「人の心を支えたい」「カウンセリングをやりたい」――そう思う人の心の中に、他者を支配し、モノのように動かしたいという欲望はないでしょうか。他人を分析し、「あの人はおかしい」とラベルを貼って安心したい思いはないでしょうか。
この本は、対人援助職の人たちの心に潜む、そうした心の隙間について論じたものです。対人援助に携わる人は、ほとんどの場合は善意で相手のために仕事をしようとしています。その姿に偽りはないでしょう。それでも、心にちょっとした隙間風が吹くことがあります。それに自覚的であるには、どうしたらよいのでしょうか。皆さんの意見を聞かせてもらえればと思います。
■ 『当事者としての治療者 : 差別と支配への恐れと欲望』
■ 富樫公一著 , 岩崎学術出版社 , 2021.4
■ 請求記号 146.1//2407
■ 配架場所 図書館 1F 教員著作
■ 著者所属 富樫 公一 (文学部・公認心理師養成センター)