大阪大学文学部  Y先生へのインタビュー

文学部 3年生 Yさんが、大阪大学文学部  Y先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

-本を読み始めたきっかけ

近所の文具店に売っていた岩波文庫に興味を惹かれ、大人への憧れから中学生の頃から文庫本を読み始めた。イギリス文学を研究していた父も「文庫だけは何冊でも買ってあげるから惜しみなく読みなさい」と後押ししてくれたおかげで岩波文庫を読破した。高校時代は試験前になると現実逃避すべく読書に没頭したが、こういうのは人間の習性なんだろうな(笑)。

-大学時代に読んで感銘を受けた本

やはり卒論で扱ったドクター・フォースタス。これだ、という直感があった。というのも当時既存の研究にはなかったシェイクスピア解釈の新たな糸口として学部生ならではの斬新な切り口を卒論で論じた。自分の生涯の研究テーマが決まった。

-読書の意義とは

メディアや今流行りのYouTubeといったいわゆる受動的情報源に比べ、読書というのは能動的なアプローチが必要となり、それなりに頭を使う。だからこそその情報が正しいのか自分の判断で見極める力を養うことができる。

-学生への助言

阪大文学部の学生と甲南生は読書量に圧倒的な差がある。阪大生は本当にたくさん読んでいる。読むということは「引き出しを持つ」ということであり、それは同時に文学を学ぶ上での「基礎体力を養う」ことになる。知識の引き出しがなければいくら文学的才能があっても優れた文章力を持っていても、何も深く論じられない。読むのが遅くてもいい。読んだ内容から何かを得られなくてもいい。ただ読んでいる、その話を知っている、ということ自体が重要なのだ。他の文学作品との関連性やより深い読み方が分かってくる、そういう引き出しを自分の中で作ればさらにオリジナリティが増した面白い文学評論ができるようになる。だから学生のうちに読め、ジャンルは問わず本でも論文でも何でもいいから手当たり次第、とにかくたくさん読め。

(インタビュアー:文学部 3年生 Y)