松田美佐著『うわさとは何か』

書名: うわさとは何か : ネットで変容する「最も古いメディア」(中公新書2263)
著者: 松田美佐
出版者: 中央公論新社  出版年: 2014年
場所: 1階開架小型  請求記号: S081.6/2263/29

「うわさ」には信憑性がない、と分かっていても、「そういうこともあるかもしれない」と思っていませんか?
ニュースよりも、ネット上の誰かの発言の方を真実だと思うことはありませんか?

うわさが真実であることもあるかもしれません(ただし、検証するのは非常に困難です)。
それに、「ガソリンが不足する」といううわさによって、大勢の人が、「大丈夫だと思うけれど、入手しておこう」と判断した結果、本当にガソリンが不足してしまう、というように、「うわさ」が自己成就してしまうことも度々あります。

もっと身近な事例ではどうでしょうか。
「Aさんが辞めたのはあなたのイジメが原因だって、うわさになってるよ」(本書冒頭より)
まったく身に覚えがなくても、ドキッとします。

人の「うわさ」にはついつい耳を傾けてしまうけれど、特に自分に関する「うわさ」は強いストレスになります。そんな非常事態にそなえて、そもそも「うわさ」というものがどういうものか、学んでおきませんか?

この本では、デマ、流言、ゴシップ、口コミ、風評、都市伝説など、様々な「うわさ」について調査し、社会や人間関係にどのような影響をもたらしているのかが説明されています。社会学・社会心理学の本ですが、社会学を専攻していなくても、分かりやすく読みやすい1冊です。

「うわさ」に負けない人生のために、ご一読ください。