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マネジメント創造学部 寺内 衛 先生へのインタビュー

マネジメント創造学部  4年生 Iさんが、マネジメント創造学部 寺内 衛 先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.  先生が思う「本を読む」こととは何ですか。

A.  本を読む目的はさまざまだと思いますが、その際に誰しもが必ず行なっていることは「著者が“文章”を使って伝達しようとした情報を読み取る」ことです。文字は高度に抽象化されたものであるため、文章を読むことで、①文字認識→②著者によって設定された状況の推定→③著者による仮託の回復と理解、という極めて複雑なプロセスを読者自身の頭のなかで絶え間なく行なっている(≒“あたまを使っている”)ことになります。特に②と③のプロセスは読者一人ひとりの背景知識の量と質に直接的に依存しますから、一冊の本であってもそれこそ読者ごとに異なった受容が可能になります。ちなみに、漫画や動画は①と②のプロセスを受け手が独自に行なう余地が殆ど無いので、作者のイメージがほぼ直接的に受け手に伝わります(作者と受け手が同じ文化圏に属している場合)。

Q.  先生の「本の読み方」について詳しく教えてください。

A.  専門分野や仕事上など「必要に迫られて行なう読書」の場合は、目的とする情報を如何に速く獲得するかが大事だと考えています。ですので索引や目次を最大限に活用して「読むべき箇所」を可能な限り短時間で確定します。その後「読むべき箇所」を精読し、必要に応じて関連項目にも目を通します。

Q.  本の探し方についてお聞かせください。

A.  以前は『これから出る本』を毎号入手して新刊情報もよくチェックしていました(芸術・語学・情報・自然科学・新書・文庫など)が、最近では可能な限り“古典”(≒多くの人によって読み継がれ、文章としての評価の固まっているもの)から選んでいます。温故知新の実践、といったところでしょうか。

Q.  書籍から情報を正確に読み取る上で大事なことは何ですか。

A.  その書籍の著者が属する文化圏における“その当時の文化的背景(≒常識)”を理解することです。

Q.  先生の好きなジャンルは何ですか。

A.  キリスト教芸術(音楽・美術)や仏教美術、あと言語関係(独・英・羅及びコンピュータ言語)の本は好きです。

Q.  今まで読んできた中で面白いと感じた本をお聞かせください。

A.  中島敦『山月記』と上田秋成『雨月物語』巻一「白峯」を挙げましょう。どちらも初読時には全く理解できなかったものです。後者の冒頭は、言ってみればただ地名が列挙されているだけのようなものですが、それらの地名と密接に関連する短歌を知っていれば主人公が自動的に特定されるということを知らされて、自身の教養の無さに驚愕したことを覚えています。前者からは「己の珠に非ざることを惧れるが故に、敢て刻苦して磨こうともせず、又、己の珠なるべきを半ば信ずるが故に、碌々として瓦に伍することも出来なかった。」という一文を、折にふれて噛みしめています。

感想:「本の読み方」について主にインタビューを行いました。色々な分野の本を実際に拝見しながら説明していただき、非常に楽しい時間でした。先生は理系出身の方ですが芸術や英語、ラテン語などの語学に関心を持ち、おすすめ本も古典的なものを紹介するなど新たな一面を知ることができました。先生の紹介からさらに興味を持ち、読んでみようと思います。

インタビューを進めている中で、「専門分野や外国語が分からないのは、文化や歴史などの背景を知らないからです」というお話がありました。自分でもおぼろげながらそのように感じていたような気がしますが、実際に言葉にしていただいたので改めて認識することができました。

<寺内 衛 先生おすすめの本>

中島敦 著 ; 『李陵・山月記 弟子・名人伝』角川書店 , 1986年

上田秋成 [著] ; 青木正次訳注『雨月物語』講談社 , 2017年

(インタビュアー:マネジメント創造学部 4年 I

 


文学部 大西 彩子 先生へのインタビュー

文学部  4年生 Nさんが、文学部 大西 彩子 先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.  本はよく読まれますか。

A.  本よりは、論文をよく読みます。社会心理学の分野は、本としてまとめられるまでに時間がかかることが多く、論文で最新の研究を知ることができるため、そうしています。しかし、ノーベル文学賞を受賞した『チェルノブイリの祈り』は言語データのようで面白く、おすすめです。また、2児の子育てをしていることもあり、最近では児童書を読む機会が増えました。大人になって改めて昔好きだった児童書を読むと、作者が子供たちになにを伝えようとしているのかを考えることができて、非常に面白いです。特に、岡田淳の『びりっかすの神さま』『ようこそ、おまけの時間に』などはおすすめです。

Q.  学生の頃、読まれた本の中で思い出深いものは何かありますか。

A.  大学時代は本に夢中で、ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』や、サッカレーの『虚栄の市』などの海外の文学作品を読みました。特に、カフカやドストエフスキーが好きで、『地下室の手記』は主人公がすごく個性的なのですが、なぜか気に入って何度も読みました。

Q.  学生に向けて、研究の際に図書館利用で何かアドバイスなどあれば教えていただきたいです。

A.  論文を検索する際、PDF化されておらず、その場で見られないからとその論文の使用をすぐに諦めてしまうのはもったいないと思います。私が大学生の頃、絶版で図書館や本屋では手に入れることができなかった本を、期待せずに入った古本屋にて偶然入手できたことがあり、その本は今でも大切にしています。簡単に手に入るものより、苦労したものの方がより大切に読めるのではないでしょうか。その場で手に入らないからと諦めてしまわず、図書館の取り寄せなどをぜひ活用してほしいと思います。

Q.  先生が、ご自身の研究分野に興味を持ったきっかけは何でしょうか。

A.  中学生の頃から周りの人間関係が気になり始め、大学で自分に合うような本を探すようになりました。自分が分かっていると思っていたことが、新しい知見によって分からなくなる瞬間が好きです。色々な本や知識と出合いながら、もっと考えたいと思ったのがきっかけかもしれません。

感想  :   最近では本をあまり読まれないとのことでしたが、自身の本に対する考えや思いを真剣に語っていただき、先生の読書への思いをうかがうことができました。

海外文学作品や、児童書といったジャンルはあまり読んだことがないので、『チェルノブイリの祈り』や岡田淳の作品はぜひ読んでみようと思います。

<大西 彩子 先生おすすめの本>

スべトラーナ・アレクシエービッチ著 ; 松本妙子訳『チェルノブイリの祈り : 未来の物語』岩波書店 , 2011年

オースティン著 ; 小尾芙佐訳『高慢と偏見』光文社 , 2011年

サッカレ著 ; 平田禿木訳『虚栄の市』国民文庫刊行会 , 1925年

ドストエフスキー著 ; 安岡治子訳『地下室の手記』光文社 , 2007年

(インタビュアー:文学部 4年 N

 


文学部 稲田 清一先生へのインタビュー

文学部  4年生 Nさんが、文学部 稲田 清一先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.  週にどれぐらいのペースで本を読まれますか。また、最近読まれたものの中で、よかったものは何でしょうか。

A. 仕事以外の本ですと、決まってはいないですが、週に1冊くらいでしょうか。年間だと大体40~50冊ぐらいだと思います。ここ最近ですと、王力雄の『セレモニー』(藤原書店、2019年)が一番面白かったです。中国共産党総書記の暗殺計画に巻き込まれた一技術者を描いたSF小説です。また、劉 慈欣のSF小説『三体』も読みました。今、アメリカや日本では、一部で中国SFブームとなっていることもあり、おすすめです。

Q. 学生の頃、どのような本を読まれていましたか。

A. 陳舜臣の探偵ものや歴史小説をおもしろく読みました。『阿片戦争』や『秘本三国志』などが印象に残っています。そのほか小説だと、1970年代の文庫のブームなどもあり、筒井康隆、野坂昭如といった作家をよく読みました。小説は昔も今も変わらず好きです。

Q. 学生に向けて、研究の際の文献の調べ方、図書館の利用法など教えていただきたいです。

A. 私自身は買う主義で、手元に置いておきたい本は基本的には買います。図書館だと、借りたいときに貸し出しになってしまっていることもあるのでそうしています。しかし、高価な本など入手が難しいものもあるので、そこは効率の問題ではないでしょうか。レファレンスは卒業論文の指導の際、よく学生に行くことを勧めています。レファレンスに質問をすることで見つかる答えがありますし、何より自身が何を知りたいのかわかっていないと人にうまく質問することができません。自分の理解のためにも、レファレンスは積極的に使っていくべきだと思います。

また学生の皆さんにぜひ勧めたいのは、相互利用で本を取り寄せられることです。甲南大学の図書館に無いからと借りるのを諦めるのはもったいないです。

Q. アジア史、中国史に触れる際、おすすめの本は何かありますか。

A. 小説ですと、先ほども紹介した『セレモニー』がいいと思います。小説以外ですと、上田信著『海と帝国:明清時代』がいいのではないでしょうか。歴史を学ぶうえで、国単位で歴史を見ることはやめたほうがいいと思うのですが、この本はその視点がよくあらわれた概説書だと思います。

感想  :   稲田先生はすでに一度インタビューを受けていらっしゃったということで、新しい質問項目を考えるのが難しかったです。しかし、先生の本に対する考えを聞くことができたのはとてもいい経験となりました。劉 慈欣の『三体』は私も買ったのにまだ読めていない本だったので、これを機に読んでみようと思います。

<稲田 清一先生おすすめの本>

劉慈欣著 ; 大森望, 光吉さくら, ワン・チャイ訳『三体』早川書房 , 2019年

陳舜臣著『阿片戦争』講談社 , 1987年

陳舜臣著『秘本三国志』講談社 , 1986年

上田信著『海と帝国 : 明清時代』講談社 , 2005年

(インタビュアー:文学部 4年 N

 


法学部 中井 伊都子先生へのインタビュー

法学部  3年生  清水 優也さんが、法学部 中井 伊都子先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.  本はよく読まれますか。

A.  本はとてもよく読みます。特に歴史ものが好きです。司馬遼太郎や、最近ではクリスチャン・ジャックなど、その人の視点で歴史や時の流れを追っていくような作品が好きです。

Q.  学生時代に読んでいた本を教えて下さい。

A.  学生時代から歴史小説が好きでした。気に入った作家が見つかればその作家の本をすべて読まないと気が済まない質です。その時々に話題になるような単発のものも読みましたが、長い歴史の本が好きなため、あまり心に残らなかったですね。

Q.  先生は国際法、その中で特に国際人権法を研究されています。国際法というものに興味を持ったきっかけを教えて下さい。

A.  大学生のとき、恩師に「国際社会を見る目を養い、より深く知っていくためには、歴史か法律を自分のものの見方の枠組みとしてしっかり持ちなさい」と教わり、大学院に進むにあたって、国際法を専攻しました。その中で国際人権法を選んだ理由は、人権によって国家主権に揺らぎを与えられる可能性を感じたからです。絶対的なものであるはずの国家主権と「人権」の関係に惹きつけられました。

Q.  国際法を研究していて、やりがいを感じるときを教えて下さい。

A.  自分の研究のよって社会貢献ができたときです。行政が日本の国内法でカバーできない問題や分野について対策を講じる際に、国際的な基準や法律についてお話をする機会などがあります。大阪市のヘイトスピーチ条例の作成に携わったことなどがその一例です。自分の研究者としての営みが、条例作成というかたちで社会に役立っているところに喜びを感じます。

Q.  国際法に関心がある人に薦める本を教えて下さい。

A.  国際法に関心がある方が、必ずしも国際法の本を読めばいいとは思いません。国際法に興味があるならば、まず国際社会について知ることが重要です。なので、どんな本でもいいので、自分と違う考えや宗教、経済体制に関心を持ち、それらを国際社会に向けて広げていってほしいです。

Q.  最後に、甲南大学の学生にメッセージをお願いします。

A.  自分と違うものを怖がらないでください。自分と違う考え方、宗教、性的指向、人種などを恐れるのは、知識がないことが原因です。知識を得て、結局は同じ「人間」なんだという感覚を持つことで、人と人の交流が始まります。人と人との交流は国と国との交流に繋っていき、やがてどのように国家が共存していくかということに繋がります。大袈裟ではなく、小さな心がけが大きな歩みにつながるのだと思うのです。なので、自分と違うものを恐れないで、そして恐れないために十分な知識を得てください。

感想  : 「視点」というものを大事にされているように感じました。視点を増やすことで、相手を慮ることができたり、正しい判断ができる。その視点を増やすためには、知識を得なければならない。この考えは、なぜ人は学ぶのかという問いに対する、一つの答えではないかと思いました。

そして、インタビューを通じて、研究分野だけでなく歴史や経済といった多様なものを吸収しようとする姿勢がひしひしと伝わり、改めて尊敬の念を抱きました。

(インタビュアー:法学部 3年  清水 優也

 


文学部 A先生へのインタビュー

文学部  4生 H さんが、文学部 A 先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.  これまで特に力を入れて取り組まれた業務はありますか?

A. 大学図書館員だったときは利用教育と情報リテラシー教育に力を入れていた。図書館員全員で4月から5月にかけて1限から5限まで、新入生3,000人全員に対して行っていた。

Q. 利用教育を行って、手ごたえを感じましたか?

A. レポートや論文をこれから書くという人には役に立てたと思う。それだけではなくて、図書館には専門書だけではなく、小説や視聴覚資料、電子資料などもたくさんあるということを新入生の段階で知ってもらうきっかけにもなった。

Q. 情報化により剽窃がよく問題として取り上げられるようになりましたが、どのようにお考えですか?

A. 意図せずやってしまったことでも、とんでもないことになる。よくWikipediaを使う人がいるが、見るのは構わないが、レポートや論文の根拠としては責任の所在がない。著作権法や研究倫理については授業で積極的に伝えたい。

Q. 図書館はどのように対処できるでしょうか?

A. これからの図書館は、利用教育の際に、情報倫理や研究倫理を含めた1つ上のレベルを目指さなければならない。

Q.甲南生の図書館利用についてどう思いますか?

A.自習をしている人が多いが、図書館を利用するというのは図書館を単に場所として利用するということではなく、「図書館資料を利用・活用する」ということ。

Q. 図書館学の受講者、司書を目指している人に向けて一言お願いします

A. 資格を生かして、図書館で是非働いてほしい。人の役に立つだけでなく、自分も向上できる素晴らしい仕事。もし司書にならなくても、利用者として図書館を活用して欲しい。図書館で資料情報を自由に見られるのはもはや当たり前になっているが、そうではない時代も過去にはあった。情報を自由に入手できることは民主主義社会の基盤であり、その素晴らしさを図書館で実感して欲しい。

感想:授業内だけではなかなか知る機会がない先生の研究内容や、思いを知る場となり、大変貴重な時間になりました。司書を目指す方は、司書の方にインタビューをして、より詳しく学んで欲しいです。そうでない方も、是非所属する学部の先生にこのような機会を設けて頂き、自分の学ぶ分野により深く興味を持つきっかけになればと思います。ご協力頂きました皆さまにこの場をお借りしてお礼申し上げます、有難うございました。

(インタビュアー:文学部 4年 H )

 


ときど 著 『東大卒プロゲーマー  論理は結局、情熱にかなわない 』

 

知能情報学部  4年生 Aさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 :  東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない
著者 :  ときど
出版社:PHP研究所
出版年:2014年

東大卒のプロゲーマーとして知られているときど氏。東大卒の超エリートである彼が東大卒という肩書を捨ててまでなぜプロゲーマーという道を選んだのか。

ときどは小学生のころ父親の仕事の関係で引っ越しを繰り返していた、それによりなかなか友人もできずいじめられることもあった。そんななかおちびと呼ばれている友人ができ毎日のようにゲームに没頭したのである。ときどは中学校、高校ともに進学校を選択し勉強をしながらゲームを楽しんでいた。ときどにとって勝つことがすべてで勝つために論理的にゲームを展開し勝つことを楽しんでいた。大学受験をしながらもゲームを楽しんでいたときどに不合格という現実が待っていた。それを機にゲームをきっぱりやめ浪人しながらも東京大学に入学した。大学の大学院で出会った恩師Sさんの熱意に触発されてときどは自身の研究に没頭していった。その際の成果が評価され賞を受賞するまでになった。しかし大学院入試に落ちたこと、相次いだ不運な出来事からいつしかときどの情熱はなくなってた。ときどは情熱を持って打ち込めることを探し小さいときに熱中していたゲームに打ち込んでいく。そんな中、梅原大吾が日本初のプロゲーマーになったと知ったときどはゲーム業界でプロゲーマとして生きていくことを決意した。理論で突き詰めた合理性のプレーだったものが徐々に楽しませるためのものに変わっていった。理論で突き詰めていく研究も大切だがその中でいかに情熱を燃やし続けられるのかを考えさせてくれる作品になっている。