岳 五一 (Wuyi Yue) 知能情報学部 ほか著 『Performance Analysis of Multi-Channel and Multi-Traffic on Wireless Communication Networks (和訳:無線通信ネットワークにおけるマルチチャネルとマルチトラヒックの性能解析) 』

<教員自著紹介>
本書は、 無線通信ネットワークにおけるマルチチャネルとマルチトラヒックの性能解析に関する著者らの研究成果の一部を一貫性をもって論述した専門書です。情報通信ネットワークに見られるように、共有の資源(通信回線、周波数帯域、交換機等)を多数の端末やコンピュータ等で利用する場合、資源競合が起こります。さらに資源要求の発生や回線の占有時間がそれぞれ異なるマルチメディア通信ネットワークでは、利用者が満足する高品質サービスを提供しなければなりません。これまで主流であった電話によるトラヒックから、データ/マルチメディアのトラヒックへ比重が大きく移行しつつある高速・大容量の無線通信ネットワークにおいて、マルチトラヒックを扱う不確定要素が複雑に絡みあうネットワークの性能解析と数値的評価には、教科書にある従来の解析法などを適用し難い実情があります。本書は、まず、このような無線通信ネットワークにおけるマルチチャネルとマルチトラヒックの性能評価の背景、通信プロトコル、特にランダムアクセス方式と関連解析について説明しています。そして、最新の無線通信ネットワークにおける多様な確率的性質を表現可能とする新しい通信トラヒックのモデリング手法、および連続時間と離散時間システムモデルに対する厳密な解析手法や数値計算法、また厳密な数値計算による定量的なシステム性能評価手法、について重点的に論述しました。つまり、本書は確率過程論、トラヒック理論やシミュレーション技法による最新のマルチメディア移動体無線通信ネットワークにおけるトラヒック性能の解析と数値計算によるネットワーク設計のための専門書です。一方、本書は技術参考書にもなるよう、状態遷移図を用いて導出過程がわかりにくい数式の導出過程に関する解説や数値計算アルゴリズムも詳細に記述しています。情報通信ネットワークの高度化と高品質化に関する研究は今後一層の発展が期待されるため、本書はマルチメディア・マルチチャネル通信ネットワークの性能解析に関する数理的アプローチへの最適な指導書と言えます。  
 
■『Performance Analysis of Multi-Channel and Multi-Traffic on Wireless Communication Networks (和訳:無線通信ネットワークにおけるマルチチャネルとマルチトラヒックの性能解析)  』
岳 五一 (
Wuyi  Yue) ほか著、Kluwer Academic Publishers 、2002年
■請求記号 547.52/Y96

■配架場所 図書館 4階書庫一般
■著者所属 知能情報学部 教授
  

■岳先生からのお薦め本
通信トラヒック理論の基礎とマルチメディア通信網 
川島幸之助 ほか共著、電子情報通信学会、1995年11月         
■請求記号 547.21/Ts29
■配架場所 図書館 1階開架一般                                  

通信流理論基礎与多媒体通信网 』 
岳 五一 (Wuyi  Yue)、呂延杰訳、清華大学出版社、2000年11月