文学部 O先生へのインタビュー

文学部 4年生 水口正義さんが文学部のO先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

M: 今日は、先生が最近読まれた本と、読書に関してインタビューさせていただきます。先生は最近、これは面白いと思った本はありますか?
O: この『責任という虚構』という本が面白かったですね。社会心理学がテーマなのですが、これは個人の「責任」なんて本当は無いのではないか、むしろすべての責任は社会にあるのではないのか、という著者独自の観点が際立っています。

M: 個人の責任が無い、とはどういうことですか?
O: たとえば人を殺めてしまうような人がいたとしたら、その原因を探る時、カッとなりやすい気質だったからだ、とするなら気質はその人の親や祖父母からの遺伝子が関係しているから、本人に責任を問えないのでは、というような考え方です。環境要因が堆積するという意味で「沈殿物」と表現しているところもまたおもしろいところです。

M: 個人に責任を問う現代社会の流れとは全く別の考え方ですね。では次に、読書関してお聞きします。先生は年に何冊ぐらい本を読みますか?
O: 普段は論文を読んでいるので、本はあまり読みません。私にとって読書は趣味なので、多分年に10冊ぐらいですね。

M: どのような本がお好きですか?
O: 学生の頃からカフカやドストエフスキーが好きです。人の心があのような世界観で書かれているところに夢中になりますね。『地下室の手記』や『白痴』も好きです。

M: 先生が大学生の時は、たくさん本を読まれていたのですか?
O: 学生の頃はかなり読んでいましたね。バスで通学していたので、移動中は大抵読書していましたね。

M: やっぱり学生の間に本は読んでおくべきですか?
O: そうですね。学生時代に本を読まないのはさびしいかな、と思います。

まとめ:私は普段趣味として本を読むことは少なく、専門書しか読まないので、サーティフィケイトに取り組んでいるこの機会に、小説も読んでみようと思いました。

 <O先生おすすめの本>
小坂井敏晶著  『責任という虚構』 東京大学出版会,2008年

(インタビュアー:文学部 4年 水口正義)