長月達平 『Re:ゼロから始める異世界生活12』

  知能情報学部 3年生 匿名さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名:Re:ゼロから始める異世界生活12
著者:長月達平
出版社:KADOKAWA
出版年:2017年

 

私が今回選んだのは「Re:ゼロから始める異世界生活」というライトノーベルの12巻です。この作品は主人公の菜月スバルがある日夜中コンビニから帰っているところ、脳内に何か声が聞こえ異世界に召喚されてしまうことから始まる、異世界ファンタジーとなっています。その召喚された世界でスバルはなぜか一度死んだら、生き返るという「死に戻り」という能力を手にすることになります。この能力を駆使しスバルはあらゆる困難に立ち向かっていくわけですが、この能力は、かなり特殊で自らが死に戻りしているということを言うことができないという、かなり厄介なものでした。物語でスバルは何度もこの死に戻りの能力を使うことになります。そして苦悩し、少しずつ前に進もうとします。この物語の最大の見どころは、スバルが何度も死に戻りすることで、スバル自身が病んでしまい、精神が壊れていく様が描かれているところです。普通の人間は、1回死ぬと二度と生き返ることはできません。しかし、スバルは自らが望んだわけではない能力により死に戻り、苦悩し葛藤します。その様はほかのどんな小説にもない、この物語の大きな特徴だと思います。そして、この12巻ではスバルは聖域という場所にとらわれた仲間を助けるために試練に挑むことになります。そこでは今まで触れてこなかった、菜月スバルという己と深く見つめあう場面が何度もあります。そこでのスバル自身の成長が12巻では一番の見どころだと私は思いました。

このようにこの作品では普段体験することのできない心情を味わうことのできるとても素晴らしいものだと思います。私はこの書評も見た人にはぜひ私と同じ体験をしてほしいと思います。これを読むことで、普段の生き方が少し変わるかもしれません。それぐらいこの作品には影響力があると思います。これを見た人は、この作品を見たら一度手に取ってみるのはいかがでしょうか。