほど「偶然」と言いましたが、もしかしたら偶然ではないかも知れません。本との出会い方については実に面白い方法があるので、これはまた後ほどお話したいと思います。

次の本も教師の本で、ノンフィクションです。2001年に文庫本も出ています。

・『リターンマッチ』(後藤正治, 文藝春秋, 1994年)

この本は定時制高校のボクシング部顧問の先生のお話です。教師をしていると様々な壁に直面することが必ずありますが、そういった壁を乗り越える力を与えてくれる本です。

 

②先生が本を読むスタイルはありますか?

次々に新しい本を読むよりも、実は同じ本の同じ箇所を繰り返し読むことが好きで、数えきれないほど読んでいる本もあります。

 

③大学生におすすめしたい本はありますか?

ずばり学術書をおすすめします。といっても安心してください。おすすめなのはその「まえがき」です。学術書の前書きには、著者が人生をかけて研究してきた、その人生が凝縮されています。内容が難しい学術書であっても、その前書きはまた別です。自分にとって敷居が高いと思う内容の本であっても、前書きが面白いものが多くあります。学術書の前書きは、ひとつの小説と言えるかもしれません。これを読むと、人生のヒントが見つかることだってあります。なお、学術書によっては「あとがき」の方が充実しているものもあります。

 

④村上幸二先生オリジナルの本の探し方は、ありますか?

とっておきの探し方があります! まず図書館などで書架に並んでいる本を眺めます。本屋さんでもやり方は同じです。とにかく心を無にして本を眺めるだけでいいのです。そうすると本の方が自分を呼んでいる感覚になるんです。まるでおすすめの本を教えてくれるような感覚です。その本を手に取ってみて、心を無にして本をパラパラっとめくります。必ずしも最初から読むとは限りません。それも本の方が、読み始めるべきページを教えてくれるような感覚です。そこから本を読み始めます。実際こうして感動する本に出合うことが多くあります。本の方が自分を呼んでくれるということで、この探し方はおすすめです。

 

⑤司書教諭の資格は取っておいた方が良いですか? 先生が考える司書教諭の魅力を教えてください。

司書教諭は本を通して、子どもたちと触れあうことができます。例えば思春期の中高生は、小学生の時と比べると先生との距離が離れてしまいがちです。しかし本の魅力は変わりません。本の内容についての共通話題もありますが、面白い本を紹介したり本の購入リクエストに応えたりした時の心の通い合いといったものもあります。本を通しての子どもたちとの関わりは大切ですね。司書教諭の資格を持っていれば必ず司書教諭になれるという保証はありませんが、資格がなければ司書教諭になることはできませんので、もちろん取っておいた方がいいです。

 

⑥先生が司書教諭をしていて良かったと感じたことは、どんな出来事ですか?

小学校に司書教諭として勤務していた時、図書委員の指導を担当していました。ある日、図書委員の一人が、絵本の内容を劇にして発表したいと提案してきました。私はできるだけ子どもたち主体の企画を生かそうと、隣の幼稚園に依頼して劇の発表会をすることになりました。使用した絵本は『そらまめくんのベッド』(なかや みわ, 福音館書店, 1999年)です。セリフはそれぞれの役の者が言うのですが、それだけではなく実際に衣裳を着て、ベッドも段ボールで作って劇に臨みました。結果は大成功です。私は細かいことは口出しせず、ほとんど子どもたち自身にまかせて要所だけアドバイスをする形をとりました。こちらが指示をしなくても、子どもたちは積極的に企画に向けて準備をしました。衣裳も自分たちで作ってきたのです。このときの経験で、子どもが好きなことを自由にさせることは子どもの可能性を広げるのだと感じました。司書教諭をしていたからこそ実感できたことです。

 

村上幸二先生、インタビューありがとうございます。

 

【感想】

私は、③おすすめの本、④村上幸二先生オリジナルの本の探し方が心に残りました。

③おすすめの本は、なんと学術書の前書き!ということで、他の先生で同じことをおっしゃる方はいないと思います。私も学術書の前書き読もうと心に決めました。まずは私が履修している授業の先生や、私のゼミの先生の学術書の前書きを読んでみようと思います。学術書の中身は難しくて分からないかもしれませんが、前書きは、ドラマを見ているようで楽しく読めるかもしれません。初めての試みですが、読んでみたいと思います。

④村上幸二先生オリジナルの本の探し方「本が自分を呼んでくれる」というのは、素敵な探し方だと思いました。リラックスした状態で、岡本駅前の本屋さんや甲南大学図書館にふらっと入る。そして本が自分を呼んでいると思ったら、その本を手に取ってみようと思いました。この探し方は今まで読んでこなかったジャンルを読むきっかけになるかもしれません。楽しみです。早速、今日から実践してみたいと思います。

他の先生にはない、村上幸二先生独自の考え方があり、インタビューをしていて楽しかったです。

村上幸二先生、ありがとうございます。

 

(インタビュアー: 経済学部2生 Kさん


図書館学課程(司書) 國松 完二先生へのインタビュー

経済学部2生 Kさんが、図書館学課程(司書) 國松 完二先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

今回、司書課程の先生でいらっしゃる國松完二先生にインタビューさせていただきます。

 

①先生の好きな本は、何ですか?

一冊目は、『天使のいざこざ』(ラングストン・ヒューズ著,木島始訳,晶文社)です。ラングストン・ヒューズはよく知られている黒人の詩人です。ラングストン・ヒューズは、社会で恵まれずに生きている人の気持ちを黒人の視点から詠っています。私はこの本を読むことで、本を好きになり、より読書に励むようになりました。

二冊目は、『坂口安吾 風と光と戦争と』(文藝別冊 KAWADE夢ムック 河出書房新社編)を紹介します。作品としては『堕落論』や『桜の森の満開の下』がよく知られており、若いころには、ほとんどの作品を読みましたが、この本は、三島由紀夫や中上健次など、時代時代の代表的作家の安吾に関する評論等が収録され、安吾が世の中をいかに批判的に見ていたかが、理解できる1冊です。

 

②先生の本を読む頻度は、どうですか?

若い時で多い時だと1ヶ月50冊読んでいました。今は、仕事の関係の本を読むことが多いので、せいぜい週に1冊程度ですね。

 

③先生が大学生におすすめしたい本はありますか?

移動図書館ひまわり号』(前川恒雄,夏葉社)です。大学生、特に司書課程で学んでいる人に読んでほしい本です。著者が東京の日野市立図書館で仕事をされていた時の話をまとめられたものです。私は、この本を読んで相手(図書館の利用者)が何を探しているのか考えるきっかけになりました。図書館利用者が求めているのは何か、図書館サービスの方法を考えたり、また、図書館で働くための人間関係についても学びました。

ちなみにこの本は、一回絶版になったものが復刻されたものです。初版は大手の出版社から発行されましたが、ひとり出版社のひとつである夏葉社の社長さんが、この本に感動して復刻された本です。
ひとり出版社は最近全国で多数創業されていますが、本当に世の中に出したい、読んでほしい作品だけを出版していく考え方、姿勢が好きですね。ひとり出版社の本は、おすすめです。

 

④國松完二先生オリジナルの本の探し方は、ありますか?

偶然性を大切にしてほしいです。本の背中を見て、探すのは楽しいです。世界が広がった感覚は、楽しいですよ。

 

⑤司書の資格を取るか悩んでいる大学生に向けて、司書の魅力を教えてください。

司書は、情報分析力を手に入れることができると思います。図書館にある本を評価することにより、今、よく言われているデータサイエンス力も養えることができます。また、司書は、サービス分析力を手に入れることもできると思います。相手の伝えたいことを探るために、住民とどのようにコミュニケーションするかを考えることで、サービス分析力を育てることができると思います。

 

⑥司書をしていて良かったと感じたことは、なんですか?

私は滋賀県の図書館で働いていました。私が就職したころ、滋賀県には公共図書館がほとんどありませんでした。そんな状況から市や町にひとつずつ図書館が作られていくことをサポートできたことが思い出です。図書館の中だけで仕事をするだけでは味わえない感覚でした。

 

⑦先生オリジナルの本の楽しみ方はありますか?

日本の本は海外に比べると本のつくり方がとても綺麗だと思います。日本は帯、カバーのデザイン、しおりのつくり等が丁寧ですよ。本は、文字の集まりだけではなく、帯、カバー、しおりも含めた一つの作品だと思います。私は、電子書籍も読みますし、電子書籍もっと普及すると思いますが、その一方で、紙の書籍でしか味わえない、日本の丁寧につくられた本は、好きですし、読み続けたいと思います。

 

先生、インタビューありがとうございます。

 

【インタビューを終えて感想】

最後の⑦の回答で、本は、一つの作品だというところが印象に残りました。私は、日本で出版された本しか読んでこなかったので、当たり前だと思っていたけど、丁寧に作られた一つの作品だと思いました。私は、ニュースで日本の絵本が海外でも人気だということを聞いたことがあります。それだけ、日本の本は、世界において価値が高いものだと思いました。また、これから本を探すときに、ひとり出版社の本も視野に入れようと思いました。授業の空きコマや、電車に乗るまでのちょっとした時間には、甲南大学図書館や、岡本駅前の本屋さんに寄ってみようと思いました。

 

(インタビュアー: 経済学部2生 Kさん


文学部 田中 雅史先生へのインタビュー

文学部4生 Sさんが、文学部 田中 雅史先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

Q.  本はよく読まれますか。

A.学生の発表題材、論文の参考文献、趣味の本など様々読んでいます。学生時代は月30冊ほど読んでいました。古本屋で本を買って、両手にたくさん持ってそのまま喫茶店へ行っていました。下宿先も本でいっぱいで、まるで地層のようでした。

 

Q. これまで本を読んできた中で印象に残った本はありますか。

A. 大学時代に読んだ『迷宮と神話』(1996,カール・ケレーニイ著,種村季弘,藤川芳朗訳,弘文堂)です。迷宮が人間の心理のようなもので、通過儀礼(イニシエーション)、つまり古い自分を捨てて、新しい自分になることが印象的でした。本ではギリシャ神話の通過儀礼が紹介されていますが、今ではバンジージャンプという遊びに変わっていますね(笑)

 

Q.ゼミでは村上春樹の作品を多く読んできました。村上春樹との出会いはどのようなものだったのでしょうか。

A. 大学時代は、名前は知っていてお洒落で軽い文学だというイメージはあったのですが、甲南大学に赴任してきてたまたま『ねじまき鳥クロニクル』(1997,村上春樹,新潮文庫)を見つけました。研究していた、前エディプス期と似通う所があったのがきっかけです。

 

Q. 読書の魅力は何だと思われますか。

A. 年齢によって変わってきます。小さい頃は、現実からちょっと離れて息抜きできる点です。おやつを食べながら、児童書を読んでいた時間が好きで、『ふしぎな虫たちの国』(1975,シーラ・ムーン作,山本俊子訳,冨山房)がお気に入りでした。

 大学時代は、今まで読んできたものには意味があって、現実に繋がっているものとして見直せた点。現在は、没頭して異世界に触れられる点。異世界と言っても、現実から逃避するのではなく、現実を楽しむために異世界に入ることが大事だと思っています。

 

Q. 田中先生が学生におすすめする本があれば、教えてください。.

A. 最近執筆した『ナルシシズムの力―村上春樹からまどマギまでー』(2023,田中雅史,新典社)です。あとは十二国記ですかね。授業では扱いますが、『月の影 影の海』(2012,小野不由美,新潮文庫)『魔性の子』(2012,小野不由美,新潮文庫)がお薦めです。

 

感想:学生時代の古本屋で本を買い、そのまま喫茶店に入って読む習慣がお洒落だと感じました。本の世界の主人公が異世界に迷い込み、抜け出して成長するというテーマはとても興味深かったです。人でも、本を読んだ後は、読む前より視野が広がる感じがして、似ている気がしました。

(インタビュアー: 文学部4生 Sさん


2023年度 ブックハンティングツアー(店頭選書)を行いました!

2023年8月6日(金)、ジュンク堂書店三宮店において、学生と図書館職員によりブックハンティングツアーを行いました。図書館に置きたい本を書棚から選び、ハンディーターミナルを使って裏表紙に記載されたISBN(バーコード)をスキャンして選書しました。
今回は岡本キャンパス学生4名・ポートアイランドキャンパス学生1名の参加と多数の学生にご参加いただきました!

参加された学生さんの感想です*

** 文学部社会学科 3年
 蕩尽が学生のためという利他性で許可されるなんて愉快この上ない。普段値段を見て仕方なく本棚に本を戻すところを、このブックハンティングツアーでは一顧だにせずバーコードを通していく。今回手に取った約150冊の合計金額など知らない。それなのに周囲から糾弾されることもなかった。学生のための選書という目的を鑑みると、むしろ称賛された気分だ。善行をした清々しさと不正をした愉悦が両立している。利他的な大義による利己的な行動ほど快いものはない。

** 法学部1年 
 ブックハントでは各々が自分の学部に関連する本を本屋で見つけ、その本が図書館に置くに値するかを考えていくものです。しかし制約はこれくらいで後は自分が読んでみたい本を選ぶことが出来ます。何かこの分野を徹底的に学びたいと考えてる人にお勧めしたいボランティアです。またブックハントをしている間に自由に休憩を取ったり、飲み物を自販機やコンビニへ買いに行くことが可能です。逆に言えば自分の体調を管理するのは自分なので本選びに没頭しすぎず適度に休むことをお勧めします。

理工学部物理学科 1年
 もともと本が好きで、興味があったので、ブックハンティングツアーに参加しました。
 本屋さんに1日滞在できるのが初めてで、すごく楽しかったです。大学生になり、課題や予習、復習に追われ、本を読む機会が減ってしまい、シリーズの新作が出ていることをその時に知ることができました。
 また、自分の学部に関連あることでも本を探しました。今まで、興味ある本ばかりを見ていましたが、新たな本を見ることができて良かったです。

知能情報学部 4年
 図書館のブログでブックハンティングツアーのことを知り、図書館を利用している他の人と関わりを持てるかも、と期待して参加しました。
 日頃から大学の図書館をよく利用していて、図書館に蔵書がない本で自分が読みたい本のリストを作っていたのでそれを片っ端から探していったのですが、そうしているうちに終了の時間になってしまい、もっと他の人に話しかけたりすればよかったと少し後悔しています。
 このイベントは午前からお昼の休憩を挟んで午後まであるので、来年度参加する人はお昼の休憩のときなんかに他の参加者の人と好きな本の話とかするといいですよ!



池谷裕二著 『脳には妙なクセがある』

文学部 4年生 Sさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : 脳には妙なクセがある 
著者 : 池谷裕二著
出版社:扶桑社
出版年:2012年

運動でも、勉強でも、まず、5分だけやってみたら意外と続くことはありませんか?今回紹介するのは、池谷裕二さんの『脳には妙なクセがある』です。たまたま図書館でこの本を見つけ、読みました。

読了後、驚いたことは、脳がこれまでの経験から自動判定しているということです。いくら頭の中で考えていても、自分の行動は、これまでの経験で脳が自動判定する。だから、脳によりよく判定してもらうために、まず行動を起こすことが大事だそうです。本書には、

『自分が今、真剣に悩んでいることも、「どうせ無意識の自分では、考えが決まっているんでしょ」と考えれば気持ちが楽になる』

『そもそも私たちは、立派な自由など備わっていません。脳という自動判定装置に任せておけばよい』

とあり、目から鱗でした。つまり、よい経験をしていけば、よい癖が出て、困難があっても、上手に切り抜けられるということです。これを読むと、悩んでいた時にまず行動を起こせと言われる理由が分かったような気がします。

振り返ってみると、これまで落ち込んだ時は、椅子に座って紙とノートを用意して、じっと解決しようとしていました。しかし、時には走ってみたり、普段会わない人と話したりするなど、いつもと違う選択し、行動を起こしていけば、脳が勝手によりよい方向に導いてくれる、という考え方もできるのだと感じました。

今は夏休みですね。昨年、大学の講師の方に夏休みに何をすればいいか聞いた際、時を忘れるくらいスケジュールを忙しくしろと教えてくれたことを思い出しました。これも、たくさん行動し、上手くいったり、失敗したりたくさんの経験を積めば、悩んだ際に脳が適切に反射してくれるのかもしれません。

本書には、他にも、笑顔を作るから楽しくなる、姿勢を正せば自分の決断に自信が持てるなど、たくさんの体と脳にまつわる話が掲載されています。何か新しい知識を入れたい人におすすめです。