柳 広司著 『ジョーカー・ゲーム』

知能情報学部   4年生 Iさんからのおすすめ本です。

書名 : ジョーカー・ゲーム
著者 : 柳 広司 著
出版社:角川グループパブリッシング
出版年:2008年

この本は「スパイ」を題材としたミステリー小説となっています。あらすじとしては昭和十三年頃、魔王と呼ばれている結城中佐がD機関と呼ばれる諜報機関を作ります。当時陸軍内部からは「諜報活動など卑怯で卑劣な行為だ」という反発があり一時は他国スパイによる機密情報の漏洩が相次ぎ認められるかと思いきや、養成所でスパイとして教育される学生が軍学校ではなく一般の大学を出た者たちから選抜されるとわかると陸軍側からの反発は今まで以上に沸騰します。

そんな中でも奇妙奇天烈な選抜試験を通過し、想像を絶する訓練をうけた十二名は世界を相手にスパイとして活躍していくこととなります。一話完結の形でそれぞれ一人の人物の視点からその人物を語り手として話が進行していきます。中にはD機関のスパイではない人物の視点のものもあります。僕がこの小説で特に気に入っている部分はやはりストーリーです。ミステリーなので当たり前といえば当たり前ですが最後まで分からない展開や登場人物の驚きの背景は衝撃を与えてくれます。アメリカ、イギリス、上海、ドイツといった地域でスパイや軍隊と戦ったり、D機関として裏で暗躍したりといったハラハラドキドキを味わうことができると思います。

ミステリーという性質上あまり詳しい内容を書くことはできませんが、ミステリー好きだけでなく多くの人に読んでもらいたい作品です。このシリーズで他にも数冊出版されておりアニメや実写映画、漫画もあるみたいなのでこの本を読んでジョーカー・ゲームの世界をもっと味わいたいと感じた方はそちらも見てみてはいかがでしょう?