アルベルト・サヴォイア著, 石井 ひろみ訳 『Google×スタンフォード NO FLOP! 失敗できない人の失敗しない技術』

知能情報学部 4年生Uさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : Google×スタンフォード NO FLOP! 失敗できない人の失敗しない技術
著者 : アルベルト・サヴォイア著, 石井 ひろみ訳
出版社:サンマーク出版
出版年:2019年

 新事業の多くは失敗する、リアルな体験談から始まり失敗の検証とリスクを低減するための考え方という流れで進む。0→1の考え方の1つとしてデザイン思考、仮説思考に理論や考え方は近い。「ライトイット、プレトタイピング」などの新しい言葉と、具体的な事例を交えて説明しているので実践向けのような内容となっている。モノでもサービスでも仮説を数字に落とし込むまで考え、まずはラフスケッチな状態で市場に仮説を問いかける。そして、数字を修整して精度を上げつつ、改善ループを回しビジネスモデルの完成度、現実感を高める事が重要だ。

 「自動洗濯物畳み器」開発にあたってのニーズ調査のため、試作品を作る前に、人が機械(はりぼて)の中に潜んで実際に畳んでユーザがお金を払うかテストする、という話を聞き、目から鱗だった。出典であるという本書を読むと、プロトタイプの前にやるべき、「プレトタイプ」(pre-とpretendがかかっている)についての手法と実践例が豊富に掲載されている。上の話でも分かるが、新しい商品やサービスのニーズを図るうえでは顧客が身銭を切ることが重要。「買いたいと思いますか」という意見は全くあてにならない、と思う。

 何より、世界にとってやるべきだとしても、自分にとってやるべきか、も重要という最後の部分が刺さった。