1-1. 図書館長より」カテゴリーアーカイブ

図書館とサイバーの模様替え

図書館とサイバーライブラリは、このほど模様替えし、大きく変わりました。
まずサイバーから。サイバーライブラリにおいて、学生たちが共同学修できる場、主体的学修の場を提供し始めました。3階のゲートを通ると、自由にアレンジできる机といすがあり、常設のプロジェクタと、スクリーンになる大型のホワイトボードが目に入ります。この空間はもともとかなり広いので、共同学修をして声を出しても大丈夫です。また、移動できるホワイトボードもあり、友達と一緒にレポートを書いたり、何かを企画したりするのに最適です。ペットボトルのように、ふたのついた飲み物の持ち込みも公認されました!ビブリオバトルなどのイベントも開催できます。こういう場所を使って、自分の発言力を試してみてはいかがでしょうか。
もちろん、静かに思索に耽ることのできる場所もしっかり確保されています。
次に図書館。こちらは、地階の奥半分の利用方法を変更しました。従来、試験期間中以外は締め切っていた場所ですが、今後は、常時開放し、常設パソコンを28台設置し、共同学修のスペースも広く設けました。図書館の資料を使って、共同で学修するにはもってこいの場所です。パソコンは既にかなり高い利用率となっていますが、まだまだ余裕はあるようです。プリンタもありますよ。また、従来通り、貸し出し用パソコンも準備されていますので、ご心配なく。共同学修のための大きな机はまだあまり周知されていないせいか、広く空いています。授業の間の時間など、宿題やレポートがあればもちろんできますし、友達を誘って、一緒に予習・復習などしてみてはいかがでしょうか。授業が楽しくなること間違いなしです。
こうした、時代にマッチした新しい図書館の利用を積極的に行って、大学を自分のためにフルに使ってください。我々も、勉強したいという皆さんの気持ちに積極的に応えていきたいと思っています。

新入生の皆さんへ

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。明日から授業も始まります。新しいことばかりで、不安と期待が織り混じった気持ちに満ちているかと思いますが、何事も、はじめの滑り出しが大事です。くれぐれも授業をおろそかにすることがないようにしてください。
皆さんが学校に来て腰を落ち着けるところとして、是非図書館を候補にしてください。昨今、履修科目数の上限が多くの学部で設けられています。皆さんがいくら張り切っているとしても、時間割をびっしり埋めることはできないと思います。むしろ、すかすかの状態になると思います。空いた時間をどうするか?→→→図書館に行きましょう!皆さんが快適に空いた時間を過ごすことができると思います。
今年度から、図書館内に共同学習の場(ラーニングコモンズ)を設置することも決まっています。そうなれば、友人といろいろと議論しながら勉強することもできます。もちろん、図書も雑誌もいっぱいありますよ。図書館をスマートに使いこなせるようになってください。
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シンガポールの図書館訪問しました

このほど、シンガポール国立大学(NUS)での講演出張の際に、当大学と、別大学(南洋工科大学;NTU)の図書館を訪問し、説明を受けてきました。
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NUSは非常に広いキャンパスを持っていて、学内を横切る道路に、バスが早朝から深夜まで走ります。それも、時刻表はなく、数分おきに来ます。学生は3万人ということですから、それほど多いわけではありませんが、ともかく学内は活気があります。図書館は7つありますが、central libraryが中心です。4層あり、ともかく広く、学生が座ることが出来る席がたくさんありました。人気があるのは窓際というのは、万国共通です。
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授業の本を借りることができるところは複数の同一本がありましたが、他は館内1冊というのは日本と同じです。どこも、本の保管には苦労しているようです。授業の本は2時間が限度。コピーはできますが、10%が制限ということでした。シンガポールはご存じのとおり、社会ルールを破ると非常に大きな罰則がある国なので、ルールを破る学生のことは心配していないということでした。他の本は2週間ということでした。中国語の本のエリアは大きく、日本語の本はそこの片隅程度のエリアでした。また、シンガポール・マレーシアコレクションは貴重書としてエリアがありました。また、共同学習の場も随所にありました。
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行ったのは午前10時から12時頃ですが、概して静かで、学生達は皆さん懸命に勉強していました。設置パソコン、持ち込みパソコンを含めて、ほとんどの学生がパソコンを使っていました。飲み物は自由、食事はダメというルールでした。チャットルームは携帯電話用、チャットは図書館職員にリアルタイムで質問するシステムです。
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当番が決まっていて、常に誰かが答えるということです。2時間でしたが、実にいろいろと参考になりました。この中央図書館は10年前に建ったということで、その後、AV機器などをフルに活用したコモンズのエリアを持つすばらしい建物が別の建物にあり、そちらも見せてもらいました。こういう図書館がある大学でもう一度学生をしてみたいと思いましたよ。
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NTUは、アポなしでいきなり訪問して、見せてもらいました。親切な職員さんたちばかりで、若くて魅力的な方々で、私は、会話を楽しみました。NTUの図書館は中央図書館というのはなくて、中規模の図書館(といっても、本学の図書館くらいの閲覧エリアはありますが)が学内に多数ありました。ラーニングコモンズを全面的に取り入れており、Quiet Area以外では、随所に共同学習の場がありました。
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国は違っても、図書館の雰囲気は日本とよく似ていました。また、共同学習の場が求められていること、そこでは、PCが必須であること、飲み物や電源など、そういう場での必須アイテムであることなど、大いに参考になりました。今後も、外国に行ったら図書館を訪問してみたいと思います。

五大学図書館懇談会に参加してきました

11月30日に、甲南大学の属する「五大学図書館懇談会」に参加するため、成蹊大学に出張してきました。五大学とは、学習院大学、成蹊大学、成城大学、武蔵大学、それに本学です(順不同)。関西は本学だけのため、2年後の懇談会は皆さん楽しみにされているようでした。
私はこの役職に就いてから、私立大学の図書館事情について初めてある程度詳しく知ることになりましたが、どこの図書館も立派です。そして、大学図書館は、ちょうどいま、図書館が静かに本を読む場所であるだけでなく、図書館が保有しているデータベースの利用、ネットワークを利用した知識の探索、そして、グループ学習の場として大きく変わりつつあります。最近訪問した、立教大学も成蹊大学も、図書館は新築でしたので、やはり、衝撃的でした。
下の写真は成蹊大学図書館です。キノコのようなグループ学習室がとても衝撃的でした。人気があるそうです。こういうところは、「入ってみたい」という人間の本能が働くのかもしれません。
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本学図書館も、これから大きく変わっていかなければならないと考え、我々もいろいろと模索中ですが、学生の皆さんには、まず、現在の図書館に足を運んでみてほしいと思います。そうすることで、我々も、学生が利用する状況をみることができ、何が必要なのか、甲南大学の学生にとってよりよい図書館がどういうものか、わかってくることもあると思います。

私立大学図書館協会 総会・研究大会に参加しました

暑いままで9月に突入しました。いつまで暑いものやら。早く涼しくなってほしいものです。
さて、このほど濱頭課長と一緒に、東京三田の慶應義塾大学で開催された、私立大学図書館協会 総会・研究大会に参加しました。200以上の私立大学から図書館長あるいは事務管理職の方などが参加され、2日間、盛大に行われました。
まずは、会場の様子から。
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ここで、総会、記念講演、海外研修報告、研究助成発表、講演、事例報告が行われました。また、初日は場所をグランドプリンスホテル高輪に移して、意見交換会も行われました。
海外研修報告では、図書館員の方が協会の派遣で1ヶ月アメリカの大学図書館で研修を受けて来られたときのお話があり、興味深く聞かせていただきました。また、夜10時頃の大学図書館の中の写真を見せていただきましたが、多くの学生がまるで自分の勉強部屋で勉強をしているように真剣に勉強をしている姿を見て、かなりショックを受けました。日本の大学ではこういう姿はなかなか実現できないと言われています。
私が学生の頃も、図書館はそんな時間に開いていませんでしたが、下宿屋に下宿していた私は、自分の部屋の机で大きな紙にびっしり計算式を書いたり宿題の問題を解いたりした記憶があります。また、夜になると酒とつまみをもって20名ほどが下宿している下宿の中の部屋を渡り歩いて議論していました。全く違う姿ではありますが、それはそれで有意義な時間だったと思います。おっと、図書館の話からそれてしまいました。
さて、慶応らしかったのは、「三田演説館」という重要文化財でした。
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通常は公開していないが、我々のために、特別に2日目の昼休みに開けていただいたということでした。福澤諭吉が建設したものだそうで、中は昔の学校の講堂風な雰囲気があり、演説台に立ってみました。
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また、ここは慶応ですから、図書館には当然ながら福澤諭吉の様々な資料が保存・展示されており、大学の固有の歴史は極めて重要であると感じました。

夏休みと読書

しばらくブログをサボってしまいました。今日は8月15日。いろいろな思いが交錯する時期です。
我々教員にとって、毎週の講義も会議もなく、1年のうちでこの時期だけ、のんびりすることが許される時期です。わずかに数日しかそういう気分を味わうことができませんが、だからこそ、何よりも貴重な時間と感じます。
最近、夏目漱石を読んでいます。こういう文学書を手に取るのは何年、いや、何十年ぶりでしょうか。大げさではなく本当に。日頃から本を読むのは好きですが、読んでいる新書や文庫はたいてい1日で読破しており、おそらく多くのことを読み飛ばしているでしょう。斜め読みができるのですね。それでも、あとから読み直してみても、あまり読み落としていないように思えます。しかし、いま夏目漱石を読んでみて、ずいぶん時間がかかると実感しています。ゆっくり本を読むことの楽しみ、それも長年忘れていました。ゆっくり読むのも、早く読むのも自分の思いのまま。それが読書の良いところでしょう。