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フロンティアサイエンス学部 石川 真実先生へのインタビュー

フロンティアサイエンス学部4生 島村 大地さんが、フロンティアサイエンス学部 石川 真実先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

 

「過去に読んだことがある本」

過去に本は三宮などの本屋で、ミステリー系の小説を中心に購入し読むことが多くありました。

 

「気に入った本について」

特に気に入った本については、「革命前夜」というベルリンの壁が崩壊する前の時代の本が気に入っています。この本からは特にドイツの歴史であったり、当時の価値観であったりと、色んな場面において触れることができるため気に入っています。

 

「もし学生に戻ったとき、どんな本を改めて読むべきか」

もし学生に戻ることができるのならば、理系分野の参考書だけでなく、幅広く色々なジャンルを読んでいくと感じています。多くの分野の背景や経験が教養として今後に活かしてくれると思われるため、色々な分野の本を読み進めていくのが良いと思っています。

 

「本を読む頻度、過去と比べて変化したか」

現在は研究活動が忙しくなったこともあり、本を読む頻度は過去よりは減ってきていると感じています。学生の頃は参考書や小説等をよく読んでいました。

 

「現在気になっている本について」

特に作者読みを行っており、特定の作者系列の本を読んでいます。例えば、辻村深月さんのミステリー系列の本であったり、須賀しのぶさんの小説であったりと様々な作者の本を読んでいます。

 

「普段読むのは紙の本?それとも電子書籍?また、将来的には?」

普段は紙の本を読んでいます。電子書籍だとスワイプで流れていっていくというのもあり、紙の本の方がしっかりと見ることができるため、今後も紙の本の方を読み進めていくと思います。

 

「今の学生や研究生に向けて、どのような本を読み進めていくのが良いか」

今の学生や研究生に対しては、私の研究分野でもある再生医療関連の本をおすすめします。ポートアイランドは医療産業都市ということもあり、再生医療分野の企業も多数進出しています。そういった中で幹細胞であったり、最新の医療分野の参考書を読んでみることで、身近な企業や研究所への興味・関心にも繋がる良い機会だと思います。また、2000年代の参考書と最新の参考書だと内容も少し異なっていて、そういった点を見つけながら読むのも楽しいと思います。

 

 

「感想」

普段研究者として先生とともに励んでいるなか、なかなか本を読むようなことは難しいとは思うものの、そんな中で研究分野とはまた違ったお話を聞かせてもらい、とても興味深いと感じました。また、自分はまだ大学生で世の中のことについて知らないことが多く存在しているものの、そういった”無知の知”にいち早く気づき、興味ある事や知らなかった事を早め早めに調べていくのがいつになっても大事なのだなとインタビューして感じました。今後はこのインタビューを通じて、普段行っているような専門分野の本の場所以外にも出向き、色々な本を読んで教養を深めていきたいと思います。

 

 

☆先生からのおすすめ本☆

■『革命前夜
須賀しのぶ
■ 東京 : 文藝春秋 , 2015.3
■ 請求記号 913/SU
■ 配架場所 図書館2F 中山一般

(インタビュアー: フロンティアサイエンス部4生 島村 大地さん

KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『推し本キャッチコピー化計画』

KONAN ライブラリ サーティフィケイト 学生企画
『推し本キャッチコピー化計画』

 

やっぱり本は、帯とキャッチコピーに惹かれる!

 

今、図書館では、あなたの推したい本のキャッチコピーや、帯デザインを募集しています。
あなたの言葉で、誰かがその本を手に取るかもしれません。

上手く思いつかない方は、推したい本の書名と著者名だけでもぜひ、教えてください。こちらでピッタリのキャッチコピーを考えます。

デザインが好きな方は、ぜひ帯を自由に作成してみてください。テンプレートも配布しています。
詳しくはこのページの下にあるファイルをご確認ください。

募集期間は2025年8月31日までです。
皆様のご応募お待ちしております。ご応募はこちらから

手書きで帯を作成される場合は図書館カフェにテンプレートを置いていますのでご利用ください。

 

西宮キャンパス、ポートアイランドキャンパスにも設置していますので、どなたでもお気軽にご参加ください!

 

 

 

 

 

企画者: 文学部4年生 I

2025年度ブックカバ―デザイン発表!

 投票の結果、文学部人間科学科3年次生ペンネーム“りお”さんのデザインが「グランプリ受賞作品」に決定いたしました。
 “りお”さんは図書館が大好きでよく利用しており、前から応募してみたいと思っていたため、今回ご参加くださいました。
 また、『神戸×弘前ねぷた制作・運行プロジェクト』に参加されたり、企業のポスターに採用されたりと学外でも活動されているそうです。
 このブックカバーは2025年5月から、甲南大学図書館にて提供いたします。
 惜しくもグランプリを逃した4作品は、オープンキャンパス時に提供いたします。
 たくさん投票いただきありがとうございました。

印刷用データダウンロードはこちら

 グランプリ作品に投票してくださった方からは、このようなコメントをいただきました。
「シンプルで甲南らしさがある。平生さんがかわいく描かれていて好きです」
「シンプルで使いやすいかつかわいい♡」
「イラストの雰囲気が良く、自然と惹かれた」

↓オープンキャンバスではこちらの4作品も提供します。お楽しみに!!

KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『未知の場所に踏み込む人へ向けたナビゲーションプロジェクト』

行ったことがない場所に行くときは、ちょっとした勇気が必要ですよね。ルートを調べるだけでなく、どんな場所か見ておけるという点でも、地図アプリは便利です。
普段はポートアイランドキャンパスに通っているフロンティアサイエンス学部3年生の島村大地さんが、甲南大学図書館をGoogleMapに搭載してくれました。
「春から甲南」の皆様も、「改めて甲南」の皆様も、ご体験ください。

 新入生になったとき、まずはどこに何があるかを把握しなければならないのは必須である。自分も岡本キャンパスにて授業がある際に、何号館がどこにあるのかが分からず迷ってしまったこともあった。迷いそうなときには、GoogleMapなどの地図アプリケーションを使用するが、これを図書館内でも使えるようにすることによって、はじめて訪れるときでも図書館内部の地形把握ができ、上級生になった際でも、新たな発見につながるのではないかと考えた。
 先ずは、地形の整理から行った。図書館の職員さんと打ち合わせをして、撮影する階や各階のどこまで映すか等を決めていった。特に、撮影枚数は多くとりすぎるとマップ上での操作に影響が出るため、適切な枚数になるようにした。
 次に撮影は、許可を得て、人がいない閉館日に行った。撮影者自身が映り込み過ぎず、適切な高さを維持しながら撮影することに気を付けた。 撮影当日は雨模様だったこともあるが、公園等の屋外での撮影とは違い、光の加減に注意しなければならなかった。
 ぼかしを入れたり撮影者を消すなど、写真を加工し、GoThruというツールで撮影位置情報を確認しながら写真を配置していった。この作業が一番難所であり、位置が変わると 1階 なのに2階の景色が見えたりしてしまう。写真から写真をつなげる際に階層から逸れないように設定を加えたり、そういったことを一つ一つ行うのが少々大変だった。方角についてもGoogle Mapsでは一つ一つ設定しなければいけないため慎重にかつ丁寧に行うのがまた大変だった。
 こうして完成したものを実際にアップロードし、都度ぼかしを入れたり等の修正を行い完成させた。今後は、キャンパスごとに利便性向上のための写真撮影等を行い、それらで培った経験を活かして、社会で各々利用者に向けた情報提供を行いたいと感じた。

フロンティアサイエンス学部 島村大地

湊かなえ著 『告白』

 

 

知能情報学部 4年生 Tさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : 告白
著者 : 湊かなえ著
出版社:双葉文庫
出版年:2010年

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。」中学校内で娘を亡くした教師が、ホームルームでクラスメイトたちに告白するところから物語は幕を開ける。教師は娘を殺した生徒A,Bとした。この二人が協力して娘を殺したことを知った教師は、エイズ感染者である夫の血液を牛乳に混ぜて二人に飲ませることで制裁を下し、教室を去った。教師の告白をきっかけにクラスメイトは二人をいじめるようになっていく。のちに牛乳は教師の夫によりすり替えられ、二人がエイズを発症することはなかったが、教師の復讐はこれで終わりではなかった。

この物語では、登場人物が交代で語りてを担い、それぞれの告白をしていく。教師の校内での事件の真相の告白から始まり、教師が去った後の教室の異様さを語る学級委員長、家庭内で起きた事件の経緯と、弟に制裁を下した教師への怒りについて語るBの姉、Aと共に教師の娘を殺し、その裁きを受け精神が追いつめられる様子や、日常的に母親から理想を押し付けられていたことに対する苦悩について語るB、母親への歪んだ愛を抱き、母親の気を引きたいがために教師の娘を殺害したことを誇らしげに語るA…。別々の視点から事件の一連について語られることで、その真相が浮き彫りになっていく。

端的で分かりやすい説明、展開の速さ、構成の見事さにより、読者のページをめくる手は止まらず、そのスピードは次第に速くなっていくに違いない。登場人物の狂気さには目を背けてしまいたいが、その登場人物ひとりひとりにもしっかりとした行動原理があり、読者の同情を誘う顔もある。人間も少しの思い込みやタイミングの違いで、一歩間違えれば異常と化すことが感じられる。物語の終わり方も衝撃的で、ある意味では救われ、ある意味では救われないといった印象を持った。生まれ育った家庭環境や、教師の下した制裁から生み出される人々の狂気、恐怖を、ぜひ味わっていただきたい。

角田光代著 『八日目の蟬』

 

 

知能情報学部 4年生 Tさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : 八日目の蟬
著者 : 角田光代著
出版社:中公文庫
出版年:2011年

希和子は浮気相手とその妻が出かけた自宅に忍び込んだ。部屋で泣く赤ん坊を抱き上げようとした際に、赤ん坊が希和子に向って笑いかけた。希和子は夫婦の間に生まれた赤ん坊を見るだけのつもりだったが、気づくと赤ん坊を抱えて逃亡していた。希和子は赤ん坊に薫と名付け、友人の家や老女の家、宗教施設のエンジェルハウスなど、生活の場を転々としながら薫を育てる。小豆島での生活を最後に、希和子が誘拐犯として薫と引き離されるところで逃亡劇は幕を閉じる。大人になった薫こと恵理菜は、エンジェルハウスでかつて共に過ごした千草の接近をきっかけに、希和子や自分の親、そして自分自身について、見つめ直すこととなる。

逃亡生活の最中、希和子の目に入る様々な媒体から自分に捜索の手がどこまで伸びてきているのかを知る際の焦燥や、薫の授乳やおむつ替え、発熱からくる子育てをした経験のない希和子にとっての困惑や不安など、その心情描写はあまりにもリアルで、まるで読者も希和子と共に逃亡していると錯覚させられる。そのため、逃亡劇としてのドキドキハラハラとした感覚が読者をまとう。また、エンジェルハウスでは外部からの情報が遮断され、希和子と薫は女性のみの集団生活を強いられるため、そのカルトチックでミステリアスな空気感に、読者も不安にかられるだろう。物語後半では、希和子や実の母を通して、薫が子供に対する愛情について考え、葛藤する姿が描かれる。浮気相手の子供を育てる、それは倫理的には問題があるのかもしれないが、生命の運命として、種の保存として子供を育てるのは本能、むしろ必然ではないのか。生まれてくる子供は、美しい世界をその目で見る、それを果たす義務が自分にはあるのではないか、あなたも考えさせられるだろう。

このように、一つの物語の中で様々な感情に出会い、思考させられるのも、本作の魅力の一つであるかもしれない。ぜひ手にとって、筆者の生命に対する美しさの考え方や、登場人物たちに対するいとおしさを感じてほしい。