文学部 A先生へのインタビュー

文学部  3年生 髙橋 梨華子さんが、文学部 A 先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q .   図書館は利用しますか?

A .   以前は大学図書館に勤務していました。今は、小説などの貸し出しに利用するというよりも資料や文献を探すために利用することが多いです。甲南大学図書館も利用しますが、甲南大学にはない研究テーマの資料を求めて公共図書館に行きますね。今、明治大正の公共図書館と女性について調べています。京都府立図書館は明治にできた古い公共図書館なのでそれらの資料が揃っています。東京の都立図書館や国立国会図書館にもよく行きます。日本図書館協会の資料室も日本の公共図書館史などの文献がかなりそろっているので行きました。

Q .   おすすめの本を教えてください

A .   茨木のり子さんの詩で好きなものがあります。1970年代ごろに活躍した詩人ですが、女性のしゃっきりしたところが感じられてみずみずしく、今の学生が読んでも面白いと思えるんじゃないでしょうか。特に「自分の感受性くらい」(『自分の感受性くらい』茨木のり子 花神社 1977年)という詩や「いちど視たもの-一九五五年八月十五日のために-」(同詩集)はとてもいいです。「倚りかからず」(『倚りかからず』茨木のり子 筑摩書房 1999)という詩も、女性もしっかりした自分を持って、人のせいにせず自分の足で立って生きなさいということが書いてあり、おすすめの詩です。

それと『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ 筑摩書房 2018)。これは主人公の、生まれてから結婚、子供を産んで育てるまでの女性としての壁を淡々と書いています。それと、『ヒョンナム・オッパへ』(チョ・ナムジュ他 白水社 2019年)韓国の女性作家たちの作品集ですが、この中の「ヒョンナム・オッパヘ」という『82年生まれ…』と同じ著者の作品があります。結婚するのに、男の人は悪気なく自分が食べさせてやるとか守ってやるとかいうことを言うんです。でも、女性も自分で生きたいんですよね。男の人も気が付かずにそういうことを言っていて、悪気があるわけではないんです。思うところや気づかないところ、それを深刻に描かれているというわけではないので、何か考えるきっかけにしやすいと思います。女子学生だけではなく、男子学生にもぜひ読んでほしい本です。詩集にしろ、小説にしろ、女性が自立して自分の目をもって判断して生きよということが書いてありますので、読んでみてはどうでしょう。

Q .   本の一番の魅力は何だと思いますか

A .   知らないことを知ることができること、ですかね。知らない景色や知らない人、考えを知ることができます。そこから新しく考え始められる、ということが一番の魅力だと思います。

感想  : 私たち学生に向けてのおすすめということで、女性の自立や強さに関する本をたくさん紹介していただきました。外国の著者のものから40年前の詩集まで、私も一女性として、国や年代を超えた女性の考えを読んでみたいと思います。私の話もゆっくり聞いてくださって、リラックスしてインタビューができました。答えてくださった先生に感謝します。ありがとうございました。

<A 先生おすすめの本>

茨木のり子著 『自分の感受性くらい』花神社 , 2005年

茨木のり子著『倚りかからず』筑摩書房 ,1999年

(インタビュアー:文学部 3年  髙橋 梨華子 )