日本マクドナルド著 『日本マクドナルド「挑戦と変革」の経営 : “スマイル”と共に歩んだ50年』

 

 

知能情報学部 4年生 Mさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : 日本マクドナルド「挑戦と変革」の経営 : “スマイル”と共に歩んだ50年
著者 : 日本マクドナルド著
出版社:東洋経済新報社
出版年:2022年

マクドナルドは(出版年当時)世界100以上の国と地域に約4万店を展開しており、目にしたことが一度はあるでしょう。よく食べる人にとっては当たり前かもしれないですが、そんなマクドナルドも日本初上陸時には馴染みのない食べ物であり、定着できるかの不安が経営側にはありました。本書は成功や失敗、挑戦や変革によって、日本マクドナルドが今日に至るまでどのような歴史を辿ったかを追う内容となります。

実際に本書でその歴史を読んでいても、一筋縄ではいかない挑戦の連続でした。社員教育の徹底化や食材の調達方法であったり、初日の売り上げは予想の4割程度、なかなか増えない日本人の来客数であったりなど。またドライブスルー導入やレジ小型化の推進、日本人に合わせた商品の開発など、時代とともにニーズも変化することに対応し成功を続けた事例がある一方、食品の品質と安全問題、他の要因による成長の停滞、これに伴って従業員の士気が低下する問題もありました。このときマクドナルドが行った行動が、お客様のところに行き、直接声を聴くということです。当時のCEOが日本で実際に意見交換をし、その声を反映させたことは当時ニュースにもなり、非常に関心が集まったことだと考えられます。その後、お客様の声を聴き、応えるためのアプリ「KODO」も開発され、より広く声を集めることでマクドナルドの店舗体験は改善され、今日のようなマクドナルドの雰囲気が出来あがっていったと考えられます。

その後もマクドナルドのお客様のニーズに合った取り組みは止まることはなく、失敗以上に成功体験を更に磨き上げサービスとして提供する姿勢を続けたからこそ、我々が受けるサービスがあると考えます。マクドナルドの挑戦の歴史を知ってもらうことで、サービスの根幹に当たる部分へ思いを馳せて食事を楽しんでもらうためにも、本書はマクドナルドで働いたことのある人、ない人に関わらず、すべての人に読んでもらいたいと思える内容でした。