図書館では、毎年、新入生の方向けに「お勧めの本」や読書法、図書館や本との付き合い方などを先生方に紹介して頂いています。
(紹介文は、「教員おすすめ」メニューから読むことができます。)
どの本も面白そう、と思っていたのですが、その中で経営学部の池田先生からお勧め頂いた本を読んでみました。
『失敗の本質 : 日本軍の組織論的研究』1984年
393.3//17 図書館 3階書庫一般
先生、これは難しいです! でも、すごく面白いです!
太平洋戦争で、「日本はなぜ負けたのか。」
物資不足だけではなく、ヒト・モノ・カネの使い方や、意思決定の流れ、つまり「組織」に致命的な欠陥があったのではないか、という仮説を検証した本です。
(読んでみると分かるのですが、これは大変な作業です・・。)
この『失敗の本質』が今、再び注目を集めています。
それは、東日本大震災という危機に対して、日本が再び「失敗」したからです。
(さらっと書きましたが、深刻な問題です。)
なぜ、日本人は危機的状況に弱いのか。
経営者を中心に、この問題に向き合おうとする人々が、この本を読んでいます。
でも、やはり、少し難しすぎる・・・という方のために、入門書が出版されました。
写真の一番上の本です。
『「超」入門 失敗の本質』2012年
391.3//2011 図書館1階開架一般
こちらは池田先生からはご紹介がありませんでしたが、初心者向き。
写真や図を使って「超」わかりやすく説明されているだけでなく、ビジネス現場での事例も取り上げられています。
そして、同じ2012年に、オリジナルの執筆陣からも、新しい『失敗の本質』が出版されました。(こちらの本が、池田先生お勧めの本です。)
『失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇』
391.3//2010 図書館1階開架一般
新たな執筆陣を加え、1984年に出版された後に判明した新事実も加えられています。
ビジネスの事例や現代社会への提言なども加えられており、より実践的になっていました。
初版を出版して以来、研究を続けてこられた編著者の野中先生は、リーダーシップの本質として突き当たったコンセプトは「フロネシス(賢慮・実践知)」であると記しています。
「フロネシスの中身を一言で言えば、個別具体の物事や背後にある複雑な関係性を見極めながら、社会の共通善の実現のために、適切な判断を素早く下しつつ、みずからも的確な行動をとることができる「実践知」のことをいう。そうした知を備えたリーダーがフロネティック・リーダーだ。」(まえがきより)
・・・一言で説明されるとよくわからないですよね。
ここから先は、読んでみてください。人生を変えられるかも知れませんよ。
失敗から学ぶことができなければ、新しい時代は作れない。
異質を取り込まなければ、イノベーション(革新)は生まれない。
「新たな環境変化に対応するために、自己革新能力を創造できるかどうかが問われているのである。」
(初版巻末より引用)
がんばりましょう!
(Konno)