文学部 稲田清一先生へのインタビュー

ライブラリ サーティフィケイト「教員インタビュー」の作成例です。
文学部の稲田清一先生にご協力いただき、図書館員がインタビューしました。


―本はよく読まれますか。

昔から本を読むことが好きで、特に五木寛之や筒井康隆などの小説をよく読んでいました。気に入った本は読み返すこともあります。

―本を探す場合、どのような方法で探されますか。

同じ著者の別の本を読んでみたり、読み終わった本から連想して探します。昔から文庫本の解説目録やカタログを読むのが好きなので、そこから本を探し、読みたい本のリストを作ったこともありました。

―本を読むことが好きということですが、図書館や書店などはよく行かれますか。

昔は新刊書店や古本屋などに行き、本や文芸雑誌などをよく買って読んでいました。図書館は大学院生の頃によく利用しました。本や論文の参考文献リストから、新しい本や論文を探して、文献を集めていました。

―先生は中国史を研究されていますが、昔から中国史に興味を持たれていましたか。

大学に進学する時は、歴史に限らずアジアについて学びたいと思っていました。大学2年生の秋に自分の専門分野を決めることになり、その時に東洋史を選択しました。

―アジアについて学びたいと思われたきっかけなどがあれば、教えてください。

私が大学に入学した1970年代は、日中国交正常化(1972年9月)、サイゴン陥落によるベトナム戦争の終結(1975年4月)など、様々な出来事がありました。また、1976年は、唐山地震の発生、周恩来、朱徳、毛沢東の相次ぐ死去、四人組の逮捕など、中国にとって激動の1年でした。

そういったニュースを目にしたり、本多勝一のルポルタージュや開高健の『輝ける闇』などを読んだりする中で、南北問題(北の富裕な先進工業国と南の貧困な開発途上国との経済的格差を中心とする問題)に興味を持つようになり、アジアについて学びたいと思うようになったのだと思います。

―中国史に興味がある方に薦める本などがあれば、教えてください。

中国史に興味がある方には、『中国の大盗賊・完全版』(講談社現代新書)を推薦します。この本は天下を取った大盗賊として、陳勝・劉邦、朱元璋、李自成、洪秀全、毛沢東について書かれています。ぜひ、一度読んでみてください。

【まとめ】
 質問内容を考えることは難しかったですが、インタビューの中で、本の選び方や読み方など、先生と自分の共通点がいくつも見つかり、インタビューの面白さを感じ、とても楽しい時間になりました。
 インタビューの最初に「昔は本を読むのが好きだと思っていたが、今はそうではないような気がしている。」とおっしゃられていましたが、昔読まれた本を紹介されていた時、とても楽しそうで、「本を読むことが好きだ」というお気持ちが伝わってきました。

『中国の大盗賊』は私もとても面白そうだと思ったので、今度読んでみようと思います。

<稲田先生おすすめの本>
高島 俊男著 『中国の大盗賊・完全版』(講談社現代新書),講談社,2004年
 配置場所:図書館 1階開架小型  請求記号:S081.6/1746/23 

(インタビュアー: 図書館職員)