5-2.教員インタビュー」カテゴリーアーカイブ

全学共通教育センター 本田 勝裕先生へのインタビュー

文学部4生 Kさんが、全学共通教育センター 本田 勝裕先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

 

Q. 面白い本について

(1番目は)読んでいくうちに早く次読みたいって思うほど本に集中できる本。いい本って、匂いがする、声が聞こえる。読んでいると色々なことが本の中から立体になって現実のように読める本。

 2番目が空想の世界に入っちゃう本。

 

Q. 印象に残っている本について(★…学生におすすめの本)

【大学以前】

C・S ルイス著『ナルニア国物語

マーク・トウェイン著『トム・ソーヤーの冒険

【大学時代】

F・スコット・フィッツジェラルド著『グレート・ギャツビー

★司馬 遼太郎著『竜馬がゆく

 …未知の世界を知ることが面白く、また自由に生きる竜馬に憧れ、何度も読み返した。

★宮本 輝著『青が散る

 …大学を舞台として友情と恋愛が交錯する小説。世代を問わずに楽しめる。

 

Q. 行動と読書について

 僕の思考と行動と、著者の考えや作中の人の行動が一致していると、自分と書物の関係が生まれる。

応援団になってもらえるというか共感できるというか。一人で頑張ってても不安だし、しょうがないし、だから読書によってそういう力をもらっているかな。

 (自身の行動と矛盾する考えの本は)矛盾が面白いねん。(自身と著者の考えの)往復を読書を通じてやっているところはあるかな。

 

Q. 学生におすすめの本について

乱読をしてほしいかな。(海外文学には)日本にないものが書かれてるわけやんか、めっちゃ面白かった。そんな世界あんのって。知らない世界を知れるってのが大事。どこの国のどの作家が面白いかは読んでみないとわからないよね、就活と同じやな。

本を読むと扉が開いていくんよね。そうするとその先に行ってみたいと思う。行ってつまらなかったら、知識の世界と経験が違うっていうのがわかる。失うものがないから、コスパ、タイパを超えた世界がそこから始まることはあるよね。

 

Q. 読書の活かし方について

  • 同じ本を数年後に再度読む

面白いのが、1回目には気づかなかったところに2回目面白いと思うところがある。なぜかっていうと僕が成長し変化してるから、本は変わっていない。

 

  • SNSでの書評公開

読んですぐ書くこと。できれば24時間以内に。稚拙でいいねん。自分が感じたことやもん。

【効果】

(書評が)他の人に読まれることで、共感を生む、反感を生む、そしたら仲間ができたりするっていうのが1点。

もう一つ。表現力が上がってゆく。

 

  • 本の舞台や作家に会いに行く

実際に現場に行ってみたりすると、またそこで人との出会いや景色との出会いがあったりしていくから面白いかなぁ。出かけてみないとわからないよね、それが読書の先にあるものかな。

 

 

【感想】

 面白さと学びのあるお話を聞くことができ、とても充実した2時間でした。本の中の自由な竜馬に憧れたお話や、「挑戦しなければ失敗もない」ことを学んだ本の著者に会いに行かれたお話から、本田先生のエネルギッシュさには、本の影響もあるように思いました。編集者時代のお話も興味深く、面白いことを伝えていく楽しさが、現在のお仕事と共通しているというお話がとくに印象的でした。

 ご紹介いただいた本はすべて、読んでいて立体になる本だそうです。そのような読書体験をしたことがないので、読んでみたいです。

 

(インタビュアー: 文学部4生 Kさん

全学共通教育センター 辻本 桜子先生へのインタビュー

文学部4生 Kさんが、全学共通教育センター 辻本 桜子先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

 

Q. 本を読む頻度について

たくさんは読めませんが、少しずつでも毎日何かを読んでいます。日によりますが、10分~15分、まとまった時間が取れるときは1時間でも2時間でも読みます。

 

Q. 読む本の種類について

仕事関係の日本語の本を70%、ビジネス書を20%、趣味の小説を10%くらいの割合で読みます。

 

Q. 本を読む時間について

仕事の本は家でも大学にいるときにも読みます。

家では、一番のリラックスタイムである夜ご飯を食べた後に、お茶などを飲みながら読みます。

気になる本があった場合は、通勤時間にもちらちら読むという感じです。

 

Q. 印象に残っている本について

【高校時代】

紫式部著『源氏物語

高校の時は古典が好きで、古語でも現代語訳でも読みました。私の中で小説の王道といえば『源氏物語』です。1000年くらい前に昔の言葉で書かれた本ですが、今の日本人が読んでも共感できる本だと思っています。

 

【大学時代】

沢木 耕太郎著『深夜特急

著者の海外でのバックパッカー体験について書かれた本です。この本を読むと、自分も旅行をしているように感じて、現地の人の生活や食べ物を知ることができ、国際的な面で影響を与えられました。

 

鈴木 孝夫著『日本語と外国語

日本語と外国語の違いについて書かれた本で、日本語の面で影響を受けました。虹の色の見え方と表現が日本と英語圏では違うという記述に衝撃を受けました。同じものを見ているのに見方が違うということが面白く、本当の意味で言葉が違うと文化が違うと気づきました。おすすめの本です。

日本語についてより詳しく書かれた、鈴木 孝夫著『ことばと文化』も印象的でした。

 

Q. 日本語と英語それぞれの良さについて

【日本語】

天気のちょっとした違いなどを表すのに色々な言い方があり、語彙が豊かなところがきれいだと思います。

相手を大切に思う気持ちを表す敬語が豊かなところも良いところだと思います。

 

【英語】

短い言葉で端的に表せるところです。日本語は聞き手にも意図を読み取る力が必要ですが、英語にはその心配があまりありません。

 

Q. 学生におすすめの本について

・長編小説

働きだすとまとまった時間が取りにくくなるので、大学生のときに読むのが良いと思います。山崎 豊子著『大地の子』、『沈まぬ太陽』などおすすめです。

一人の人が一生のうちに色々な人生を体験することはできませんが、本からそれを学ぶことやヒントをもらうことはできます。自身の人生や生活に一見関係ない本を読むことは、想像力や感性を磨くことにつながり、人生を豊かにすると思っています。

 

・敬語の本

敬語はとくに授業では習いませんが、社会に出たら使えて当たり前と思われているので、大学生の間に敬語を勉強しておくのがおすすめです。

 

 

【感想】

本が大好きな気持ちが伝わってきて、楽しいインタビューでした。本から受けた感動や衝撃を大切にされている印象を受け、素敵だと思いました。私は時間や心にゆとりがないときには無味乾燥な読書をしがちなので、その状態に気づいた際は、人生を豊かにするための読書という辻本先生の言葉を思い出して、読書体験を大切にしたいと思いました。

 

(インタビュアー: 文学部4生 Kさん

全学共通教育センター 津田 翔太郎先生へのインタビュー

文学部4生 Kさんが、全学共通教育センター 津田 翔太郎先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

 

Q. 読む本の種類について

専門書や小説、漫画を読みます。それぞれ、自身の考え方や研究(社会学や思想)と地続きだと感じています。

 

Q. 就職後に研究の道を選ばれた理由について

経済利益を追求したり、人に合わせながら一般企業で働くよりも、個人個人の心や社会のあり方を追求する方が楽しいかなと思い、人生一回だし、専門的に学びなおしたいと思ったからですね。

決断の決め手となるような本はありませんでしたが、当時は習慣的に社会評論の本を読んでいて、難しい思想に触れたときに、学問を突き詰めたいと思いましたね。それらの本には、自分の思想をゆっくりと形成していく形で影響を受けました。

 

Q. 学生におすすめの本について

・川端 康成著『古都

戦後、日本社会が発展していく中で、失われつつある美しい街並みや人々のつながりを丁寧に表現した小説です。ノスタルジックな気持ちになったときに、自分がどういった対象にどのような思いを馳せているのかを深く考えるにあたり、支えになってくれます。

 

・宮台 真司著『14歳からの社会学』

人間同士の絆など社会学の重要な話題を凝縮し、簡単な言葉で著者の独自の思想を反映しつつ書いているので、読み物として面白く、わかりやすいです。社会学を勉強してみたい方や現代社会の特徴を学びたい方におすすめです。

(初学者向けではないですが、大澤 真幸著『不可能性の時代』も社会学の面白さが詰まっているそうです。)

 

・雨瀬 シオリ著『ここは今から倫理です。』

倫理担当の教員が、倫理の思想を用いて問題を抱える生徒に向き合い、一緒に成長していく内容の漫画です。善悪を簡単に決めるのではなく、一個の物事を色々な角度から考え、色々な見方をする、そういった深みを、教員の思想や生徒の身近な体験から学ぶことができるのでおすすめです。

 

・浅野 いにお著『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』

東京の上空に突如現れた巨大UFOと人々の日常を描いた漫画です。

これまで、世界滅亡の危機を描く作品では、社会の在り方はあまり描かれることはなかったですが、本作は宇宙人の人権を認めるかなど、社会的な文脈が分厚く描かれています。僕らが考えないといけない社会問題を宇宙人という比喩を使って表している点が面白いです。また個人的に、有限性の中に人間の魅力が表れると思っているので、世界が終わるかもしれない状況で、登場人物たちが日常生活にどう意味を見出していくのかという描写には、「自分で上手に人生に意味づけをして頑張っていかないと」と思わされます。

 

 

【感想】

日常のあらゆるものを社会学や思想と結び付けて捉えている津田先生のお話は、作品に触れた時、よかったなど単純で浅い感想しか持てない私にとって、新鮮でした。社会学は、身近なものを題材にでき、そして日常に奥行きをもたらしてくれる学問のように思え、とても興味深かったです。また、本を何度も読み返すことや、読書中にメモをとること、感じたことを知人と共有し言語化することもあると話されていて、これらの行為が深く考えることにつながっているのかなと思い、真似してみたいと思いました。

 

(インタビュアー: 文学部4生 Kさん

経済学部 荻巣 嘉高先生へのインタビュー

経済学部2生 海野 朱音さんが、経済学部 荻巣 嘉高先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

・本を買うときに重視していることは何ですか?

なるべく書店に足を運び、試し読みをして自分に合う本か確認してから買うようにしています。初めて読んだ小説が森見登美彦さんの本だったのですが、『夜は短し歩けよ乙女』や『有頂天家族』以外の本の内容がしっくりこなくて、同じ作家でもすべての作品が自分に合うわけではないと学びました。それ以降、ウェブでは見ることができない本の背表紙や中身を見るようにするなど、本との出会いを大切にしています。

 

・これまでで、1番印象に残っている本は何ですか?

貴志祐介著の『黒い家』でしょうか。読んだのは大学生のときでしたが、ホラー小説は初めてだったにもかかわらず深夜に読んでしまい、不安で眠れなくなりました(ホラー作品は昼間に読むことをお勧めします)。貴志祐介さんの小説を初めて読む人は、『新世界より』 がおすすめです。不思議な世界観の中で、心をざわつかせるような展開を楽しむことができるので、ぜひ一度読んでみてください。

 

・学生におすすめしたい本はありますか?

数学ガールの秘密ノート』シリーズです。わかりにくいと思われる概念を非常にわかりやすく解説しているので、衝撃的でした。今でも、数学が苦手な人にどうしたら上手く伝えられるかを考える時に参考にしています。中学生でも読める本なので、数学と仲良くなれない人は一度手に取ってみると良いかも?

 

・最近は電子書籍が普及していますが、あえて紙の本で読むことのメリットは何だと思われますか?

私は断然、紙の本のほうが好きです。紙の本のメリットを強いて言うなら、自分の知識・経験の後ろ盾となってくれることだと思います。本は同じページばかり触れているとしわくちゃになりますよね?何年も読み込んでいくと、経年劣化で風格が出てきます。自分が読んだ跡を目の当たりにすることができて、自分の糧になっていると実感できるのでお勧めです。

 

・学生に向けて一言!

本を読むのは大変疲れますが、間違いなく本は人生を豊かにしてくれます。少しずつでもよいから本を手に取ってみましょう!

 

 

(感想)

本の良さを改めて感じたインタビューでした。特に、荻巣先生が「本は自分の知識・経験の後ろ盾となってくれる」という言葉は、電子書籍ばかり読んでいる私にとっては非常に新鮮でした。今後不安になることがあったら、自分の本棚を改めて眺めて、自分にとっての心強い後ろ盾を確認しようと思いました。

(インタビュアー: 経済学部2生 海野 朱音さん

全学共通教育センター 高砂 孝緒先生へのインタビュー

マネジメント創造学部3生 船越 章さんが、全学共通教育センター 高砂 孝緒先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

1 本を読むことは好きですか。
→本を読む目的や時間、場所(通勤の電車時間/一人でいる時間など)

本を読むことは好きです。最近は読む時間をあまり取れていませんが、通勤の電車時間や、たまに家でも本を読みます。基本的に新書を読むことが多いです。

 

2 書店や図書館はよく利用されますか。

書店や図書館に行くことは以前より減少しましたが、書店に行った際は、新書のコーナーを3周ほど見て回ります。書店は、実際に足を運んで自分の目で見ることで、新しい本に出会うことができるという面白さがあると思います。

 

3 好きな本やお気に入りの本があれば教えてください。
→学生時代読んでいた本/学生におすすめしたい本/最近読んだ本など

ちゃんと本に触れるようになったのは高校生の時でした。恩田陸さんの『夜のピクニック』、森絵都さんの『カラフル』、星新一さんの超短編小説『ショートショート』など、ジャンルを問わず、友人に薦められた本を読んでいました。また中学2,3年生の時、親戚に薦められた本が村上春樹さんの『海辺のカフカ』です。概念的というか何というか、当時中学生だった私にはあまり理解できませんでした。そのため、十年後の25歳の時、もう一度読んでみましたが、やはり分かりませんでした。次はさらに十年経った35歳の時に三回目の挑戦をするつもりです。

おすすめの本はありません!本は自分で見つけるものです。自分で発掘した方が楽しいですから。

 

4 研究内容に関する本でおすすめの本・よく参考にする本はありますか。

私の研究分野は「組織の経済学」で、基本的には論文や学術書を読むことが多いです。経済学について理解したいという方にはひたすら読むエコノミクス(伊藤秀史、2012)がおすすめです。分かりやすく、誰でも読める内容にまとめられています。

 

5 読書や本の魅力を教えてください。また、本を読むことは大切だと思いますか。

私は読書をすることは大切だと考えていて、本の世界観に没頭する、誰にも邪魔をされない時間は魅力的だと思います。文字を読み取り、情景を頭でイメージしながら読み進めるというプロセスは、読者という客観的立場でありながら、物語の世界にいるような気持ちになれますし、一人の時間を楽しめます。

 

【感想】
最近は読書をあまりしていないと話されていましたが、インタビューでは先生の本に対する考え方や思いなどが伝わりました。特に、「おすすめの本はなく、自分で見つけた方が楽しい」というお話が印象に残っています。人それぞれ好みや感想は異なるため、人が考えるおすすめの本ではなく、自分にとって面白いと感じた本こそが自身のお気に入りの本であるということは、とても納得し共感しました。
毎年、新刊として出版される書籍数は約7万冊(総務省統計局「書籍新刊点数と平均価格」より)あるそうですが、そんな中から自分の好きな1冊を見つけられることはとても素敵なことで、楽しいことだと感じました。

 

(インタビュアー: マネジメント創造学部3生 船越 章さん

経済学部 石川 路子先生へのインタビュー

経済学部2生 海野 朱音さんが、経済学部 石川 路子先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

・本はどれぐらいの頻度で読まれますか?

毎日仕事を含め、何らかの形で本は読んでいます(会議等で時間が取れない場合は難しいですが)。昔は、通勤時間が長かったので、電車の中でよく読んでいました。最近は、講義前や昼食時間など落ち着きたい時に読んでいます。

 

・本を選ぶときに意識していることはありますか?

仕事の場合は、自分の視野を広げてもらえるものを選ぶことでしょうか。例えば、「貧困」に関係する本を探そうと思ったときに、普通は自分が学んでいる分野のコーナー(経済学部なら経済関連のコーナー)から探しますよね。ですが、「貧困」は年齢、経済学ではなく社会学など様々な視点から見ることができます。このように、「貧困」という最短ワードから自分が知らなかった視点を得られる本を選ぶよう意識しています。

娯楽の場合は、好きな作家さんの小説を中心に選ぶことが多いですが、周りの人からおすすめされた本を買うこともあります。自分の中の本の知識は限られているので、視野を広げるという点でも周りの人からの情報は大切にしています。

 

・学生におすすめしたい本はありますか?

個人的に好きな作家さんが伊坂幸太郎さんです。
「伏線回収」が絶妙なので、学生さんにもぜひお勧めしたいです。一番衝撃を受けた本は『ラッシュライフ』という長編小説ですが、初めて伊坂幸太郎の本を読む人には『死神の精度』という短編小説をおすすめします。短編小説だと思って読んでいると、最後にどんでん返しがあり、何度も読み返したくなる本です。私が初めてこの本を読んだときは、自分の想像力がどんどん掻き立てられ、自分に合う本に出会えたと感じました。

 

・学生に向けて一言!

自分の想像力を身につけるのに、本は最も適したツールだと思っています。文章を読み解くことが苦手という人も多いですが、本はアニメや映画と違い、自分でキャラクターや風景を想像します。この「想像」という本好きのキーワードを大切にしながら、自分の視野を広げるためにも、ぜひいろいろな本にチャレンジしてほしいと思います。

 

 

(感想)

私の本選びに対する意識が変わるインタビューでした。特に、石川先生が「自分の視野を広げてもらえる」ものを選んでいるとおっしゃった時、私にはない考えで驚くと同時に、改めて考えると確かにそうだとすんなり受け入れられました。そして、今後用途を問わず本を選ぶときには、この考えや視点を意識してみたいと感じました。

 

(インタビュアー: 経済学部2生 海野 朱音さん