投稿者「図書館」のアーカイブ

紺野キリフキ 著 『はじめまして、本棚荘』

 

文学部  3年生 Tさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 :  はじめまして、本棚荘
著者 :  紺野キリフキ
出版社:メディアファクトリー
出版年:2010年

もしも本棚だらけのアパートがあるのなら、読書が好きなあなたは入居したいと思うだろうか。

「昔はねえ、お家賃というのは本で払ったものですよ」と、本棚荘の大家さんは言う。このアパートは、中にも外にも本棚だらけである。そんな所へ姉の代わりに引っ越してきた、本に興味のない「わたし」。

主人公の女性は「とげ抜き師」である。とげ抜き師とはどんな職業なのだろうか。
作中では、このとげ抜き師に対して疑問を抱く人物はいない。むしろ、「とげ」を抜いてもらうために彼女の元へ訪れ、「わたし」はそのとげを抜くのである。
夜の仕事に務める女のとげ、猫遣いの男のとげ、眠り姫と呼ばれる大学生のとげ、捨てられたサラリーマンのとげ、それぞれ違う理由で携えてしまったとげや、その本棚荘の人々と関わりあうことで、「わたし」は確かに成長していくのである。

この物語の肝は、やはり詳しく説明されることのない「とげ」という存在である。しかし、読者は登場人物たちのとげを知るたびに、どこか現実味を感じて、違和感なくこの存在を受け入れることができるのである。それはきっと、読み手が心のどこかで感じた感情をゆったりと重ね合わせることで、言葉にするのは野暮であるように「とげ」の正体を理解することができるからである。
そして、紺野キリフキという作家が描き出す世界は、あまりにも現実を突飛に切り取っている。それはまさに確立した世界観であるといえるだろう。その優しくも摩訶不思議な文章はぜひ一度味わってもらいたい。

姉が返ってくることが決まり、最後は「わたし」が本棚荘から立ち去る姿が描かれる。その描写は、まるで不思議な世界に迷い込んだようである。
本を閉じれば、自分にとっての「とげ」と静かに向き合いながら、心地良さがふと残ったまま。

 

森 絵都 著 『カラフル』

 

文学部  3年生 Tさんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名 : カラフル
著者 : 森 絵都
出版社:文藝春秋
出版年:2007年

本学で所蔵している本はこちら⇨ 森 絵都著 『カラフル』講談社 , 2011年

自分で初めて買った小説を思い出せるだろうか。私にとって「カラフル」はそんな一冊である。

死んだはずの自分の魂が抽選に当選したことにより、本来なら生まれ変われるものの生前の過ちのせいで輪廻のサイクルから外れた「ぼく」が、自殺を図った中学生である小林真の体を借りることで、天使と共に、生前に自分が犯した過ちを探るという物語である。

まるで児童文学のようなファンタジーである物語には、リアルな社会問題を抱えた登場人物たちが描かれている。ユーモアある在り得ない設定により、それが優しく描かれているため、そのバランスこそが幅広い年代の人々に親しまれ続けている理由ではないだろうか。

主人公である「ぼく」には記憶が無く、そんな状態で突然知らない環境の中へ放り込まれるわけだから、その手探りで人間関係を図りながら宿主である小林真という人物像を探そうとする姿は、楽しみながら気軽に読み進めることができる。あまりにもどうしようもない人間であった小林真を変えるために奮闘する姿も、その初々しい努力にはどこか惹きつけられるような魅力を感じるだろう。そんな中、立て続けに辛い出来事が「ぼく」を襲う。そして、10代という多感な時期に生きる登場人物たちは、その不安定な気持ちを吐露し合っていくのである。そこからは、薄暗くもどこか共感できるような感情が描かれており、言葉の一つ一つが鮮明かつ印象的に心に残るのではないだろうか。

そして、「ぼく」は本来の目的である生前の過ちを思い出すのである。
読了後余韻として残るのは、「カラフル」というタイトルの意味と、数々の名言である。

当たり前に生きる日常が、少し違った見え方をするようになるかもしれない。
まだ読んだことのない方にはぜひ一度手に取って頂きたい名作である。

尾形 真実哉 (経営学部)『若年就業者の組織適応:リアリティ・ショックからの成長』

<教員自著紹介>

本書は,企業で働く若手社員に焦点を当て,リアリティ・ショックなどの適応課題をいかに乗り越え,一人前に成長していくのか。また,若手社員を上手に適応させるための会社や職場の働きかけにも焦点を当て,若手社員の組織適応を質的データと量的データを用いて丹念に分析しています。

企業の人事担当者や管理者だけではなく,これから社会に出る学生も多くのヒントが得られるはずです。

下記、本書のレビュー記事になります。併せて参考にして下さい。
https://www.rosei.jp/jinjour/article.php?entry_no=77804

■『若年就業者の組織適応:リアリティ・ショックからの成長 
■ 尾形 真実哉 著 , 白桃書房 , 2020年2月
■ 請求記号  336.4//2576
■ 配架場所  図書館   1F 教員著作
■ 著者所属  尾形 真実哉 (経営学部)

 

<尾形先生お薦めの本>

中原淳 編(2017)『人材開発研究大全』東京大学出版会.
金井壽宏・鈴木竜太 編(2013)『日本のキャリア研究―組織人のキャリア・ダイナミクス―』白桃書房.

【学生対象】本の郵送貸出と 文献複写の郵送サービスを開始しました!

📖 学生の皆さまへ 📖

図書館では、学生の学修を支援するため 5/7(木)より、休館中の新たなサービスとして、 本の郵送貸出と 雑誌のコピーの郵送サービスを開始しました。(無料です。)

本の貸出の送料はかかりません。返却は6/15(月)ですが 通学ができるようになってから の返却で構いません。是非、自宅での学びの一助としてお役立てください。

📚 詳しくは、こちら

5/7(木)からスタートしたサービスですが、5/15(金)現在、既に約140名の申し込みがありました。通常は、会議や来客で利用している館長室を作業場として、出来るだけスムーズにお届けできるよう現在限られた人員体制ではありますが、職員一同、汗水たらして頑張っています!

お申込み中の皆さま、お届けまでもう少々お待ちください!

 

学外から利用できる電子書籍もあります。☞ 📚 詳しくは、こちら 

読むことで、目から鱗が落ちる本が見つかるかも? ぜひご活用ください。

 

KONANライブラリサーティフィケイトの皆さん、これからエントリーしようと思っている方、外出自粛の今!お家で本を選んで読める絶好のチャンスです🎵

皆さんが将来、社会に出て働くようになると、こうしたまとまった静かな時間はなかなかありません。

読書をするのも良し!家族と一緒にゆっくりと食事や話をするのも良し!爽やかな気候になってきたので散歩やジョギングをするのも良いかもしれません。

ピンチはチャンスと前向きに捉えてぜひ、知的好奇心を最大限に発揮して、限られた行動範囲のなかでも今しかできない自分だけの時間を作ってもらいたいと思います。

図書館では、頑張っている皆さんをいつでも応援しています。分からないこと、不安なことがあればメールにて、いつでも相談してください。

2019年度 KONANライブラリサーティフィケイトの活動をポスターで紹介!

 🌸 新入生の皆さま、ご入学おめでとうございます 🌸

図書館2階の閲覧席から見た景色です。現在は少し葉桜になっていますが、入学式の時は、毎年絶景ポイントとなっています!勉強や読書をしながら目と心も癒せるスポットとして人気です。

図書館は4月7日の緊急事態宣言を受けて、5月6日(予定)まで臨時休館しています。残念ながら図書館に来られない方に、2019年度KONANライブラリサーティフィケイトの皆さんの活動記録を図書館内南階段の踊り場に、ポスター展示しましたのでご紹介します!KONANライブラリサーティフィケイトとは、読書習慣及び情報探索力・表現力・行動力・企画力などを身につけた学生を評価しようという制度です。詳しくはこちら

 

ピンクと黄色のポスターには、おすすめの本をレビューとしてまとめた書評やpop、教員インタビューを紹介しています。レビューからは、紹介する本に対する熱い思いが伝わってきます。本選びの参考にしてください。又、教員インタビューでは、先生の普段と違った一面を知り、緊張したけれど楽しく貴重な経験となったという感想も多いので、学生のみなさんには是非これを機会に挑戦して欲しいと思います。

 

2級の要件、図書館が企画したイベントやボランティアに参加して取得するもの(水色)1級の要件、学生自ら企画を提案し実現するもの(黄緑)です。1級の学生企画では、3人がそれぞれ得意分野で力を発揮し魅力的な展示を提案してくれました。

新型コロナウイルスの影響で、外出が出来ないこんな時こそ、読書をおすすめします!読書をする内に、自然と文章力やコミュニケーション能力がつきます。即戦力にはならなくても、本で読んだ知識が土に種を撒くように、後々になって開花するそんな事もあったりします。

サーティフィケイトの過去の活動は、このブログ右横にあるカテゴリーから、2. 学生おすすめ (学生による書評など) 3. 教員インタビュー 9.KONANライブラリーサーティフィケイトから閲覧できますので、是非参考にしてください。

みなさま、大変な時ですがどうか健康にお過ごしください。そして、この状況が落ち着いたら開館しますので、その時は図書館で元気にお会いできるのを楽しみに待っています。

最後に、開館したら是非!2階ヘルプデスクへお越しください。ライブラリサーティフィケイトのエントリーお待ちしています!

 

帯谷 博明 (文学部)『社会運動の現在: 市民社会の声』


<教員自著紹介>

この本は、反原発や反ヘイトスピーチ、米軍基地問題、ハラスメント、貧困問題など、現代のさまざまな社会的課題に取りくむ<社会運動>について、具体的な事例とフィールドワーク(社会調査)のデータをもとに、社会学の視点から解説した専門書です。

専門書ですが、大学の授業のテキストや参考図書になるようにも配慮をしました。16人の執筆者が提示する16の章をぜひ読み比べてみてください。

■『社会運動の現在 : 市民社会の声 = Social movements then and now : voices from civil society
■ 長谷川公一 編 帯谷博明 他  著 有斐閣 , 2020.1
■ 請求記号 309//2028
■ 配架場所   図書館   1F 教員著作
■ 著者所属   帯谷 博明 (文学部)