<教員自著紹介>
企業家研究フォーラムという学会(研究者の団体)が創立10周年記念の事業としてまとめた研究入門書です。経済学、経営学、経済史、経営史といった多様な学問領域の研究成果をもとに、企業家とはどのような存在か、企業家が行うイノベーションとはどのような社会的役割を果たしているか、企業家がどのような環境で生み出されるか、イノベーションを起こすための社会的条件は何かなどについてまとめられています。これまでの研究を通じて、すでに明らかにされていること、まだわかっていないことがコンパクトにまとめられています。
企業家について研究したいと思う研究者のためにまとめられた本ですが、学生諸君の勉学の出発点になるでしょう。世界ならびに日本の代表的な企業家についての紹介もあります。ビジネスの世界だけでなく、社会貢献を目指した企業家も紹介されています。神戸の東灘で活躍した企業家もいますし、東灘に居を構えた企業家も少なくありません。本学の創設者である平生釟三郎氏も社会企業家です。コープこうべの創業者である那須善治氏は、平生氏に触発されて、灘購買組合を創業されました。これが現在のコープこうべのルーツの1つになっています。このような歴史を知れば、甲南大学の学生諸君は企業家を身近に感じることができるでしょう。
本書には参考文献のリストも掲載されていますので、もっと深く研究したいと思う人々にとっても貴重な手がかりになるでしょう。参考文献のほとんどは図書館にあります。本書をきっかけに図書館を活発に利用していただくようになれば、編集者として望外の喜びです。
経済学部や経営学部の学生諸君にぜひ読んでいただきたい必読書です。法学部や文学部の学生諸君にも知的刺激を与えてくれるはずです。ぜひ目を通して下さい。
企業家研究フォーラムの本部は大阪の中央区本町の企業家ミュージアムに置かれています。このミュージアムでは、大阪で企業家としてイノベーションを起こした人々の事跡が保存されています。大阪に行く機会があったら時間をとって立ち寄ってみて下さい。関西の底力を知ることができます。ゼミのみなで行けば、みなで討論するための会議室も貸してくれます。大阪ではお勧めの場所です。
■『企業家学のすすめ』 加護野忠男[ほか]編、有斐閣、2014年7月
■請求記号 335.13//2148
■配架場所 図書館1階開架一般
■著者所属 特別客員教授
「4.教員自著紹介」カテゴリーアーカイブ
河﨑照行(会計専門職専攻) 『General accounting standard for small-and medium-sized entities in Japan』
<教員自著紹介>
本書は書は、日本の中小企業会計(「中小企業の会計に関する基本要領」)を平易に解説した英語の解説書です。本書は、多くのネイティブの研究者・会計専門職と、徹底的な内容の検討と専門用語のチェックを重ねており、外国人が日本の中小企業会計を知るための標準的な解説書であるとともに、日本人が日本の会計制度(会計基準)を英語で学習するための格好のテキストです。
■『General accounting standard for small-and medium-sized entities in Japan』 河﨑照行[ほか]著、Wiley Publishing Japan、2014年
■請求記号 336.92//4089
■配架場所 図書館4階書庫
■著者所属 会計専門職専攻 教授
■河﨑先生からのお薦め本
『詳解 中小会社の会計要領』 河﨑照行(ほか編著) 中央経済社(2012年)
請求記号 336.9//2171
配架場所 図書館1階開架一般
安積敏政(経営学部) 『実態調査で見た中堅・中小企業のアジア進出戦略「光と陰」』
<教員自著紹介>
本書は、日本の中堅中小企業のアジア進出実態をアジア20ヵ国・地域100社超の現地法人を直接訪問し、インタビューした結果をまとめた実証研究である。進出時の検討、進出後の現地経営の困難さ、そして志半ばでの事業縮小・撤退という3段階で日本の中堅中小企業は何と格闘して、どのように解決しようとしているのか。本書に、筆者が訪問した現地法人の中から42社の具体的事例をも収録している。
■『実態調査で見た中堅・中小企業のアジア進出戦略「光と陰」』 安積敏政著 日刊工業新聞社 2014年8月
■請求記号 338.92//2194
■配架場所 図書館1階開架一般
■著者所属 経営学部 教授
■安積先生からのお薦め本
『竹中流「世界人」のススメ』 PHPビジネス新書 2013年3月4日発行(248頁) 竹中平蔵著
ISBN978-4-569-81011-9
副題に「日本人が世界に飛び出すための条件」が付いている。
著者は、現在、慶応義塾大学の教授であり、2001年に小泉内閣で経済財政政策担当大臣に就任し、その後、金融担当大臣、郵政民営化担当大臣などを務めた。
著者は“世界は広い。世界を知ることは楽しい。そんな世界で活動することはもっと楽しい。そしてそれは、誰にでも可能だ。”と言う。
「世界を目指すことの必要性、そして楽しさ」、「世界と競争する覚悟を持つ-グローバル人材に必須のマインドとは-」、「世界は今、どうなっているか」、「世界と戦うために必要な力とは何か」を極めて平易に解説している。日本国内に引き籠りの学生にとって“目から鱗“の書であり、グローバル人材になるための入門書である。
前田忠弘(法学部)[ほか]著 『刑事政策がわかる』
<教員自著紹介>
近年、社会の「安心・安全」を確保する最後の手段に刑務所が位置づけられ、「刑事施設の福祉施設化」が生じています。様々な理由から、生きることの困難な人々に福祉的支援を行うことによって、このような状況を克服することができるのではないでしょうか。本書は、〈厳罰化・社会防衛・監視〉と〈適正手続き・自由と人権・共生〉という対抗軸のなかで、刑事政策の現状と課題を考えます。
■『刑事政策がわかる』前田忠弘[ほか]著 法律文化社、2014年10月
■請求記号 326.3//2122
■配架場所 図書館1階シラバス
■著者所属 法学部 教授
■前田先生からのお薦め本
『ルポ・罪と更生 』西日本新聞社会部著
法律文化社(2014年)
請求記号 368.6//2053
配架場所 図書館1階開架一般
春日教測(経済学部) [ほか執筆] 『ネットワーク・メディアの経済学』
<教員自著紹介>
本書では、テレビ、ラジオ、インターネットなどネットワークを経由して情報を提供するサービスに共通して見られる、公共財的な性質や外部効果、規模の経済性といった「市場の失敗」を生じさせる要因を、経済学的に分析しています。またメディアが利用者に及ぼす影響や海外の制度事例を紹介するとともに、公共放送の存在意義と効果についても論じています。
■『ネットワーク・メディアの経済学』 春日教測、宍倉学、鳥居昭夫著、慶應義塾大学出版会 2014年7月
■請求記号 699//2010
■配架場所 図書館2階開架一般
■著者所属 経済学部 教授
■春日先生からのお薦め本
『ブラックスワンの経営学 通説をくつがえした世界最優秀ケーススタディ』井上達彦著(日経BP社、2014年)
<書籍紹介>
実際の企業の行動事例に基づき、通説とは異なる見解を提示して、その発生メカニズムを解明しようとしています。「目から鱗が落ちる」事例に出会えるかも。
西山 隆行(法学部) 『アメリカ政治 :制度・文化・歴史』
<教員自著紹介>
国際政治に多大な影響力を持つアメリカの実情を知り、その政治主体がどのような前提に基づいて行動していると考えられるかを解明した書物です。アメリカ政治の実情を、制度的、文化的、歴史的背景に立ち返って分析してみました。時事問題、国際関係のみならず、歴史や文化に興味を持つ人にも読んでいただければ幸いです。
■『アメリカ政治 :制度・文化・歴史』西山 隆行 著 三修社、2014年6月
■請求記号 312.53//2131
■配架場所 図書館1階開架一般、サイバー一般和書、法科大学院
■著者所属 法学部 教授
■西山先生からのお薦め本
『アメリカ文化入門』杉野健太郎編(三修社、2010年)
請求記号 302.53//2056
配架場所 図書館1階開架一般 ほか