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「教員インタビュー」の進め方(KONANライブラリ サーティフケイト)

KONANライブラリー サーティフィケイト」2級以上の取得要件、「教員インタビュー」の手順です。
この課題の目的は、「人の話」を聞いて、要点を整理し、文章化することです。
ライティング力だけでなく、話し言葉を言語化する体験を通して、言葉を使ったコミュニケーション力を高めることを目指します。

本や図書館をテーマに教員にインタビューをし、その内容をまとめて提出してください。提出されたインタビューは、この図書館ブログで公開します。

インタビューしたい先生には自分で交渉します。インタビューが有意義な時間となるよう、十分に準備をしてから依頼しましょう。

<インタビューをする先生を探す>
まずは「話を聞いてみたい」先生を探します。
インタビューする際には、質問項目をリストアップしておくなど、事前に何を聞きたいのかを整理しておく必要があるため、
身近なゼミの先生や授業が面白かった先生はインタビューも成功しやすいです。もちろん、きちんと事前準備ができるなら、専門違いの先生や憧れの先生にチャレンジしても構いません。
インタビューをお願いしたい先生の連絡先が分からないときは、図書館2階ヘルプデスクにご相談ください。

<インタビューの準備>
インタビューの依頼
まずは先生にインタビューを受けていただけるかどうかを打診します。
インタビューがライブラリ サーティフィケイトでの取り組みであり、インタビューの内容は図書館ブログで公開する予定であることをお伝えして、先生からご承諾を得てください。
ご多用である、少し恥ずかしいなどの理由で、インタビューを受けられない先生もおられます。そのときは、先生のお気持ちを尊重してください。

②日程調整と質問内容の連絡
インタビューを受けていただけることが決まったら、日程の調整をします。
質問したい内容、できれば質問項目のリストを、事前に先生にお渡ししましょう。質問内容は、他の人のインタビューや、先生の研究業績などを参考に考えます。
お互いに心の準備をしておくと、気持ちがいいインタビューになります。

<インタビュー当日>
①インタビュー
インタビュー内容は、必ずメモをします。録音したいときは、予め先生の許可を得てください。
事前にお伝えした質問内容以外のことを伺いたい時は、断りを入れて質問しましょう。
予定していた時間どおりに切り上げるのが礼儀ですが、話が弾んで予定より長くなることもあります。時間に余裕をもって臨みましょう。

<まとめ・確認>
①800字程度に絞って記事を書く
インタビューの内容をテーマやエピソードごとにまとめ、どんな流れで書くかを整理して書き出します。字数制限のためにインタビューの内容全てを盛り込めないときは、読み手にとって魅力的なエピソードを選びましょう。
※指定書式「教員インタビュー用紙」を使ってください。

②最後は自分の感想でまとめる
インタビューをして、印象に残ったことや影響を受けたことなど、自分の感想で記事をまとめます。

③教員に確認していただく
図書館に提出する前に、インタビューした先生に内容の確認をお願いしてください。取り違いやよく確認せずに話してしまったことが含まれている等の指摘があった場合は、修正して再度確認します。確認と校正は何回か繰り返さなくてはならないこともあります。
最終のご承認をいただけたら、「教員インタビュー用紙」にインターネット公開についての同意の署名か捺印をしていただいてください。

先生の同意をいただいたら、各キャンパスの受付窓口に提出してください。 
岡本キャンパス→図書館2階ヘルプデスク(平日9:00~16:30 土9:00~11:30)
西宮キャンパス→CUBEメディアセンター(平日10:30~17:30 土10:30~16:00)
ポートアイランドキャンパス→ポートアイランドキャンパス事務室(平日9:00~17:00)

>作成例: 文学部 稲田清一先生へのインタビュー
>教員インタビュー用紙はこちらからダウンロードできます

★うまく進められないときは、遠慮なく図書館2階ヘルプデスクにご相談ください。

文学部 稲田清一先生へのインタビュー

ライブラリ サーティフィケイト「教員インタビュー」の作成例です。
文学部の稲田清一先生にご協力いただき、図書館員がインタビューしました。


―本はよく読まれますか。

昔から本を読むことが好きで、特に五木寛之や筒井康隆などの小説をよく読んでいました。気に入った本は読み返すこともあります。

―本を探す場合、どのような方法で探されますか。

同じ著者の別の本を読んでみたり、読み終わった本から連想して探します。昔から文庫本の解説目録やカタログを読むのが好きなので、そこから本を探し、読みたい本のリストを作ったこともありました。

―本を読むことが好きということですが、図書館や書店などはよく行かれますか。

昔は新刊書店や古本屋などに行き、本や文芸雑誌などをよく買って読んでいました。図書館は大学院生の頃によく利用しました。本や論文の参考文献リストから、新しい本や論文を探して、文献を集めていました。

―先生は中国史を研究されていますが、昔から中国史に興味を持たれていましたか。

大学に進学する時は、歴史に限らずアジアについて学びたいと思っていました。大学2年生の秋に自分の専門分野を決めることになり、その時に東洋史を選択しました。

―アジアについて学びたいと思われたきっかけなどがあれば、教えてください。

私が大学に入学した1970年代は、日中国交正常化(1972年9月)、サイゴン陥落によるベトナム戦争の終結(1975年4月)など、様々な出来事がありました。また、1976年は、唐山地震の発生、周恩来、朱徳、毛沢東の相次ぐ死去、四人組の逮捕など、中国にとって激動の1年でした。

そういったニュースを目にしたり、本多勝一のルポルタージュや開高健の『輝ける闇』などを読んだりする中で、南北問題(北の富裕な先進工業国と南の貧困な開発途上国との経済的格差を中心とする問題)に興味を持つようになり、アジアについて学びたいと思うようになったのだと思います。

―中国史に興味がある方に薦める本などがあれば、教えてください。

中国史に興味がある方には、『中国の大盗賊・完全版』(講談社現代新書)を推薦します。この本は天下を取った大盗賊として、陳勝・劉邦、朱元璋、李自成、洪秀全、毛沢東について書かれています。ぜひ、一度読んでみてください。

【まとめ】
 質問内容を考えることは難しかったですが、インタビューの中で、本の選び方や読み方など、先生と自分の共通点がいくつも見つかり、インタビューの面白さを感じ、とても楽しい時間になりました。
 インタビューの最初に「昔は本を読むのが好きだと思っていたが、今はそうではないような気がしている。」とおっしゃられていましたが、昔読まれた本を紹介されていた時、とても楽しそうで、「本を読むことが好きだ」というお気持ちが伝わってきました。

『中国の大盗賊』は私もとても面白そうだと思ったので、今度読んでみようと思います。

<稲田先生おすすめの本>
高島 俊男著 『中国の大盗賊・完全版』(講談社現代新書),講談社,2004年
 配置場所:図書館 1階開架小型  請求記号:S081.6/1746/23 

(インタビュアー: 図書館職員)