5-2.教員インタビュー」カテゴリーアーカイブ

経済学部 石川 路子先生へのインタビュー

経済学部2生 海野 朱音さんが、経済学部 石川 路子先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

・本はどれぐらいの頻度で読まれますか?

毎日仕事を含め、何らかの形で本は読んでいます(会議等で時間が取れない場合は難しいですが)。昔は、通勤時間が長かったので、電車の中でよく読んでいました。最近は、講義前や昼食時間など落ち着きたい時に読んでいます。

 

・本を選ぶときに意識していることはありますか?

仕事の場合は、自分の視野を広げてもらえるものを選ぶことでしょうか。例えば、「貧困」に関係する本を探そうと思ったときに、普通は自分が学んでいる分野のコーナー(経済学部なら経済関連のコーナー)から探しますよね。ですが、「貧困」は年齢、経済学ではなく社会学など様々な視点から見ることができます。このように、「貧困」という最短ワードから自分が知らなかった視点を得られる本を選ぶよう意識しています。

娯楽の場合は、好きな作家さんの小説を中心に選ぶことが多いですが、周りの人からおすすめされた本を買うこともあります。自分の中の本の知識は限られているので、視野を広げるという点でも周りの人からの情報は大切にしています。

 

・学生におすすめしたい本はありますか?

個人的に好きな作家さんが伊坂幸太郎さんです。
「伏線回収」が絶妙なので、学生さんにもぜひお勧めしたいです。一番衝撃を受けた本は『ラッシュライフ』という長編小説ですが、初めて伊坂幸太郎の本を読む人には『死神の精度』という短編小説をおすすめします。短編小説だと思って読んでいると、最後にどんでん返しがあり、何度も読み返したくなる本です。私が初めてこの本を読んだときは、自分の想像力がどんどん掻き立てられ、自分に合う本に出会えたと感じました。

 

・学生に向けて一言!

自分の想像力を身につけるのに、本は最も適したツールだと思っています。文章を読み解くことが苦手という人も多いですが、本はアニメや映画と違い、自分でキャラクターや風景を想像します。この「想像」という本好きのキーワードを大切にしながら、自分の視野を広げるためにも、ぜひいろいろな本にチャレンジしてほしいと思います。

 

 

(感想)

私の本選びに対する意識が変わるインタビューでした。特に、石川先生が「自分の視野を広げてもらえる」ものを選んでいるとおっしゃった時、私にはない考えで驚くと同時に、改めて考えると確かにそうだとすんなり受け入れられました。そして、今後用途を問わず本を選ぶときには、この考えや視点を意識してみたいと感じました。

 

(インタビュアー: 経済学部2生 海野 朱音さん

経済学部 宮本 舞先生へのインタビュー

経済学部2生 海野 朱音さんが、経済学部 宮本 舞先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

・読書はどれぐらいの頻度で読まれますか?

仕事や研究の調べ物を入れたら毎日本は読んでいますが、趣味の読書は子供が生まれてからのここ1年ほぼできていません。(絵本は毎日読んでいますが・・・)


・どのジャンルの本をよく読まれますか?

仕事や研究では経済や環境問題に関する本、趣味の読書ではミステリーが好きです。ミステリーは元々好きで、子供の頃は、はやみねかおるの「名探偵夢水清志郎」をよく読んでいました。


・読書をするのにおすすめの場所はありますか?

大学生の頃は行き帰りの電車の中でよく読書していました。(たまに降りる駅を通過してしまって焦ることも・・・)電車の中以外だと家やショッピングモールといった少し騒々しい場所で読んでいました。図書館のような静かすぎる場所は落ち着かないので、コーヒーをお供にいわゆる日常の中に溶け込んで読むことが好きです。


・学生におすすめしたい本はありますか?

森博嗣の四季シリーズが好きです。森先生の作品は四季シリーズ以外にも大学が舞台になっているものが多く、共感できる部分も多いかと思います。また、昔に比べてAIが日常に浸透してきたからこそ、自分で考えることがより大切になってきています。森先生が書かれる本は研究に関連する内容が多くでてくるので、作品を読むことで普段と違う思考を促されることが期待できます。
私は一冊、シリーズものだと一作目を読んで面白いと感じる本があれば、著者買いをしてしまいます。好きな作家を見つけて、その作家の本を次々と読んでいくと、「好き」がどんどん広がっていく感じがしてワクワクするのでおすすめです。


・学生に向けて一言!

自身も大学生のときに周りの大人から「働くと時間がなくなる」と言われて、「ほんと?多少はあるでしょ!」と思っていましたが、働くと本当に自由に使える時間が少なくなります。
ぜひ、自由な時間が比較的多い学生の間に皆さんの「好き」を広げてください。


(感想)

今回初めてのインタビューで少し緊張していたのですが、宮本先生がフレンドリーに話しかけてくださったので緊張もほぐれ、時間があっという間に感じました。インタビューの中では「自分で考えることが大切になってくる」という言葉は特に印象に残っていて、AIではなく人間だからこそできることが今後重要になっていくことを改めて感じました。


(インタビュアー: 経済学部2生 海野 朱音さん

マネジメント創造学部 前田 正子先生へのインタビュー

マネジメント創造学部4生 塩谷 瑠緋さんが、マネジメント創造学部 前田 正子先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

 

行動経済学の処方箋 : 働き方から日常生活の悩みまで
■  大竹文雄著, 東京 : 中央公論新社 , 2022.11

■ 請求記号 S081.6/2724/29
■ 配架場所  CUBEメディアセンター 教員コーナー・図書館1階 開架小型

 

 

Q.この本を勧めてくださった理由を教えてください。

この本は行動経済学について誰でもわかりやすいよう丁寧に書いてくれています。本来行動経済学というのは難しいものではなく、とても単純なことなのですが、学生の多くは行動経済学と聞くと難しいイメージを持ちがちです。しかし行動経済学は私たちの身の回りにも常に存在しています。ですから、この本を読むことによって経済学や行動経済学に対する苦手意識を払拭し、普段の講義や研究プロジェクトに役立てていただきたいと思い、勧めました。

 

Q.この本の面白いポイントは何でしょうか?

この本の一番面白いところは、行動経済学が扱う範囲が広がっているということを知ることができる点だと思います。今まで人間は合理的な行動をとる存在だとして行動経済学内にて定義づけられてきましたが、そうではないことが近年わかってきました。そして行動経済学の対象が人だけではなく、「人々がごみを捨てるにはどうすればいいか」など、日常の行動での問題も対象になってきました。

この本を読めば、どのようにすれば人間の行動や考え方が変わるのかというのを考えながら、行動経済学の扱う範囲が広がってきていることも感じることができると思います。

また、この本の著者である大竹先生は、緊急事態宣言時に政府のコロナ政策をどのようにして動かしていけばよいかを決める権限を持っていたんです。どうしてコロナの時に○○なことが起こったのか、なぜ大勢の人が○○な行動をとったのかということを調べていたそうです。つい一昨年に起こったことの裏側がわかるので、そこも面白いポイントですね。今後いろいろな仕事をしていくにおいて、すごく役に立つと思うから是非参考にしてみてください。

 

Q.最後に学生に向けて一言!

経済学とはなにか、行動経済学とは何かということを、誰でも簡単に学びながら読める本なので、ぜひ読んでみてください!

 

インタビュー後の感想

私は今まで経済学に対してあまり良いイメージを持っていませんでしたが、この教員インタビューを通して、経済学というのが身近に存在していて、正確な知識を身につけることによって社会に存在している様々な問題の解決につなげることができるということを学びました。実際に今回前田先生に紹介していただいた本を読んでみようと考えています。

 

(インタビュアー: マネジメント創造学部4生 塩谷 瑠緋さん

司書教諭課程 廣田 千鶴子先生へのインタビュー

文学部3生 伊場田 扶弥さんが、司書教諭課程 廣田 千鶴子先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

①読書の頻度はどのくらいですか?

趣味としての読書は、毎日の隙間時間によく読みます。また、一人で出かけた時の電車を待つ時間や移動時間、お店で注文を待つ時間というような隙間時間も読書の時間です。

 

②図書館や書店にはよく行かれますか?

よく行きます。最近、私の通勤経路に大阪市立の公共図書館が移転したので、よく覘いています。あとは、大阪市立中央図書館が地下鉄の駅上にあって、すごく利用しやすいです。図書館という静謐な「場」の雰囲気が好きですね。町の小さな本屋さんも行きますが、図書館の方を利用することが多いです。

 

③面白そうな本の見つけ方、手に取る決め手を教えてください。

やはり人が薦める本には価値があるのかなと思います。新聞の書評や好きな作家さんの書評を読んで、それを購入したり借りたりして読むようにしています。あとは読書好きな人からの口コミですね。「あなたは、こういう系統が好きだからこれが良いよ。」と薦めてもらう本を読むことも多いです。

 

④本の魅力とは何ですか?

ドキドキやワクワクといった豊かな時間を与えてくれることです。人間が一生の間に経験できることは限られています。でも、1冊の本を通して多種多様な世界を見て、数えきれないくらい沢山のことを経験し、考えさせてくれます。そういう豊かな時間が、私にとっての読書であり本の魅力かなと思います。

 

⑤先生のお気に入りの本を教えてください。

私は現実と異世界を行ったり来たりするようなファンタジー系が好きです。小野不由美さんの『十二国記』、上橋菜穂子さんの『鹿の王』や『守り人』シリーズなど、壮大なスケールのファンタジーがお気に入りです。

 

⑥学生におすすめしたい本はありますか?

山崎豊子さんの戦争三部作『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』をお薦めしようと思います。戦争によってもたらされた人々の苦悩や葛藤など、ぜひ読んで考える時間をもたれてはいかがでしょう。重みのある内容ですが、その重みと向き合うことはとても有意義なことだと思います。さらに自分の読んだ本について人と語り合う時間を持って、思考力や言語力により磨きをかけて欲しいです。互いの思いを否定せず考えを認め合うことが、自分の幅を広げてくれます。それが大学生の多様で多面的な読書の楽しみ方なのかなと思います。

 

【感想】

インタビューを通して、廣田先生の本の選び方が印象に残りました。私は口コミや書店で偶然見つけたものを読むことが多いので、書評を読んで選ぶということが新鮮に感じました。今後の本を選ぶ上での選択肢に入れようと思います。また、戦争ものの本は少し手が出しづらかったのですが、先生のお話を聞いて読もうと思いました。インタビューの中で、重い作品と向き合い考えることも大切だということに気付きました。貴重なお時間を頂き、有意義な時間を過ごすことが出来ました。廣田先生ありがとうございました。

 

(インタビュアー: 文学部3生 伊場田 扶弥さん

全学共通教育センター N先生へのインタビュー

文学部4生 Sさんが、全学共通教育センター N先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

Q. 普段、本は読まれますか 

A. 昔より全体的に量は少なくなりましたが、今は社会問題に関する本を中心に読んでいます。食の問題に興味があり、最近では『戦争と農業』(2017, 藤原辰史, 集英社インターナショナル)を読みました。もともとは、『フォークス・オーバー・ナイブズ』(2012年DVD日本発売)というドキュメンタリー映画を観たことがきっかけで、『葬られた「第二のマクガバン報告」』(2009, コリン・キャンベル他, グスコー出版)を読みました。本学の図書館にあります。また、グリホサート(日本での商品名「ラウンドアップ」)と呼ばれる除草剤を知っていますか。発がん性があるということで、日本以外では大きな問題になっています。お墓参りの際、雑草の茂みに使いたくなりますが、除草剤は、土から川へ流れていくため、環境汚染や食物連鎖があり、怖くて買えません。

 

 Q. フランス語を担当されている先生ですが、フランス文学でおすすめの本はありますか。

A. 『星の王子さま』(2017, サン=テグジュペリ, 内藤 濯訳, 岩波文庫)は、気になる章だけでもいいので読んでほしいです。昔、読んだことがあったのですが、一昨年、改めて授業の際に学生たちとフランス語で熟読し、新たな発見がありました。第21章で、狐がなぜ鶏のことを気にしているのか不思議だったのですが、実は食べるためだとわかりました。有名な訳にも誤訳がありますね。

 

Q好きなジャンルはありますか。

A. 推理小説が好きです。特に、謎解きの怖いものが好きです。そのおかげか、推理ものの映画を見た際、最初の10分ほどで、この人がおかしいんじゃないか、と犯人が分かることもあります。フランス語の推理小説としては、ルパンやメグレが有名ですが、『マーチ博士の4人の息子』(1997, ブリジット・オベール, 堀茂樹・藤本優子訳, 早川書房)は忘れられません。

 

Q. 本の魅力は何だと思われますか

A. 動画などに比べ、的を射た大事なことが結構書かれているということですかね。ものにもよりますが、動画だと誰が作っているか分からないし、再生回数を意識したものも見られます。それに比べて、本は作者の自分の言いたいことが素直に書かれていると思います。

 

 Q. 学生におすすめしたい本はありますか。

A. 若いときに読んでよかった本が2冊あります。『シッダールタ』と『転落』です。『シッダールタ』(1959, ヘルマン・ヘッセ, 高橋健二訳, 新潮文庫)は、親のありがたみがよく分かる本です。『転落』(カミュ, 大久保敏彦訳, 新潮文庫)は、いざ人を助けようと思った時、助けられるか考えさせられる話です。この2冊は短い小説なので気軽に是非読んでもらいたいです。

 

 感想:大学1年生からお世話になっている先生で、今回本に関してじっくりお話を聞けてよかったです。普段、日常で食べているものや、ものの見方など改めて1度立ち止まって考える機会となりました。

 

(インタビュアー: 文学部4生 Sさん

全学共通教育センター 武田 佳久先生へのインタビュー

経済学部1生 Tさんが、全学共通教育センター 武田 佳久先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

 

① 図書館や書店にはよく行きますか?
 茶屋町にあるMARUZEN&ジュンク堂によく行く。また、また同じ建物のナガサワ文具店があり、立ち寄って文房具を見たりする。また、その書店は天井が高く開放感がある。あまり狭い空間だと威圧感があって好きではない。また、欲しい本はネットでも買えるのだが、書店を訪れる理由は、本の数が多いからだけでなく、その書店がこの本を紹介したいという感じがいいので訪れている。


② 本を買うときの決め手はありますか?
 字の大きさやページの余白、字体などで本を決めることもある。また、著者などは関係なくデザインと余白で選ぶこともある。本は人間のようで「これなんかきれい」と思ったり、カバーも含めてかっこいいなと思ったら買う。また、人から紹介したものを買ったりもしている。


③ 大学生におすすめしたい本はありますか?
 甲南大学の学生なら「本を読む人だけが手にするもの」という本が特に初心者におすすめで、読書数が0から1にするときに読む本としてもってこいの本です。しかし、おすすめの本はその人によって異なるので、まずは3分ぐらいお話を伺ってから考えたい。


④ 本を読む重要性を教えてください。
 社会人になった時にちゃんとした文章を書けるかでその人が問われることもある。メールも同じ理由で文章によって評価される。文章を書くにはインプットすることが重要だと考える。知らない言葉では文章は書けない。そのために本を読むことでインプットする必要がある。また、文章を書くのはAIでもできる時代になるので、より創造的な文章を書くのが人の役割になる。できるだけ若いうちに本を読んでおくと、将来の自分の武器になる。


【感想】

 私は今回が初めてのインタビューで、最初はすごく緊張しました。しかし、実際にインタビューがはじまってみると先生が「ラフな感じでいい?」と優しく聞いてくれたので、緊張がほぐれてインタビューを行うことが出来ました。先生の話はすべて面白く、特に面白いと思ったのは先生が昔会社で働いていた時に就職読書部と呼ばれるブログを書いていた話です。そのブログの内容は社長や人事部長など面接や就職にかかわる人で、特に年上の人達に本を紹介してもらうというもので、先生はこの話をすごく楽しそうにお話になっていました。また、その活動が奈良の書店から紹介された本のコナーづくりの依頼が来たときは、すごくうれしかったと語っていたのが、自分の中で一番印象深かったです。

 

(インタビュアー: 経済学部1生 Tさん