伊東浩司先生(スポーツ・健康科学教育研究センター)「想像と知識」

☆新入生向けの図書案内
 昨年・一昨年度、新入生へむけての図書館報「藤棚」を書かせていただきました。その「藤棚」を読み返すと年月が過ぎていくのが本当に早いと感じています。2017年度入学された皆さんは、これからの学生生活に夢や希望に満ち溢れていることだと思います。ただ、充実した学生生活はあっという間に過ぎ去っていきます。この学生生活をより充実させるためには、勉学・スポーツなど多くのことをチャレンジしてほしいと考えています。様々な学生生活の一つとして、読書活動を推進するライブラリ サーティフィケイト というものがあります。貴重な学生生活の中でゆっくりと本を読める時間が持てれば本当に素晴らしいことだと考えています。私自身、スポーツ・健康科学教育研究センターに所属しているので、スポーツと本に関して少し書かさせていただきます。昨年、ブラジルのリオデジャネイロでオリンピック・パラリンピックが開催されました。日本代表選手の活躍で日本国内も大いに盛り上がりました。メダリストが東京都中央区をパレードした際には、沿道に80万人の方が祝福に駆けつけました。そのメダリストの半生などが書かれた本も多く出版されています。あの時の感動の思い出しながら、それまでのプロセスを知ることで、選手自身やその競技種目がより好きになるのではないでしょうか。そして、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックの次は、2020年に東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。皆さんが入学して4年目にあたります。私自身、この東京オリンピックへ向けて、陸上競技の強化委員長を昨年の10月からつとめています。新しく出来る国立競技場に日章旗をあげるという壮大な目標にむかって悪戦苦闘しています。そのような時に、大きな力になってくれるのはネットからの情報よりも、本から多くの情報を得ています。特に、スポーツやビジネスなどの世界でリーダーとして活躍された方の本を読むだけで、私の想像と知識の引き出しが増えていきます。そのため、時間があれば本を読んで少しでも想像と知識の引き出しを増やしていきたいと心掛けています。2020年は、皆さんにとって就職活動の年度になることを考えると、ぜひ、時間がある時に本を読んで少しでも知識の引きだしを増やる学生生活を送っていただきたいと考えています。

甲南大学図書館報「藤棚」(Vol.34 2017) より