伊藤亜紗 著『目の見えない人は世界をどう見ているのか』

書名 : 目の見えない人は世界をどう見ているのか(光文社新書)
著者 : 伊藤亜紗 著
出版社:光文社
出版年:2015年

甲南大学では、人間科学、知能情報学、生物学を専攻している方と、これらの分野に興味のある方におすすめです。つまり、福祉というより「認知」に関する本です。
感覚の一つを失った「人間」を知ることで、新しい視点から人間を知ることができる1冊です。

本書の中に「リハビリと進化は似ている」という節があります。(p.112-)著者によると、「事故や病気によって何らかの器官を失うことは、その人の体に、「進化」にも似た根本的な作り直しを要求」することが、環境によって身体を作り替えてきた生物の進化に似ている、とのこと。
確かに、パラリンピック等で活躍されている方をみていると、人間が新しい可能性を掴んで、新たな地平を切り開いているように思えます。
それは、何かを失わないとできないことなのか、一度考えてみませんか。