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KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『みんなで育てる言葉の木』展示編

KONAN ライブラリ サーティフィケイト 学生企画
『みんなで育てる言葉の木』展示編

展示期間 :2025年 1月14日(火)~ 2025年5月頃まで
展示場所:図書館1階ゲート前

 

 

 

2024年9月から募集していた「本を読んでいて心に残った言葉」が、こんなに大きな木になりました!
なんと、およそ100通ものご応募がありました。たくさんご応募いただき誠にありがとうございました。この場をお借りし、お礼申し上げます。

 

小説や学芸書、洋書などたくさんの本から、たくさんの言葉が寄せられました。

どれも素晴らしい言葉ばかりなので、きっとみなさんの新しい本との出会いのきっかけになります。そしてその本の言葉が、みなさんの心の支えになることを願っています。

 

展示は5月頃まで展示予定です。ぜひどんな言葉があるのかご覧ください!
本の展示も行っていますので、借りていただくこともできます。

 

もちろんしおりもまだまだ配布しています✨

 

 

企画者: 文学部4年生  K

令和7年 年頭所感(図書館長 杉本喜美子先生(マネジメント創造学部教授))

 在校生のみなさん、2025年、新しいスタートを切られているでしょうか。

 私は今学期、西宮キャンパスで開発経済学を教えています。どうすれば経済は成長するのか、どうすれば発展途上国で生活する貧しい方々の生活を豊かにできるのか。こうしたことを、既存研究から得た理論を学び、実際のデータを確認することで、理解していこうとしています。日本を筆頭に、先進国にも貧しかった時代はあり、ここまで成長できたのだから、政府が実施した政策と、人や企業が行ったことのなかに、成長を促す要因があったはず。この講義は、経済成長という側面から、歴史を形作る要因を探る旅をしているようなものかもしれません。

 そこで、私がおすすめしたい本を紹介します。

歴史は実験できるのか:自然実験が解き明かす人類史
初版年月日:2018/06/15 ISBN:978-4-7664-2519-2

 ここでいう自然実験とは、社会制度や歴史的に偶然起こった出来事をあたかも原因であるかのようにとらえ、その後の社会をどう変えたのか、データを用いて因果関係を明らかにすることです。フランス革命軍とナポレオンがドイツに侵攻したことは、その後のドイツの都市化と経済にどう影響を与えたのか?イギリスが植民地インドの統治時代に採用した制度は、現在に至るインドのインフラや教育水準を上げたのか?この本では、各章の著者が上述のような異なるテーマで自然実験の手法を用いており、読み応えのあるものです。

 さらに驚くべきは、先ほどのフランス革命のテーマが2024年ノーベル経済学賞を受賞した3名の教授(Daron Acemoglu & Simon Johnson* (Massachusetts Institute of Technology) James A. Robinson (University of Chicago))による執筆であり、インドのテーマが2019年ノーベル経済学賞を受賞した3名の教授のうちのひとり(Abhijit Banerjee (Massachusetts Institute of Technology))であることです。授賞理由は、国家の繁栄に影響を与える制度の役割(2024年)やフィールド実験を用いた途上国における貧困解消に向けた効果的な政策(2019年)を検証したことにあります。いずれも開発経済学の主要テーマであり、「人々の選択こそが世の中を変える」ことを示しています。

 フランス革命という偶然によって既存の制度が崩壊し、侵攻先のドイツにもこの波が押し寄せてきている状況は、外圧に悩む現在の多くの国にも起こりうることを示唆しています。さらに、こうした制度変更を柔軟に受け止め対応した地域こそが、同時期に来ていた産業革命の波をもうまく乗りこなし競争力を高めうるとの視点は、国の選択が長期的な我々の暮らしの行方を決めうるのだと教えてくれます。歴史から学ぶことは、歴史学者だけの仕事ではないのだと、経済学を専攻する私にも多くの刺激を与えてくれました。

 本書「プロローグ」最後の段落には、こうした最高峰の経済学者が、編者から依頼された修正にも常に協力的だったこと、自然実験にもろ手をあげて賛成ではないはずの伝統的歴史学者にも目を通してもらったことが綴られています。圧倒的な知性と驚きのアイデアをもつ先生方が、謙虚さをもって、専攻する学問分野が違う研究者に真摯な姿勢で向き合っているとは!本書の意図とは全く関係ありませんが、私の一番の感激どころ、だったのでした。

 世の中が混沌としていても、打開できるのは我々の意志と選択。よりよい選択をするために、みなさん、図書館で様々な本に触れ、いい出会いをしてください。

*ご興味があればDaron Acemoglu & Simon Johnsonの近著は、前回の藤棚ONLINE(https://www.konan-u.ac.jp/lib/blog/archives/6560)でご確認ください。

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 KONAN-PLANETに昨年末掲載された記事を読まれましたか?

「甲南大学の読書王に聞く!今年読んだおすすめの本 ベスト3(2024)」

 マネジメント創造学部にはプロジェクト科目という実践的な学びが得られる授業があり、グループワークやプレゼンテーションを積極的に行っています。今学期私が担当する「開発経済‐アフリカ各国の経済成長−」プロジェクトに参加し、頑張っている学生さんの推薦本、『偶然屋』(七尾与史著)を読んでみました。

 「偶然は偶然のまま、自然のままに日常を楽しむ余裕をもちたい」という意見は、ほかの学生さんの意見をしっかりと(穏やかに)聞いて、建設的な意見を追加できないか考えている、真摯な人柄から出る言葉だなと思いました。みなさんも、ご家族、お友達、先生、自分の気になる方が、何を読み、どう感じたのかを聞いて、思いもしなかった新たな本と出会ってみませんか?

 今年も、心に残る本との出会いがありますように。

エントランス展示「知って備える大震災」

 1995年1月17日(火)午前5時46分。未曾有の被害をもたらした「阪神・淡路大震災」の発生時刻です。震源地は淡路島北部、深さ約16kmの直下型地震で、日本において近代で初めて大都市を襲った地震とも言われています。
 2025年の今年、その阪神・淡路大震災から30年が経過したことになります。甲南大学生の皆さんは震災後に生まれ、聞いたことはある、という程度で実感として震災を意識される方は少ないでしょう。南海トラフへの警戒も叫ばれるなか、地震を過度に恐れるのではなく、できるだけ正確な情報を知り、備えることが大事になります。

 30年という節目を迎えるにあたり、図書館エントランスの展示を「知って備える大震災」と題して更新しました。阪神・淡路大震災のことだけではなく、他の大震災との比較、地震というもののメカニズムについて展示しています。
 地震への理解を深め、将来の被災に備えるための端緒としていただければと思います。図書館にお寄りの際は、 ぜひ エントランス展示もご覧ください。

 また、甲南学園が所蔵している大震災の記録をデジタル化のうえ甲南大学デジタルアーカイブに掲載、あわせて震災30年記念サイト「学園が震えた日」の公開を開始しました。本学園の被災状況も凄まじいもので、復興にあたっては長い年月と多くの人々の尽力、そして多岐にわたる支援を必要としました。
 過去の記録を確認し、未来に備える。石碑に刻まれた「常ニ備ヘヨ」の言葉を、あらためて見つめてください。

100冊多読チャレンジ 達成者インタビュー

2024年11月27日に『多読チャレンジ』100冊を達成されました!

伊場田 扶弥(いばた ふみ)さん 文学部 歴史文化学科 3年次生

 年内に100冊という目標を達成されました!色々な工夫をしながら多読を楽しんでおられ、スタッフ一同、嬉しい限りです!次の目標に向けて、このままの調子で、気負わず楽しく続けていってほしいと思います。

 以下は、ご本人のアンケートによるものです。


Q.『多読チャレンジ』達成のために意識していたことはありますか。

A.無理をしないこと。難しいと感じたらすぐに本を変える、またはレベルを落とすこと。

Q.『多読チャレンジ』を続けていて実感した効果はありますか?

A.英語の授業を受けていなくても英語を身近に感じ、怖くなくなった。楽しみながら英語を読むことが出来るようになった。

Q.これまで読んだ中で、新たにお気に入りの本がありましたら教えてください。

A.レベル3の洋販ラダーシリーズが読みやすかったです。特に「Emma and the Boy Next Door」や「Andersen’s Fairy Tales」がお気に入りです。
 あらすじが日本語なのでそれを読んでから本の中身に入ると理解しやすいし、使用した単語の意味一覧もあるので、気になればサッと確かめることもできます。

Q.現在、チャレンジ中の「多読チャレンジャー」に向けてアドバイスがありましたらお願いします。

A.知らない話だと読み進めにくいかもしれません。ももたろうなどの昔話や、知っている話の英語版を読んでみるとスルスル読めて良いかもしれないです。

Q.『多読チャレンジ』についての感想やご要望など、ご自由にお書きください。

A.ひとまず年内に100冊読めたので満足です。卒業までに200冊完走したいと思っています。
 レベル4以上にもいつか手を出したいです。頑張ります。


 甲南大学図書館では、多読チャレンジャーを随時募集中です。
 英語多読学習に興味のある方は図書館1階カウンターでエントリーしてみてください!
 25冊以上達成すればKONANライブラリサーティフィケイトの2級以上の要件にも適用されます!

☆2024年度から、継続しやすい新ルールになりました!
 いつからでも参加できますので、ぜひチャレンジしてみてください!

KONANプレミア・プロジェクト「文学、あります」第2回「怖いものは美しい——藤野可織さん公開インタビュー」を開催

KONANプレミア・プロジェクト「文学、あります」第2回「怖いものは美しい——藤野可織さん公開インタビュー」を開催

 2024年11月22日(金)に作家の藤野可織さんをお招きして、「怖いものは美しい——藤野可織さん公開インタビュー」を開催しました。本イベントは、甲南大学の教員と甲南中学・高校の教員有志からなるチーム「文学、あります」と甲南大学図書館職員スタッフの教職協働によるKONANプレミア・プロジェクトの一環で、文学の場で活躍している方を毎年お招きしてイベントを開催し、大学や学問の中に囲い込まれがちな「文学」を、学生や一般の方たちに開き、共有していこうという文化貢献を目的としています。

 第2回となる今回登壇いただいた藤野可織さんは、2006年にデビュー作「いやしい鳥」で第103回文學界新人賞、2013年「爪と目」で第149回芥川賞、2014年『おはなしして子ちゃん』で第2回フラウ文芸大賞を受賞されています。2023年7月には『爪と目』の英訳版Nails and Eyesも出版されました。

左:岩井学教授 右:藤野可織さん

 今年のイベントには本学の学部生、大学院生、さらに藤野作品のファンや文学好きの一般の方、高校生など、多くの方にご参加いただきました。イベントの第1部では、本学文学部教授・岩井学をコーディネーターとし、参加者からの質問に藤野さんに答えていただきました。京都での生い立ちに関する質問に始まり、「爪と目」や『ピエタとトランジ』など個々の作品についての質問、また創作方法に関するものなど、質問は多岐にわたりました。参加者たちからの熱心な質問一つ一つに、藤野さんが丁寧に答えてくださいました。さらに「爪と目」の結末部や来年刊行予定の作品の一部などを藤野さんが朗読してくださいました。

 第2部はサイン会ということで、参加者のほとんどの方が列に並び、藤野さんと言葉を交わし、イラスト付きのサインをいただいていました。

 イベント後のアンケートでは、「まさかお会いできると思っていなかったので嬉しかった」、「朗読していただけるとは思っておらず、感動しました。素晴らしい時間でした」、「藤野可織さんの魅力と“クセ”が分かって作品理解が深まりそうです」、また「怖い人かと思っていたらそんなことなかった」といったものまであり、予定の時間を超えて、皆が藤野ワールドを堪能しました。今回のイベントを通し、読者それぞれにお気に入りの作品があり、また同じ作品でも読者によって様々な解釈やアプローチがあることが分かり、藤野作品の奥深さを改めて知ることができました。

 「文学、あります」チームでは、読むべき作品をこの世に送り出している作家の方々を今後もお招きし、イベントを開催していく予定です。来年以降も乞う御期待ください。(今回のイベントの第1部は2025年3月末までYoutubeで配信されています[動画はこちら]。)

(文: 文学部英語英米文学科教授 岩井ガク)

KONANライブラリ サーティフィケイト学生企画『みんなで育てる言葉の木』

KONAN ライブラリ サーティフィケイト 学生企画
『みんなで育てる言葉の木』

展示期間 :2024年 9月20日(火)~ 2025年5月頃まで

 

 

現在、図書館ではみなさんが本を読んで心に残った言葉を募集しています。

心に残っている言葉が、だれかの新しい本との出会いを繋げてくれるかもしれません。

言葉の募集期間は2025年1月10日(金)までです。

みなさまからのご応募お待ちしています!ご応募はこちらから

 

また、図書館の返却日が押してあるしおりが変わっているのはご存知でしょうか?
集まった言葉はしおりにして配布しています。
すでにたくさんの言葉が集まっていますので、貸出をするたびに色んな言葉のしおりが巡ってくると思います。今日はどんな言葉が書いてあるのか、本の貸出も楽しみになりますね!

 

 

 

 

さらに、タイトルのとおり、みなさんから寄せられた言葉で大きな言葉の木を作ります。
みなさんからの言葉がたくさんになればなるほど大きな木になります。

展示は2025年1月頃を予定しています。どんな木になるのか、今から楽しみにしていてください!

 

 

 

企画者: 文学部4年生  K