5-0.KONAN ライブラリ サーティフィケイト」カテゴリーアーカイブ

スー・スチュアート・スミス著 和田佐規子訳 『庭仕事の真髄 : 老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭』

 

文学部  4年生  Iさんからのおすすめ本です。

書名 : 庭仕事の真髄 : 老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭
著者 : スー・スチュアート・スミス著 和田佐規子訳
出版社:築地書館
出版年:2021年

皆さんは、最近自然と触れ合うことはあるだろうか。

本書は、ガーデニングを通して自分の気持ちや心を癒していく人々の姿を描いた物語である。イギリスでは、「サンデータイムズ」ベストセラーや、タイムズ紙、オブザーバー紙の「今年読むべき1冊2020年」に選出された1冊である。

戦争で負った心の傷をガーデニングで癒したという祖父や、ガーデンデザイナーである夫から影響を受け、著者は精神科医でありながらガーデニングに熱中する。そこから、自然やガーデニングを用いた治療法を試していく。患者は、心の病気を患う人や、虐待を受けた経験がある人、罪を犯した人、復員兵士など様々なバックグラウンドを持つ人々である。彼らは野菜や花を育て、それらを手入れする過程で、自分自身と向き合い、感情をコントロールしていく。本書からは、自然が持つ治癒力のすごさを学ぶことが出来る。

本書では、現代人が、生活で自然や人と触れ合う機会が少ないことについても触れている。実際、コロナ禍で、デジタル化がより進み、オンライン授業やテレワークなど、外に出ることや、直接人と触れ合うことがなくても成り立つことが増えている。私たちはその便利さと引き換えに、大切な何かを失ってはいないだろうか。スマートフォンやパソコンといった無機質なものに囲まれ、現実を見失ってはいないだろうか。

本書は、現代人が、野菜や花、木などの生命と直接触れ合うことが大切だと記している。植物が育ち、枯れ、また成長していく姿からは、生命の大切さを感じることが出来るからだ。そして、自分自身も自然の一部だということに気付き、自分自身の生命や感情、思いも大切にできるようになると述べている。

ガーデニングは時間が経つのを忘れさせてくれると本書で書かれているように、約300ページある本書も時間を忘れて読むことが出来る。デジタル化が進んだ今、自然と触れ合う大切さを気付かせてくれる一冊である。

翻訳家 小竹由美子さんの展示コーナー設置しました 

 6月23日(木)3限に、1号館123教室で秋元孝文先生のゼミ主催のオープンセミナーが開催されます。今回は、ノーベル文学賞作家アリス・マンローの翻訳でも知られる小竹由美子さんをお招きして、翻訳家を志した動機や仕事内容についてお話を伺います。甲南大生なら誰でも参加できます。

 

 

       
 図書館ではそれに伴い、意欲的な学生ボランティア2名とともに特設展示コーナーを設置しました。本のピックアップや書影の作成、ポスターやポップの掲示など、図書館の仕事に興味を持って、熱心にお手伝いしてくれました。ありがとうございました!

 特設展示コーナーは、1階入館ゲート正面にあります。どれも素敵な装丁でつい手に取って読んでみたくなりますね。あなたの生涯の1冊に出会えますように。

 

水野 敬也 著 『夢をかなえるゾウ 』

経済学部   1年生 村井 舜さんからのおすすめ本です。

書名:夢をかなえるゾウ
著者 :水野 敬也 著
出版社:飛鳥新社
出版年:2007年

人間の身体にゾウの頭、四本の腕を持ったインドの神様“ガネーシャ”をご存じだろうか。
どうやらガネーシャが言うにはモーツァルトもピカソもビル・ゲイツをも育てて有名にしたのは彼らしい…

子供の頃から何度も先生や、その他の大人の方から聞かれた言葉に「将来の夢は?」というものがある。そのように聞かれれば多くの人はプロ野球選手に芸能人、医者や経営者など世間的に見て成功している人を答えることだろう。では彼らのように夢を叶え、成功するためにはどうすればいいのだろうか。その方法をなぜか関西弁を話すインドのゾウの神様“ガネーシャ”は(あんみつと引き換えに)教えてくれる。

自己啓発本といえば筆者の成功談を堅苦しく書き綴ったものが多く、少し読みにくいように感じることが多いが、この本はそうではない。著名人のほとんどはワシが育てたと自称するインドの神様ガネーシャと自分を変えたいと話す主人公との会話形式でこの本のストーリーは進んでいき、その中には日本人にもよく知られている別の神様も登場する。ガネーシャからは簡単な課題が与えられ、その課題を主人公は一つひとつこなしていくことでだんだんと成長していく。会話形式で進んでいくのでとても読みやすく、本を読みながら自らできることは実践してみることで主人公と一緒に自分自身も成長していき、ときにはガネーシャにツッコミをいれたくもなるとても読みやすくおもしろい本である。

今までとは違う自分になりたい、変わりたいと思ってはいるが行動を起こせていない人、なにか大きなことをしてでも自分を変えなければいけないと思っていないだろうか、そんなことはない日常の些細なことを意識し行動するだけで自分を変えられる、自分を成長させることができる、そう気づかせてくれる一冊になっている。

私は大学生の間にこの本に出会い、読むことができてよかったと思っています。興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。

パニコス・パナイー著 栢木 清吾訳 『フィッシュ・アンド・チップスの歴史 : 英国の食と移民 』

文学部  3年生  Iさんからのおすすめ本です。

書名:フィッシュ・アンド・チップスの歴史 : 英国の食と移民
著者:パニコス・パナイー著  栢木 清吾訳
出版社:創元社
出版年:2020年

イギリスの食べ物と言えば、皆さんは何を思い浮かべるだろうか……

本書はイギリスの代名詞であるフィッシュ&チップスの歴史を巡る物語である。フィッシュ&チップスの誕生は19c半ばと言われ、その誕生から200年も経っていない。本書ではそのフィッシュ&チップスがどのように誕生したのか、そしてどのようにイギリスや世界で広がっていったのかについて書かれている。

特に興味を惹かれるのは、フィッシュ&チップスのフライドフィッシュはユダヤ人文化から、(南米原産のジャガイモが材料の)チップスはフランスからもたらされたと言われていることだ。イギリスの調理技術や食材を用いていないフィッシュ&チップスが、イギリスの象徴となっていく過程では、グローバル化における自国文化のあり方が問われていると感じる。

グローバル化が食に与える影響は、例えば日本のスシで考えることも出来る。アメリカでSushiと言えば、海苔が内側で、米が外側になった巻き寿司に、アボカドやサーモン、カニカマなどを組み合わせたカリフォルニア・ロールなどが有名である。アメリカで人気のSushiは、日本人が思い浮かべる握り寿司のようなものとは、かなり異なっている。しかし日本からもたらされたスシは、アメリカでSushiという一つの新たな文化として進化を続けている。

このように、イギリスで発展したフィッシュ&チップスも、移民や外国の技術がなければ誕生しなかったのだが、これは食に限った話ではない。グローバル化が進む世界では、様々なバックグラウンドを持つ人々が入り混じり、新たな文化を生み出している。自国の文化を保つことも大切だが、他文化を尊重して取り入れ、新たな文化を生み出すことも、今の世界では大切なことだと感じる。本書では、フィッシュ&チップスというイギリスの食べ物を通して、移民や外国文化との融合で生まれる新たな文化の捉え方を学ぶことが出来る。グローバル化の現代、世界が手を取り合うべき今だからこそ、読んで見て欲しい一冊である。

朝井 リョウ著 『学生時代にやらなくてもいい20のこと 』

文学部  3年生  Sさんからのおすすめ本です。

書名 : 学生時代にやらなくてもいい20のこと 
著者 : 朝井 リョウ著
出版社:文藝春秋
出版年:2012年

この本は『桐島、部活やめるってよ』で有名な朝井リョウさんのエッセイである。大学で100キロ歩いたり、旅行に失敗したりする話をはじめ、作者の様々な大学生活が20に分けて語られている。

読みどころは、つい笑ってしまう作者の体験である。私は、甲南大学のある授業で様々な感情の中で「おもしろい」を表現することは難しいと学んだ。嬉しいや悲しい感情はある程度共通するものの、「おもしろい」はそれぞれ人によって笑いのツボが違うからである。しかし、この本は個人的には笑う箇所が多かった。

なぜ「おもしろい」を上手く表現していたか考えると、予想を裏切る展開が多いからだと思う。世間の人が一般に想像する展開を裏切るほどギャップが大きくなり笑いを生みだすと別の本に書かれていたことを思い出した。例えば、作者と美容師の会話である。自慢のシャンプーの効能を当ててほしいという美容師に対し、作者はしぶしぶ髪がつやつやになるとありきたりな回答をするが、美容師からは意外な答えが返ってくる。このように、作者のエッセイでは大抵の人が想像する展開を見事に裏切る箇所が散りばめられていたのだ。

最近では、大学時代には○○をすべき、○○はやってよかったなど、読むことに意味を見出す本やネット記事が多くある。しかし、目的を持たずに一人の学生時代の日々をつづった本も固まりきった頭をほぐしてくれるのではないだろうか。タイトルには「学生時代にやらなくていい」とあったように、付箋を貼る箇所は1つも無かった。それでも意味や目的を考えず、自分の興味や気持ちを優先していた作者の体験を読むと無駄なことも大切だなと感じられた。北海道へ思いつきで旅行したり、東京から京都に自転車で移動したりする体験を読むとコロナ禍で遠出が厳しい中一緒に旅をし、思い出を分けてもらえた気分になった。

エッセイは20の話に分かれており、短編なのですぐ読める。20の中から1つでもお気に入りの話を見つけて隙間時間や疲れた時に読んでもらいたい。

50冊多読チャレンジ 達成者インタビュー

林 杏樹(はやし あんじゅ)さん  理工学部生物学科 3年次生

2022年3月31日に『多読チャレンジ』50冊を達成されました。
1年次に引き続き、今回で2度目の達成となります!

 様々なジャンルの本の中から、自分に合ったものを見つけ、主にファンタジーの物語や“Magic tree house”(レベル3)シリーズを中心に読まれたそうです。
 実験で専門用語が多い英語の論文を読む機会があり、前より文章をスラっと読めるようになった気がしますとお話しされていました。

 以下は、ご本人のアンケートによるものです。


Q.『多読チャレンジ』達成の感想を教えてください。または、『多読チャレンジ』達成の為に工夫した事を教えてください。

A.前回は25冊に挑戦したので、今回は50冊を達成するということが目標でした。
私にとっては数が多いと感じたので、シリーズ物を読むようにしてどんどん読み進めました。冒険したり動物が出てくる話が好きなので、そのような本を積極的に読んでやる気につなげました。

Q.『多読チャレンジ』を終えて実感した効果を教えてください。

A.文法などを深く考えることなく、文章が入ってくるようになったと感じています。授業などで英語を読む機会があっても、読むスピードは上がっていると感じました。

Q.チャレンジする図書はどのように選びましたか?

A.タイトルや表紙の絵を見て、内容を想像して選ぶことが多かったです。知っているタイトルがあると読んでみることが多く、絵がかわいらしいものも選んでいました。展示棚にあったBook Reviewは目にすることが多かったので一部参考にしていました。

☆おすすめの本として写真の“The cobble street cousins”(レベル2)のシリーズを紹介してくれました。絵がかわいらしくてお気に入りだそうです。


 甲南大学図書館では、多読チャレンジャーを随時募集中です。
 英語多読学習に興味のある方は図書館1階カウンターでエントリーしてみてください!
 達成すればKONANライブラリサーティフィケイトの2級以上の要件にも適用されます!