『The bird of happiness and other wise tales』

語学学習室からのBookReviewです☆
【レベル2】 837/D/2
Title: The bird of happiness and other wise tales
Series: Dominoes ; level 2

 私は以前ロシアに留学していました。帰国の際、ロシア人の友人よりもらったプレゼントの中に、この鳥があったのです。それは木でできており、きれいに細工されて、羽一枚一枚が別々のパーツで作られたのち、丁寧に糸で縫いあわされていました。立体的に羽を広げた鳥のようになっていて、とても細かな作りに私は目を見張りました。彼女にこの鳥について訊ねると「これは幸せの鳥よ。部屋の上のほうに吊るすようにして飾ると幸せが降り注ぐのよ。」とだけ教えてくれました。私は詳しいいわれなど気になりながらも、友人との別れに胸がいっぱいで、この鳥についてはそれ以上話にはのぼりませんでした。
 帰国したのち、私は部屋の上のほうにこの鳥を飾りました。糸に吊られてゆらゆらと羽ばたいているような鳥を見るたびに友人を思い出し、と同時に何故これが幸せの鳥なのかという疑問が浮かびました。
 今回偶然にこの本に出会い、表紙を見てあの鳥だとすぐに判りました。
 元気な男の子と、彼を大切に思う木こりのお父さんと優しいお母さん。毎日森を駆け回り、様々な鳥のさえずりを聞いて元気に育っていた男の子が、ある日多くの人が亡くなる流行病にかかってしまいます。きらきらと輝いていた少年の瞳から日々光が失われて行きます。お父さんは苦しみもがき、再び息子の瞳に希望の光を見出そうとします。それがこの鳥でした。
 他にアメリカ、ビルマ、中国、エジプト、メキシコ、ギニア・西アフリカ、インドのお話も掲載されています。