奥野修司・徳山大樹 著『怖い中国食品、不気味なアメリカ食品』

  法学部 1年生 匿名希望さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)


書名: 怖い中国食品、不気味なアメリカ食品
著者: 奥野 修司・徳山 大樹
出版社:講談社
出版年:2017年

今回、私がこの本を紹介したい理由は、昨今日本に入ってくるアメリカ食品や中国食品の危険性と実態をありのままに実際の調査に基づきながら解説しているという点である。特に恐ろしいと思った点は、日本国外で生産されていても最終加工が日本国内であったら「国産」表記ができてしまうという点であった。この仕組みによって、粗悪な外国産の食材と気づかずに食べてしまっているという恐れがあるということが本書を読んで特に印象に残った点である。

私たちが今では当たり前のように食べているアメリカ産の牛肉には、国産牛肉の約30~40倍の合成ホルモンが含まれており毎日食べ続けていると幼少期からガンを発生させるリスクが上がってしまうという危険性があるにも関わらず、日本国内に輸入されている牛肉は残留ホルモンの検査をしていないという。また、中国産の米にはカドミウムなどの金属で汚染されている可能性があるが、そのまま日本に輸入され煎餅やファミリーレストランなどで提供されるブレンド米として私たちは知らないうちに食してしまっているのだ。だからといって完全にこれらの食材を食べずに生活していくことは今や不可能であると思う。少しでも外食や既製品の購入を減らし、食事を自ら調理することで前述のような危険な食べ物と遭遇する可能性を減らしていくことが最も効果的ではないかという結論に最終的に至った。

今回、本書では食べ物について触れてあったが、外国から輸入されているものには食べ物以外にも生活用品や衣料品など様々なカテゴリーの商品が毎日輸入されている。私が今日感じることは、国産=安全という根拠のない一般常識が世間に広がっているということである。国産だからといって必ずしも清潔で安全な工場で生産されているという確証はどこにもない。また、昨今増加している飲食店での悪ふざけ動画のように食材を適当に扱っている人がいるようでは、いくら安全な食材を使っていても食中毒を起こしたり、本来検出されるはずのない成分が検出されたりと、国産品の安全神話は近いうちに崩壊していくのではないかと思う。つまり輸入品=悪・国産品=善ということではないのである。結局、国産品・輸入品に関わらずどちらも慎重に購入を検討し自分自身が安全だと思える食生活を送り続けていくことが健康的な食生活への近道なのではないかと思う。