月別アーカイブ: 2021年7月

友田 義行 (文学部)『フィルムメーカーズ22 勅使河原宏 』

<教員自著紹介>
 勅使河原宏(てしがはら・ひろし)は、日本映画界に新しい風を吹き込んだ監督です。作家の安部公房とコンビを組み、『砂の女』『他人の顔』など斬新な映画を作り上げた勅使河原監督の魅力を、様々な角度から掘り下げました。作家論・作品論・芸術論に加え、監督のエッセイや関係者のインタビュー、完全データベースも収録。
 前衛芸術とは?アヴァンギャルド映画とは?その答えがここにあります。

■ 『フィルムメーカーズ22 勅使河原宏
■ 友田 義行編 , 宮帯出版社 ,  2021.6.
■ 請求記号 778.21//2146
■ 配架場所  図書館   1F 教員著作
■ 著者所属 友田 義行 (文学部)

 

電子書籍の特設コーナーを設置しています

図書館入館ゲート入ってすぐのところに、『時間があるときは、SNS・youtubeもいいけど、こんな 電子書籍 はどうでしょう?』と題した電子書籍の特設コーナーを設置しています。


 さまざまなジャンルの電子書籍を導入していますので、お試しください。
 また、図書館ウェブサイトの『電子図書館』サイト上からもアクセスできます。

     →電子図書館サイト

共通教育センター 長谷川 雄彦先生へのインタビュー

文学部 3年生 畑田 亜美さんが、共通教育センター 長谷川 雄彦 先生にインタビューを行いました。(KONAN ライブラリ サーティフィケイト)

Q.普段どのくらい本を読まれますか。

A.最近は減ってしまい月に1冊読めるかどうか。図書館に入った頃は知らないといけないと思い週に2冊程読んでいたが、読みたい本は限られているので1年ちょっとで諦めた。中身をちらっと見るのは週に何十冊としていたが、ゆっくり読むのは図書館に入ってから逆にできない。速読は苦手。草津にいた時、平野啓一郎さんのスローリーディングに関する講演があった。丁寧に行間から主人公の感情の機微を読み取る、そういう読み方もある。こちらの方が合っている。量は関係ない。如何に自分が感じるように読むか、それが本との向き合い方。速読のすすめのような本は沢山あるのでチャレンジしてみたが合わなかった。合う人は本当に早くなる。開き直って今は読みたい本だけ。最近は図書館に関する本が多い。

 

Q. 甲南大学の図書館で1番好きなところはどこですか。

A. 今の図書館は私が大学生の頃とはだいぶ違う。データベースはあるがOPACはなかった。現在の2階の雑誌スペースの間の机のところはすべて目録カードで、それを引くのが好きだった。今の図書館はあまり使っていないが、昔のイメージでいうと友達と話せた2階のロビー上のスペースが好き。よくあそこで集まって駄弁っていた。図書館は本当に勉強する場所も大事だけれど、人と出会う場所として使っていた。そのような図書館も構わないと思う。その方がたくさん使ってもらえる。ちょっと寄って本と出合う、そんな図書館がいい。

 

Q. 公立図書館でおすすめの場所はありますか。

A. サービスでいうと浦安の図書館。有名になってから大分経った2000年頃に行った。その頃からサービスがよく、蔵書が沢山あった。開架書庫、書庫であるが利用者が自由に入っていい方式を採用。

 

Q. 最近の若者の読書離れについてどのように考えていますか。

A. 読書離れというが昔から若者は本を読まない。特に中高生は忙し過ぎ、年代別に見たら明らかに公共図書館に来ない。本を読む時間もない。最近はもっと他に興味を引く物がたくさんあるということもある。

 

Q. 大学生に薦めたい本は何ですか。

A. やはり専門なので図書館に関するもので竹内悊の『生きるための図書館:一人ひとりのために』。新書なので読みやすい。図書館に興味を持って、困った時に図書館を思い出してほしい。

 

感想: 質問内容以外にも神戸市の図書館について様々なことを教えて頂きました。書庫の構造や歴史など知らないことが多かったので、興味深かったです。図書館学の授業での少しは学びましたが、個人的に話を伺う方が面白いです。そして、研究室にある図書館関連の本に気になるものがたくさんあったので今度借りようと思います。

 また、本を読む速度に関しては今まであまり気にしたことがありませんでしたが、少し考えてみようかと思いました。特に速読にチャレンジしてみたくなりました。

 

<長谷川 雄彦 先生おすすめの本>

竹内 悊著 『生きるための図書館:一人ひとりのために』 岩波書店 , 2019年

(インタビュアー:文学部  3年  畑田 亜美  )

オンライン学生選書を実施しました!(2021年度第1回)

 例年夏に書店の店頭にて実施しているブックハンティングツアー(学生店頭選書)は、新型コロナ感染症の影響から今年も中止せざるをえない状況です。
 そこで、KONANライブラリサーティフィケイトのエントリー学生を対象に、学生が読みたいと思う本を自由に選んでメールで申請してもらうオンライン選書の2021年度第1回を実施し、多数の学生が参加してくださいました。ご協力ありがとうございます!

 すでに所蔵している本などを調査し、最終的に発注したのは142冊となりました。昨年度に比べて、実施方法を工夫したところ、学生が選書した図書が大幅に増えました! 
 発注した図書は、7月中旬には図書館に配架される予定です。

 今年度はあと2回オンライン選書の実施を予定しています。
 今後も学生の皆さんの積極的な活動を図書館も支援していきます!

→発注リストはこちら

[藤棚ONLINE]経済学部・足立泰美先生 推薦『〔エッセンシャル版〕行動経済学』

図書館報『藤棚ONLINE』
経済学部・足立泰美先生 推薦
『〔エッセンシャル版〕行動経済学』

 本書は、人間の無意識の行動に注目した1冊です。ノーベル経済学賞を受賞したハーバード・サイモンは、限定合理性という考え方を提唱しました。人の意思決定には様々な制約がかかるなかで、「必ずしも人は合理的ではない」 とし、合理性に限界があることを認めています。例えば、私たちの記憶力であれ、数的処理能力であれ、限界があります。他の選択肢を十分に検討できずに、私たちは限られた範囲で決断をすることになります。我々が、知らず知らずのうちに行う選択。この人間行動の「癖」を利用したのが行動経済学です。例えば、人間には、利益よりも損失に反応し、将来よりも現在の問題を過大視します。これを、現在バイアスといいます。一方で、人は同調性バイアスをもち、多くの人が行動するのと同じように自分も行動する傾向があります。

  このような人間の癖を新型コロナウィルスへの対応に、当て嵌めたらどうなるでしょうか。感染拡大を抑えるために、わが国では、自粛要請による感染拡大防止を図ってきました。しかしながら感染拡大を抑えきれず、数回にわたって緊急事態宣言が発令され、特措法等にも強制力をもたせる改正などが行われてきました。もはや自粛要請だけで感染状況をコントロールすることは困難なのでしょうか。強権発動や経済的なインセンティブに頼らずに、人々を望ましい行動変容に導く手掛かり。それを、行動経済学の知見から本書は紹介しています。新型コロナウィルス感染症によって新しい生活様式の模索が進むなかで、今後の社会をどう望ましいものに変えていくのか。本書を手に取り、未知ある将来に思索を巡らせながら、行動経済学の視点からの、社会のあり方を問い直すのはいかがでしょうか。