月別アーカイブ: 2015年12月

『第7回多読チャレンジの会』を開催しました。

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12月18日(金)、語学学習室において『第7回多読チャレンジの会』を開催しました。
今回は、授業で出された課題のための図書の選び方、皆さんが抱える「多読の悩み」等についてお答えしました。
語学学習室内では、12/25(金)まで“Christmas”をテーマに、名作本やスタッフお勧め本を展示しています。冬休み期間中の特別貸出に併せて、読んでみませんか。

 

■『第8回多読チャレンジの会』について
・日程:2016年1月27日(水)
・日時:12:00~12:30
・場所:図書館 語学学習室
春休み期間中の特別貸出に併せて、上記の日程で開催を予定しています。
「多読チャレンジ」のラストスパートに向けて、スタッフがサポートいたします。
是非、ご参加ください!

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【お知らせ】
「多読チャレンジ」の締め切り(2016/3/31)まで、残り4ヶ月を切りました。多読チャレンジャーの皆さん、進み具合はいかがですか?25冊・50冊コースが達成出来た方は、「多読チャレンジシート」を図書館1階カウンターまで提出してください!

藤井一亮(教職教育センター)『公民教育とは何か』

   <教員自著紹介>
   高校生(18歳)が選挙権を行使することになる現在、全ての教科の教師が学校で民主主義を教えるということを、原点から再考する時期に来ている。公民教育の根底に流れる「よりよい社会の形成に参画する」とは如何なることか、先人たちに学びながら、「人間としての在り方生き方」を真摯に見つめ直す。                                        本書は著者の「公民教育」にかかる論攷や教育研究及び実践をまとめたものである
 
■『公民教育とは何か』 藤井一亮(著) ミネルヴァ書房 2015年10月
 ■請求記号 371.6//2041 
■配架場所 図書館1階開架一般
■著者所属 教職教育センター  教授 

■藤井先生からのお薦め本
  『ゴルギアス』 プラトン著 加来彰俊訳、(岩波文庫)
 
 『ソクラテスの弁明・クリトン』 (岩波文庫 他) の次に挑戦してください。
 
 請求記号 371.6//2041  配架場所 図書館1階開架小型 

栗田宣義(文学部)『マンガでわかる社会学』

   <教員自著紹介>
  人と人のつながりを研究する学問が社会学です。社会学に関心のあるすべての方に向けて書きました。中高生から実務家の方まで「社会って何だろう?」と思った時に読んで貰えれば幸いです。主人公のアヤさんが、友人のサキさんやリナさんたちとの軽妙なやりとりを通じて、社会学を愉しく学んでゆきます。彼女たちが、世の中のしくみとその問題点に気づいてゆくのを、まんが家の嶋津蓮さんに親しみやすい絵にして頂きました。日本語版オリジナルに加えて、台湾版、韓国版にも翻訳されたので、世界三カ国語で読むことが出来ます
 
■『マンガでわかる社会学』 栗田宣義(著)  オーム社 2012年12月
 ■請求記号 361//2185
■配架場所 図書館1階開架一般
■著者所属 文学部  教授 

■栗田先生からのお薦め本
  『百万回生きたねこ』 佐野洋子 作(講談社)                                           どなたにとっても人生のテキストになる絵本です。生きることの大切さ、人を愛することの素晴らしさを教えてくれます。                                           

『スモール イズ ビューティフル』 (F・アーンスト・シューマッハー著、講談社学術文庫)
  社会にとって「ちょうど良い大きさ」とは何かを教えてくれます。実務家が仕事を通じて得た智慧をまとめた、本当の哲学書。大学生のうちに読んでおきたい一冊です。

 『ポリアーキー』 (ロバート・A. ダール著、岩波文庫)                                           民主制を愛しつつも、その現実的かつ根源的批判と、より善き社会への道筋を、緻密で公平な科学的分析の積み重ねによって示してゆきます。学問を目指す人の必読書。        

KSC主催 第7回製本教室について

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・開催日時 11月30日(月)13~16:00
・内容   和綴じの四つ目綴じ
・参加者  5名(うち留学生1名)

本の各部分の名称について、和紙や本の形態の歴史についての説明を交え、参加者それぞれと話をしながら和やかな雰囲気で作業を行いました。

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参加者からは「和綴じ本は初めて作ったが勉強になった」、「作るのは楽しく3時間あっという間だった」、留学生の方は「いい記念になった」など貴重なご意見をいただきました。
各自、好きな色の表紙や角裂(かどぎれ)を選んで作成したオリジナルの本が完成し満足そうでした。

坪内 稔典 『俳人漱石』

 文学部 4年生 川嶋健佑さんからのおすすめ本です。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

書名:俳人漱石
著者:坪内 稔典
出版社:岩波書店  
出版年:2003年

 
 夏目漱石は、『吾輩は猫である』や『坊ちゃん』『こころ』など、数々の作品を残したことで有名であるが、俳人としての漱石はあまり大衆へ広く認知されているとは言い難い。漱石は22歳のときに出会った正岡子規の影響で俳句を作るようになる。漱石は、書簡で何度も正岡子規に俳句を送り、添削を求め、「善悪を問わず出来ただけ送るなり。さよう心得給え。悪いのは遠慮なく評し給え。その代りいいのは少しほめ給え」(p70)と注文をつけたりもしている。漱石にとって子規はまさしく俳句の師匠であったのだ。
 本書は、その夏目漱石と正岡子規と著者である坪内稔典の架空対談で、漱石の100句を挙げ、1句1句について当時のことを回想しながら対談するというスタイルをとっている。漱石に関する一般書は、小説家としての「夏目漱石」に焦点を当てられがちだが、漱石の作家としての出発は俳句であり、漱石を語るときに俳人としての、漱石を抜きにしては語れない部分がある。そういった意味では俳人漱石に焦点を当てた意義は大きく、また架空対談という愉快なスタイルで、漱石自身が、子規や現代を生きる著者の坪内稔典と意見を交わすのは読者としても親しみやすい。
 夏目鏡子の『漱石の思い出』(文春文庫)や子規の『俳句大要』、その他文献を読み漁るよりも、手軽である。
 ただ、架空対談であるので著者、坪内稔典の都合の良い展開で進み、坪内の意見に子規や漱石が反論できないのは些か不都合で、本人たちが生きていたら怒ったであろう。漱石だけでなく、子規の人物像についても詳しく知ることができ、ついでに坪内稔典がどういった俳句を作っているのかも知ることができる。正岡子規は、怒ると松山弁が出てしまう設定など、かなり笑える。