川村 元気 著 『億男 』

 

 

知能情報学部  4年生 Aさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 :  億男
著者 :  川村 元気
出版社:文春文庫
出版年:2018年

本学で所蔵している本はこちら→ 川村 元気 著 『億男』マガジンハウス , 2014年

映画「君の名は。」などをプロデュースし現代の映画を支えているプロデューサー、川村元気の「億男」にはお金の大切さを教えてくれる作品である。

その物語はお金がなくその影響で家族とうまくいかなかった主人公一男が突如大金を手に入れお金とは何かを考えていく。3億円という大金を使えばよいか学生時代の友人で現在は大富豪である九十九に相談に行ったが、次の朝には3億円と九十九の姿はなかった。なぜ九十九は消えてしまったのか?また、大富豪である彼が3億をもっていった理由とは?その答えを探すべく一男は九十九の知り合いを訪ね歩き答えを探していく。訪ね歩くうちにお金と幸せとは何かを、その答えを探し続ける物語になっている。一男が出会う人には「愛人ではなくお金を愛する」、「お金を捨てたくて仕方がない」、「お金の宗教に浸る」といった突如手にした大金により人生が狂ってしまった生活を知ってしまう。働けばその対価として手に入れることができる「お金」は物と交換するためのいわゆる交換手段である。「お金」があれば気持ちや生活に余裕が生まれ、「お金」がなければ不安などの人間の負の感情が働く。「お金」があたえる影響とはそれほどまでに大きくお金の大小によってその人の信用まできまるのだ。お金は人を幸せにしてくれると誰もがそう望んでいる。しかし、大金を得ればお金によって人生を狂わせてしまった人もいる。

お金とは何か幸せとはどこにあるのかということの答えを生々しいお金の世界と私たち人間の生活のつながりを考える機会になる作品である。